野火のレビュー・感想・評価
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狂ってゆくのは世界か、自分か
リバイバル上映にて初観賞。
銃撃戦も特攻もない。ただ死の世界で生き延びることがかくも残酷なのかと思い知らされる。
またリモートにて塚本監督の話を聞け、作品の裏話を知ることができた。
「いい天気ですね」といって自爆する兵
補給無き戦争。太平洋戦争はもとより中国大陸でも日本軍の作戦は現地調達が原則だったから銃や大砲で殺られるより餓死していく兵が圧倒的に多かった。敗戦濃厚となって敗走する兵士の悲惨は大岡昇平の「野火」よりむしろ古山高麗雄『フーコン戦記』の一場面一場面を目の当たりにする思いだ。
道無き道に転がる日本兵。「いい天気ですね」といって自爆する兵。生きながらウジが湧く兵。口に入る物はなんでも食ったという。この映画のテーマの一つである「人肉捕食」も、極限の飢餓に見舞われた兵士は人肉を食うしかないのか、その狂気の必然を問う。
トピックは、高い崖をよじ登れば、脱出できる集合地に行けるかも知れないと、夜陰に紛れて集まって来た疲労困憊の日本兵を待ち伏せして襲いかかる重火器の地獄絵図だ。一部は崖に達しよじ登るものも居たらしいが、大半は力尽きて落ちて行ったらしい。
この映画を見て、今を生きる自分達は、戦争がいかに愚かで悲惨なものであるかを実感しなければと思う。
近代戦は歩兵なんか居ないなどと言う人もいるが、戦争は漫画のような甘いものではない。殺し殺され、親兄弟恋人が引き離され悲嘆にくれるのだ。憲法を破ってまでする価値のあるものではない。
のび太ではない野火
2021年1月21日
映画 #野火 (2014年)鑑賞
戦争文学の代表作!
野火といえば #カニバリズム
人肉を食べなければならなくなった時自分ならどうするだろう?
食べなければ死ぬ時は食べるかな?
食べずに死を選ぶかな?
難しい
#リリー・フランキー 相変わらずいい演技してる!あの手の役はハマってる!
厭戦とは。
戦争を正義もヘチマも無いスプラッターホラーと捉えた塚本晋也の厭戦を支持する。
肉塊をぶっ飛ばしつつどうしてもヒロイックに感動させざるを得ないスピの「プライベートライアン」の何と好戦的なことか。
戦争は平和の為にこそ行われる。
平和の為の反戦でなく、怖いから痛いから嫌だからしない、という厭戦であるべきと思う。
仇を打ちに行きますよ俺が、と言う全くの他人を、命懸けて止める事が私達に出来るだろうか?
生物の本質
個人評価:3.5
ストレスの伝道師 塚本晋也。
本当の地獄といえども、ここまでの地獄ではないだろう。壮絶な状況に自然と脂汗が出てきて、自分から嫌な臭いが出ている様だ。
日本軍が敗北するフィリピン戦線。その悲惨な地獄をまさにリアルに描写している。人の命より芋が価値を持った時、今までの人間のルールが崩壊し、生物の本質が剥き出しになる。
戦争映画≠反戦映画
原作未読
石川達三の『生きている兵隊』は読んだことがあるが大岡昇平は読んだことがない
1959年の市川崑監督作品の方も観たことがない
原作も市川崑版も近日目を通しておきたいと感じさせた作品
劇場で観る予定だったが観ることが出来なかった
リバイバル上映も見落とした
遠くの小劇場なうえに上映期間が短すぎる
この映画に関して監督本人のインタビュー記事も読んだ
全てがありきたりで空々しい宣伝文句だった
中共と違いとても自由なこの国であれが本心なら痛すぎるし塚本晋也お前もかと残念な思い
少しでもたくさんの人に観てきてもらうための釣りだというならとんだ食わせ者である
市川崑監督は世代的に戦争体験者な筈だが政治的発言はあまりしない人だったと記憶している
右翼的発言もしなければ左翼的発言もしなかった指原莉乃的態度が左翼に嫌われたのだろう
塚本晋也監督は暴力映画を作るのが大好きな監督だ
