きみはいい子のレビュー・感想・評価
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わからない
小学校4年生のクラス担任として赴任した新任教師が、日々子供たちと関わる中で、子供たちとどう向き合うか、試行錯誤して見つけていく話。
トイレ、一人許すと、我も我もとなるのは、当たり前。一度でもあれば、授業前にトイレの確認してそれでも行きたがる子には、大袈裟なほどの念押しして、次に続こうとする輩の気持ちが萎むようにしなければならない。
授業中に行こうとすること自体、教師をなめてかかっているから、その都度その都度で、ガツンとしてやらねばならない。
看護師の母親と同居人と暮らし、
雨降りなのに決まった時刻迄家に入れてもらえないクラスの子を学校で見つけ、
家まで送るが。
保健室で校長やら教頭やらが集まって家の様子を聞こうとするが、言う筈無いし。
家であの同居人にどんな目に遭わされるか⁉️
あの宿題を出した日は、必ずやって来ると言ってたが、休んだ。
あの宿題の報告を聞くと家庭がわかる。
みんなの前で発表させる必要があったのか、と感じた。
ほっこりする雰囲気にしたてていたが、
誰にも相手にされなかった子はいなかったのだろうか?と危惧する。
やはり、動物相手の子。
普通なら、何か言われる。
冷やかしたり、「ズルい❗️」とか。
それだけではすまない子供という人間の世界。
なかなかキツいのである。
教室を出て教師の目の届かないところで。
あの子は休み。
ますます気が重くなる筈だが。
担任は、この宿題の成果になぜか自信を持ち、あの子の家を訪ねようとする。
一人暮らしのあきこさんが、自閉症児と触れ合ううち、自身も楽しみ、子育てに悩む母親の心をほぐしていく、というストーリー。
自閉症の子、知らない人と話す、というか、会話が成立するかなぁ? と感じた。
個人差あると思うが、そもそも目を合わさない。こちらの意図は大体理解できるが、本人からの意思は分かりにくい。会話文になるような言葉のやりとりはまずできない。また、賢い子は、わかってこちらの指示なりをはぐらかすこともある。
なので、子役の子、上手くて、特徴的な、多動性にありがちな、始終手を叩く演技をしているが、会話はできないと思う。
また、本作のように知らない人とあんなにコミュニケーションをとれないとも思う。
知らない人の家に上がり込むとか、そこまでの社会性があるかも疑問。
あきこさんもわからないうちに万引きまがいのことをしてしまい、スーパーの店員に咎められたことがある。
その店員が、弘也君の母親なんてでき過ぎだと思うが。
幼少期の経験により、自分の子供に優しく上手く接してあげられない母親が、実は同じ境遇だったママ友と付き合ううち似た境遇だと悟られほぐされるように接して。娘への接し方が変わっていくストーリー。
煙草の烙印、よっぽどの親だと思う。
しかし、そんな親や環境の下、、エリートっぽい夫と裕福な生活をしている。生活に困らず、ゆとりあるし、そんなに手のかからない娘だが、キツくあたってしまい
そんな自分を嫌う。
娘の心もいじらしい。笑顔のママ友さんにおもちゃや食べ物で試されるが、キッパリとママがいい。と言う。
この子がまた母親になった時、愛情たっぷりに我が子を愛して欲しいと願った。
終わりの方で、
ひまわり学級と書かれた教室。
高良健吾扮する担任が帰り支度で通りかかった時間帯に、
あれだけの子供の数、←普通学級ぐらいの人数
保護者の姿、
弘也君とあきこさんも。
それを見て感動する高良健吾。
ますます自信を持って家庭訪問❓
そんなに、世間は、親は甘くない。
親も必死に働き生きている。
頑張っていますから、ご理解ください、は通用しない。
何度も何度も叱られて悩んで試行錯誤して
それでもままならない。
ただ、高良健吾の子供への眼差しはいいと思う。
実力も伴って子供を守りいきいきさせて欲しい。
現実はとにかく厳しい。
だから、挫けず前向いて頑張るしかない。
