「天権法理非」予告犯 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
天権法理非
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映画「予告犯」(中村義洋監督)から。
私自身、ネットの世界にどっぷり浸かっているにもかかわらず、
アクセス数の急激な増加など、大きな変化に対しては、
喜ぶというよりも、あれっ、どこか知らないところで炎上してる?、
変なこと書かなかった?なんて、不安・恐怖が先行する。
自分の管理が及ばないところで、自分に関することが語られ、
誹謗中傷されることへの不安は、誰でも持ち合わせているだろう。
だから、堂々と自分の意見を主張し、自分の意見と会わない人に対して
いとも簡単に「誹謗中傷」出来る人たちは、凄いな、と思う。
片方では「みんな違ってみんないい」という視点で、
金子みすゞさんのフレーズを多用しながら、もう一方では、
その違いを認めない、許せない、という動きが渦巻く。
そんな矛盾したネットの世界を上手く描いている作品だな、と感じた。
さて、今回の気になる一言は、作品内でちらっと登場した
「天権法理非」と書かれた掛軸。
「非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は権に勝たず、権は天に勝たず」
「天命のままに動き、人は天に逆らうことはできないのだから、
『天道に従って行動すべきであるということ』らしい。
監督ら映画製作関係者が、さりげなく飾ってある「掛軸」や「書」に、
この作品を貫いている考え方があるに違いない。
楠木正成や戦艦大和で話題になった「非理法権天」ではなく
「天権法理非」にも意味があるのかもしれない。
これを「テロ」と呼んでいいものだろうか・・私にはわからない。
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