グロいのも大好きだ
自主制作的なことも大好きで完全に雇われ監督の市川氏とは全く正反対のアーティストだ
『野火』はあくまでモチーフであり反戦メッセージなんて客寄せの嘘大袈裟紛らわしい謳い文句に過ぎない
バイオレンスは彼の趣味である
戦場でのサバイバルをただただありのままに描いている
本人が主演している
とにかく出たがりの監督である
村西とおると同じ感覚なのかもしれない
あっちがエロならこっちはグロ
北野武は超有名人だからまだいいが塚本晋也監督は邦画をよく観る映画ファンくらいしか知らないだろう
リアルを追求したいのならいくらなんでも兵隊役に当時60近い人が演じなくても良かろう
20代30代40代前半で演じられる役者がいくらでもいたというのに
こういうところもあって塚本晋也の政治的発言は嘘くさい
作品そのものはそれほど悪くない
表向き反戦をテーマにしているからと言ってどんな陳腐な作品でも全面的に肯定する思想はないがこれは駄作ではない
映像がきれいすぎるのがかえって安っぽく感じてしまうが
低予算を言い訳にして欲しくはない
交渉次第で朝日新聞やイオングループや中国共産党がいくらでも支援してくれたのだから
リアルなホラー映画として楽しむなら良いんじゃないか
母方の祖父は母が生まれる前にビルマで若くして戦死した
銃撃や爆弾ではなく飢えで亡くなったそうだ
どんなにつらく苦しかったことだろう
母は最近高齢ならではの愚痴が多くなった
物忘れも酷くなりトンチンカンなことばかり言っているがそれを自分で笑い飛ばしている
それも長生きしたからできる幸せの一つだ
ビルマで亡くなった祖父はそんなこともできずに死んだのだ
僕は戦争映画に反戦のメッセージなんか必要だと感じない
映画で戦争が無くなるならこの星に政治家はいらない
他人のマスターベーションは見たくない
アメリカの手助けはしてきたとはいえどこの国とも直接戦争しなかった日本にそんな説教は飽き飽きだしうんざりだ
答え合わせはもはや必要ない
リベラルを自称するなら某右寄り作家なんかより習近平を憎め
観た人がそれぞれどう感じるかは自由である
自由ゆえに他人のレビューを批判することも自由だ
戦争賛美や戦争美化とは左翼の思い込みでありラサール石井的な言いがかりである
好戦的で不寛容な彼らに平和的なものは全く感じない
絵空事で体験したつもりになって戦争の悲惨さを訴えてもそれは小学生レベルの退屈な感想文である
ネットでネトウヨ煽りしている暇があるならタイにでも行って地雷除去の手伝いしてこい
できるだけ多くの人に観てもらいたい作品
戦後70年という節目に公開された本作、観客は年配の方が半数近くをしめており、中には戦争体験者と思われる高齢の方も何人か見かけました。
もちろん平日の午後といった時間帯もあったからだと思いますが、様々な世代からの関心の高さが伺えました。
日本での戦争映画というと「国や愛する家族のために散って行った英霊」といった作品作りが多い気がしますが、この作品ではそういった類の演出はまるでありません。
人肉という禁忌を一つのテーマに、戦場という異常な空間をただひたすらに描いています。
累々と横たわる死体、飢えと渇き、肉片と血飛沫、満ち溢れる狂気。
徐々に人が人で無くなっていく様が、スクリーンを通してずっしりと重く伝わってきます。
カメラワークや音響も効果的で、その戦場に自分が放り込まれた様な気分にもなります。
また塚本作品の特色として、凄惨な話でもラストには必ずといっても良い位に「光」を入れています。そこが好きだったりするんですね。
しかしこの作品ではそういった「救い」はなく、最後まで戦争の恐ろしさだけをぶつけてくるのです。
観ていて少し恐ろしい気持ちになるのですが、こういったブレない所にも監督の意気込みが伺えます。
少しずつ戦争を知る者がいなくなる中、この作品の持つ意味は実に大きいのではないのでしょうか?
