セッションのレビュー・感想・評価
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大興奮!!!
むちゃくちゃおもしろいではないか‼︎血湧き肉躍って汗をかいてしまった。それ程大興奮で観ることができる。噂のJ・K・シモンズの演技は圧巻なのでなにも言えることがない。本当にとんでもないオッサンだ。良くも悪くもあのオッサンで出来上がってる映画になってしまってる。カメラが秀逸なのだ。表情や手先、楽器。さらにカットせずにオッサンと学生を行ったり来たりするのもとても良い。さらに音楽に合わせてカットが変わって行ったり撮り方が変わったりしていて面白い。こら、編集賞も取っちゃうわな。良い意味で大画面で観てて圧迫感があった。ジャズ音楽がメインなので、みんな実にカッコイイ。主人公のドラムに負けないくらい、トランペットやサックス、コントラバスなどなど、それぞれの楽器がもてもカッコよく映し出されている。そんなんでオッサンに吼えられてるんだから、興奮しない訳がない。ラストシーンは圧巻です。本当にすごい。音楽映画じゃないくらいの興奮。でもあの後、オッサンにまた吼えられちゃうんだろうな…。笑
絶え間ない緊張感。
寝不足でしたが、映画館で『セッション』を観れるラストチャンスだ!と、眠い目を擦りながら映画館へ。
結果、1ミリも眠くならない。なる訳が無い。(笑)
こんなに全身力みながら、目をかっ開いて観た映画はない!!という程でした。
フレッチャー教授の練習の時の緊張感は、観ている側にもずーっとありました。
教授の『グッド・ジョブ』『期待以上にするために…』『だから最近のジャズは…』等の台詞に少しハッとするところも。
これがインディーズ映画だなんてビックリです。
観るのを悩んでいる方は、ぜひぜひ映画館で観てほしいな!と思います。
テンポの向こう側
ま~たとんでもない映画が出てきちゃいましたね。何もかもが異質でしょ。異質の塊。や、だって「ファッキンテンポォ!」なんて怒鳴り散らすおっさん、古今東西を見渡してもこの映画のJ・K・シモンズ演ずるフレッチャー教授だけでしょうから。まず結びつかないですよ。「ファッキン」と「テンポ」って。なんですかファッキンテンポって。もうこういう、些細な文句の端まで全部が異質で。異質さが常に、ずっとべったり張り付いておるんですよ。“異質”ってさっきから何回も言ってますけど。神経過敏になるというか、見てるこっちがね。
J・K・シモンズといえば、有名なのは『スパイダーマン』シリーズのジェイムソン新聞編集長で、自分としてもそういう認識で。あの編集長だなって、それだけで。
常に部下を厳しく叱りつけるんだけど、少しユーモアというかコミカルでもあったあの編集長のおじさんが、こんな理不尽サイコパスに変身しちゃうってのが、いや役者って凄いなあと思わされもしてですね。うん。
で、このフレッチャー教授。「シャッファー音楽学校の名指揮者で、自分のスタジオ・バンドで生徒を人間扱いせず、日々扱きまくっている」という設定で、あの『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹を思い浮かべる方も居られると思うんですよ。あの理不尽鬼教官。口汚く訓練生を罵る人。フレッチャーの扱きっぷりは確かにあれクラスと肩を並べてます。でも、なんていうか、ハートマンは訓練生達を一人前に育てようとか、少なからずとも愛情みたいなもの、その片鱗はあった訳ですよ。
しかし、しかしテレンス・フレッチャーという男。愛情、思いやり、その類、一切なし。甘い言葉を掛けたと思ったら突然パイプ椅子を投げ付ける予測不能な気性の持ち主。兎に角、気に入らなきゃ暴力に訴えるし、容赦なく生徒を見限るし、叫ぶ、怒鳴る、いじめる。まさに教室は地獄絵図。理不尽。理不尽の洪水。
映画史に燦然と輝くだろうこと間違いなしの、名悪党の誕生です。
そのフレッチャーの鬼扱きにも負けず、必死に食らいついてくのが主人公のネイマン君。名ジャズドラマーを目指して、過剰な扱きにも猛烈耐える耐える。耐えまくる。
手指を血だらけにしながらもスティックを握る姿は気迫がみなぎり、やがては目に下に隈を作り、柔和だった顔つきがみるみると尖っていく。もうね、彼にもフレッチャー同様に、ある種の異質感を覚えるんです。ああこりゃどっちもだっちだなと。
そこから鑑賞しながら段々と「ん?ちょっと待てよ」となってですね。
その師弟関係だけで引っ張るのか?となってきて。サイコパス教授のキャラクター性は確かに面白いんだけど、正直、観客からしたらずっと悪質指導を見せ続けられて、かなりフラストレーション溜まってんですよと。おいおい、いい加減にしろよ?となったところでの……あのクライマックス!あのセッション!あのラスト!
うおおおおおおお!?!?目が離せない、手に汗握る、固唾をのむ、の全部をやってしまいまして、自分。
もうなんでしょうか。こう来たか、と。ほぼ全編を起爆剤に使ってたんですね。最後の最後でエクスプロージョンさせる為に。最近の映画だと『ブラック・スワン』に近いやり方。溜めて溜めて、解き放つ。
鬱憤とか怒りとか復讐とかそんなチャチなもんじゃないんですよね。あれが狂気。あれこそが狂喜。凶器。
上映が終わり、席から立つ瞬間、思わず大きな溜息が出ちゃいましてね。凄いもん観たと。やあ~……やあ~、やられました。
皆さんも!ぜひ!劇場で「ファッキンテンポ!」しちゃってください!
闇から生じる光
音と魂の奔流に食らいついて鑑賞。こんなに真剣に観たのは久々。やられました。
陰なくしては光は輝かず、汚物にまみれた先に圧倒的な美が生まれる。
何かを肯定したりするものではないのでしょうけれど、凡人にも考えるきっかけを与えて貰えました。
現代の映画
感想を一言でいうと、これは「現代の映画」である。
天才を育て上げるための狂気じみた教育が善か?悪か?あれは度を超えた指導だったのでは無いかと目を向けてくれる人がいるのは、現代ならではの解釈である。
統一性のあるストーリーの中で細やかな伏線が散りばめられ、観終わった後にあのシーンはこのシーンと対峙して出されていたのか、と振り返りたくなる。人間の喜怒哀楽をここまで引き出した物語を私は観たことがない。人間というのは強く、そして弱い生き物であることを考えさせられる映画だった。果たしてシモンズが最後にかけた言葉は?
賞賛か罵声か。私は後者であってほしい。
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