ザ・ウォークのレビュー・感想・評価
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ジョセフ・ゴードン・レビット!
やはり冒険xノンフィクションは鉄板!!
最高の愚行
別にこの作品に限った事じゃないが、劇場で3Dを売りにしている作品を家の小さなTVで2Dで見たって魅力は半減。
勿論ロバート・ゼメキスによる映像表現は冴え渡っているが、“体感”とやらは皆無。
ワールド・トレード・センターの2つのタワーの間に綱を掛け、その上を渡る。
これに共感出来るか?
全くNO! 何言ってんの、コイツ?
自分の夢の為には周囲への迷惑はお構いナシ、自己中、傲慢、ワガママな大道芸人、フィリップ・プティ。
彼よりむしろ、“クーデター”に理解を示し、協力してくれた“共犯者たち”こそ偉い。
…以上、上記に挙げた点が引っ掛かり、最初はどうも乗れなかった。
プティがデップーよろしく観客に向かってべらべら喋りまくり、ちょっとウザい。
さらに、プティがワールド・トレード・センターの綱渡りに挑戦しようと決意するまでを丹念にかつゼメキスの快演出でテンポよく描いてはいるものの、かったるい。
しかし、いよいよ決行日、ワールド・トレード・センターに潜入辺りから乗ってきた。
まるでスパイ映画みたいで、本番よりこちらの方がハラハラしたかも。(ゼメキス、「ミッション~」の監督にいいかも!と思ったり)
こうなってくると、もうただただ面白く引き込まれた。
で、最高のテンションで、遂にその時が…!
先に述べた通り、ハラハラドキドキの高所のスリルは随分損なわれているし、アラン・シルヴェストリの音楽が何だか感動調なので絶対成功するじゃんと思ってしまったし、これだけ焦らして焦らして焦らされた本番も意外とあっさり終わる。
しかし、ここからがまたプティの困ったちゃん。
一回渡ったのに、もう一度。
逮捕しに来た警官の前でUターン。
見始めた時の気持ちのままだったら、おふざけに感じてうんざりしていただろう。
が、そうは感じなかった。何故なら…
ここは彼にとって最高のステージだから。
役者が舞台で観客から溢れんばかりの拍手を浴びる、それと似ている。
いつまでもこの場に居たい。
いつまでもこの感覚に浸っていたい。
このシーンのプティは紛れもなく異色のアーティストであり、その生み出した芸術も美しかった。
偉大な挑戦、前人未踏の記録と称えられているが、敢えてそうは言わない。
やはり周囲への迷惑は多大であり、法も幾つも侵している。
その挑戦に免じて…なんて筋が通らない。
だからこう称えたい。
最高の愚行。
ラストシーン、哀悼の意が込められていると感じた。
今は亡き2つのタワーに捧ぐ…。
馬鹿らしい夢と思うなかれ
ジョセフ・ゴードン=レビットじゃなかったら借りてなかったと思う。
ワールドトレードセンターを綱渡りする話?今じゃヒーローが集まって最強の敵と闘う時代だぜ?題材が弱いだろ!と思ってたら、面白かった。
綱渡りシーンなんか気づけば手に汗握っていた。
綱渡りで2時間どうやってもたせるつもりだろ?と思っていたらワイヤー張るのにあんなに時間かとは!確かに準備は大事だよな!と納得した。
嫌な事も沢山起こるし、後の綱渡り何かあるのでは?と思わせるのに充分だった。
さすがはロバートゼメキス。企画が立ち上がった時に、見せ方と演出に自信が相当あったんだろうなと思いました。
派手ではないけど満足しました。
馬鹿らしい夢だけど、どんな夢も叶えるには困難が待ち受けて、乗り越えたその先に幸せはあるのだと教えられた気分。
何故渡るのか
20世紀最大の犯罪芸術を目撃せよ!
語られがちなのは、
3Dや視覚効果、手に汗握る迫力...。
だけどこれは、
「20世紀最大の犯罪芸術」を目撃する映画でした。
ワイヤーウォークに魅せられた、
フィリップ・プティの前代未聞の偉業。
この出来事はニュース映像で
見たことがあるけど、
詳しくは知らなかった
1978年の出来事です。
ただ不可能な夢を叶えるため、
突き進む主人公。
やっぱり実話だから、余計に熱くなるなぁ。
そのパワーに引き込まれる2時間。
彼の語りの回想で、
物語は転がり始めまるのだけど、
ありえない場所野設定も、
ゼメキス監督のエンタメセンス。
憎いですね。
山場はもちろん横断シーンだけど、
どうやってワールド・トレード・センターに
ワイヤーを架けたのかが、
まるでサスペンスドラマのよう。
綿密な下調べやフランスやアメリカの協力者集め、
警備をかいくぐっての物資運搬など、
ドキドキが止まらない。
そしていつの間にか主人公を
応援してる自分がいます。
そして
クライマックスのワイヤーを渡る彼に、
NY市民は熱狂。
美しすぎる恐怖に、見とれてしまいます。
そして全てをやり遂げた彼の気持ちに共感して、
爽快な達成感。
新しいものを次々と生み出してきた、
活気のある1970年代のパリや
ニューヨークを感じるのも楽しいですね。
フィリップ役の
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが
名演でうまいなぁ。
彼は前作シンシティのギャンブラーエピソードで、
独特の孤独感を放ってましたね。
インセプションも良かったです。
この作品ではニヒルな世界観で
シリアスになりすぎず共感を誘います。
師匠役の怪優ベン・キングズレーも、
さすがの存在感。
前作のディーン同様、ハズレなしです。
僕は2Dで観たのですが、
かえってリアリティが感じられて良かったです。
3Dの方がレイヤーを重ねてる分、
CGっぽく感じてしまうからね。
ゼメキス監督の映像クオリティは、
真骨頂ですが、
退屈になりがちな実話を、
見事なエンタメに昇華させてるのも
手腕なんですね。
一見、ドキドキするエンタメ映画の
お化粧をしてますが、
「世の中を変えるほどのアートは、
狂気のなかでしか成立しない。」
そんな普遍的なテーマを見せつけられ興奮する秀作。
人生はエッジを歩いてこそ価値があるんだな。
クリエイティブな闘争心が呼び覚まされる映画でした!
怖れない心
タイトロープ、とはどちらかと言えばネガティブな表現だろう。しかしそれは第三者からはそう見えても本人にとっては自由でアンタッチャブルな領域にもなりうるということが今作では示される。
『マン・オン・ワイヤー』は観ていたがフィクションを交えた今作の方が心に響いたのはやはりゼメキスの上手さなのだろう。一本のワイヤーで日常に非日常を作り出す行為はそれだけで楽しい見世物だが、それを社会現象にまで昇華させたプティという存在をうまくとらえて作品上にしっかりと描き上げている。そうしてカタルシスもありながらラストショットからのほろ苦さで深みも加えている。
3D映像は思ったほどではなかったものの、やはりこの作家は新しい分野でこうして答えを出すあたり流石というよりない。
ウォーク
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