こんな今だからこそできるだけ多くの人に観てもらいたい。
切実にそう思う、もの凄い作品でした。
戦後75年
第二次世界大戦で日本が負けてから、75年がたった2020年。
75年前の今日8月6日、広島に原爆が落とされた。
たくさんの人が命を奪われ、大切な人を失い、たった一度の人生を狂わされただろうと思うと、二度とそのような事があってはならないと強く思う。
リリー・フランキーさん出演作品を探していて見つけた本作。レビューを鑑賞前に数件読んで、鑑賞するには覚悟がいるなという印象を持ったが、みるなら少しでも同じ過ちを繰り返さないという気持ちを思い出す今日鑑賞したいと思った。
今までも数々の戦争を描いた映画を観てきたが、本作ほど頭から最後まで、緊張して鑑賞した戦争映画は無かったように思う。
ただただ、ずっと怖かった。緊張していた。
次は何が起こるのか、想像ができない自分。
戦争を体験したこともない私にとっては、勿論、想像などできるはずもなく。
一人の兵隊が経験した戦争というものを90分みっちりと見せられた。
グロテスクなシーンはたくさんあるが、これでも現実よりはまだ優しいのでは?と思えてくる。
匍匐前進をするシーンやジャングルを走り回るシーンなど、見たこともない景色だった。
これを命がけでしていた兵隊達の気持ちなど、想像できるわけがない。これをその人達の幸せな人生を犠牲にしてまでやっていた事なのかと思うと胸が苦しくなる。
よくある戦争映画には、主人公の身内の立場の女性がいますが、自分も女性としてそういうキャラクターがいるとついついそちら目線で映画を観てしまうが、本作品ではそういう事も皆無で(最後にチラッとじょせいはでてきますけどね)ひたすら兵士がどんな環境で、どのように時を過ごしていたかが描かれているのも、自分にとっては新鮮でした。
人が人でいられなくなる環境というのは存在する事がよく分かりました。
とてもじゃないが、私はこんな場所では生きていけないと思った。だからこそ、戦争は二度と起こしてはいけないと思う。
なんでもありなのが戦争。そこにモラルなど存在しない。
どれだけ時間が過ぎようと、私たちが過去の失敗、過ちを忘れてはいけない。その為に、このような映画が必要なんだと思う。恐ろしくて二度は観られないが、人には勧めたいと思う。
市川崑版よりも訴えてくるものがあった
5日分の食料を持って出たため、部隊に戻ると、「せめて5日間入院してろ」などと言われ再び病院へ行くも、「肺病ごときにかまってられるか」と追い出される。食料は野戦病院で没収されたため、地元民から強奪したりもした。そして、また部隊と病院の往復・・・
廃教会で地元民の男女が現れるが、女の方を殺してしまった田村。さまよい続けて民家から塩を見つけ、やがて別の隊の日本兵4人と行動を共にする。「俺と一緒にいれば弾当たらないから」と言う伍長(中村達也)。敗戦濃厚のため、セブ島に輸送するためパロンポンに集合せよという命令が伝わっていたが、行軍中、一斉射撃の虐殺に遭ってしまう。死にかかった伍長は狂気に満ちていた。ニューギニアで人肉を食ったことがあるとか話していたが、「俺が死んだら、ここ食っていいぞ」などとうわ言のようにつぶやく。
一方、安田(リリー・フランキー)の命令でタバコとイモを交換させられていた永松(森)と再会するが、猿の肉だと食わされた干物。安田と永松は人を殺して人肉を食っていたのだ。永松はとうとう安田を殺すが、彼もまた狂気にかられていた・・・
累々と横たわるおびただしい死体の数。残虐な描写などは、戦争の激しさよりも、兵士の誰もがもう戦えなくなっていたことの方が心にガツンと訴えてくる。そして人肉問題。この描写があるかないかで戦争の悲惨さが・・・しかも正常な人間として生きていけない状態が見て取れる。
極限では声も出ない?
もう戦争の体をなしていない。敗者に鞭打つ飢餓と衰弱。そんな状態では声も出なくなるのかもしれない。ただ、映画である以上、きちんとメッセージを伝えてほしかった。そこが、ドキュメンタリーと違うところで、監督の裁量であり度量と思う。この点では、市川崑が優れていた。
戦場の悲惨さや狂気はこの映画の方がリアルなのかもしれない。塚本監督はこれを伝えたかったとすると、個人的にはちょっと???
しんどい。
戦争映画では悲惨な状況を描きながらも
カッコよく生きた男たちが描かれることも多いですが、
こちらはただただグロく壮絶なほどの悲惨さしかありません。
それと対称にレイテ島の自然はどこまでも美しい・・・
ただ、本当になかなかないほどの悲惨さなので、
こういう描写が苦手な人にはおすすめできないかも。
私もスクリーンなら無理だったかも。
テーマはものすごく深いところなんだと思うんだけども、私的には深くま...
テーマはものすごく深いところなんだと思うんだけども、私的には深くまで汲みとれず、、、
ただ、かなり忘れられない作品になったことは間違いない。。。
鮮明
昼間のシーンが色鮮やかで、鮮明で、救い用のない世界とのコントラストを感じた。鮮明だからこそ泥、汗、血が、匂ってくるほどだった。主人公の目のメイクはシーンによって濃さや色が違うしちょっと嘘くさかったが。戦末のフィリピンでの日本兵について、どれだけ知ってることがあるだろうか。生きることを諦め、でも死ねない、死にたくない者たちの足掻き。同じはずなのに底辺のところで上下関係が生まれる。窮地の状況でも日本人の性が出る。本当に醜い。恨むべきは人ではなく、戦争。こんな経験をした人が生きて帰ってきても、まともに生きれるはずがない。死んだ方が良かったかもしれないが、物書きという職業であるからこそ伝えていかなければなるまい。
スプラッタ描写に比重がいってしまった
塚本氏だと、こうなるんだろうけど、スプラッタ描写にどうしても目がいってしまう。でも役者としてはよかった。またブラックな仲間との会話は秀逸。そして人間の醜さと関係なく南国の自然は美しい。
終戦の日に、戦争を考える
原作は、太平洋戦争時のフィリピンでの体験を書いたものという。嘘は無いだろう。
という事は、こんな事が実際に行われてたって事だな…
やはり戦争というものは、人を狂わせる。
やるべきではないな。
若い政治家の中には、酔ってたとはいえ『戦争するしかない』といった事を言ってしまう人もいる。
このような作品を見て、戦争とはどんなものかを考えて欲しいものです。
【毎年、8月に「野火」を読み、観る意義。強烈な反戦映画である。】
視覚的に、観ているのが非常に辛い映画である。
小説を読んでいる際には、自分の脳内でリアルな映像化を拒絶している部分があったのだが、ここまで苛烈にフィリピン・レイテ島での70数年前の出来事を映像作品として見せつけられると逃げようがない。
塚本晋也の現代日本の状況に警鐘を鳴らさねばという気概、そして初演以来5年たった2019年夏にこの作品を上映する映画館の姿勢に襟を正される。
日本が、このような作品が制作されても、上映出来ない国にならないことを切に願うし、そのためには私たちは何をしなければならないのかを深く考えさせられる作品でもある。
<2019年8月14日
毎年、夏になると強烈な数々の反戦映画を上映してくれる”反権力の気風、気概の高き都市”のミニシアターで鑑賞。>
BSで録画していて視聴 原作を昔読んでいて展開は大体知っていました...
BSで録画していて視聴
原作を昔読んでいて展開は大体知っていましたがそれでも衝撃的でした。
しかし、作者の大岡正平さんが実際に体験したであろうフィリピンの戦闘・・・それによって壊れていく人間、この作品のようなことが本当にあったのだろうか?と考えると恐ろしくなります。
『炎628』に近い作品だなと感じました
あの映画の真剣な演技の空気が伝わってきた
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