とても難しい宿題を出したいと思います
新米の小学校教員を演じた高良健吾さんの眼差しが、何処までも温かく優しい。
我が子と向き合う母親達の抱え込んだ思いが切なく、尾野真千子さんの迫真の演技に圧倒され、その一方で池脇千鶴さん、富田靖子さんの慈愛に満ちた表情に救われました。
小さな身体で全てを受け入れなければならない子供達の姿がとてもリアルで、寄り添う事の大切さを改めて感じさせられた。
BS松竹東急を録画にて鑑賞
子どもも大人も、みんなギュッと抱きしめられたい
「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が、2013年「本屋大賞」4位に選ばれた同名の短編小説集の中の5編から、
「サンタの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちはさようなら」の3編を
一本のこの映画にしたそうです。
(原作は未読です)
一番に目を惹くのは真面目でやや統率力に欠ける性格から
崩壊してしまった小4のクラスの担任教師の高野(高良健吾)。
高野がなんとかして崩壊したクラスを立て直そうと考え出したユニークな宿題。
「家族にギュッと抱きしめてもらう事」
この宿題を出された子どもたちが照れながら報告する様子を、
まるでドキュメンタリー映画のように写し出しているシーン。
生き生きした子どもたちの表情が、作り物ではない本物に見えて素敵です。
そして過去に親から受けた虐待の傷から立ち直ってない母親(尾野真千子)
外目には良い母親を演じながら、感情を抑えられずに子どもに手を上げてしまう!!
雅美の複雑に揺れる心を繊細に熱演。
いつもは見下していたママ友の陽子(池脇千鶴)に、抱きしめられるシーン。
陽子もまた虐待を受けて育ったのでした。
母親だって抱きしめて貰いたい!!
褒めて貰いたい!!
(思わず熱い塊が込み上げて来ました)
自分を愛せない雅美(母親)が、どんなに手を上げても、
「ママ!ママ!」と慕う娘に、雅美もきっと成長させられるでしょうね。
認知症の老婦人と自閉症の子供のエピソードも胸を打ちました。
そして何より「事なかれ主義」の学校現場から一歩を踏み出そうとする高野。
彼が開けようとするアパートの一室のドア。
このラストに、
かすかな希望を予感するのは私だけでしょうか?
現代社会が抱える…
学級崩壊、幼児虐待、認知症、障がい児など様々な問題をリアルに描いている。高良健吾のパート、尾野真千子のパート、喜多道枝のパートが強引に交わることなどなく、それぞれ進行していく。解説読んで納得、なるほど3つの原作から構成されているんだと。特に尾野真千子の虐待シーンは胸が痛いし、池脇千鶴に抱きしめられるシーンはぐっと来た。やはり、虐待は繰り返されるのか。。子供の愛し方、叱り方がわからないのだろう、またそんな自分を嫌いというのが救われない。どれもハッピーエンドにしないのもリアリティあるし、ラストの高良健吾が訪ねた後が見たい。どの役者も好演しているが、特に自閉症の子供を演じた加部亜門は素晴らしかった。池脇千鶴の肝っ玉母さんぶりも板に付いていた。
今年も桜が咲いたわね
認知症のおばあさん(本当のところはわかりません)の所から始まる。子育て中のお母さん 小学校の先生と子供を通して悩む人たち。
子育てしている時って母親と子供だけなので大きなストレスを感じてしまう。(思い通りにいかなくて)それで子供に当たってしまう。それでも子供はママが大好き。
学校もいじめや親たちの苦情などたくさんの問題を抱えている。(大変だなぁ~)昔と違って子供が大人しくしてないから。そしてなかなか家に帰れない子。教師も生徒が38人もいたら対応仕切れないと思う。(20人ぐらい減らさないと負担が大きすぎて)
障害を持った子供たち。ここでは先生達が優しさを持って接している。(抱きしめたり触れあったり)皆が楽しそうな笑顔の子供たち。
おばあさんの優しい言葉。発達障害の子供を普通の子供の様に接して、とってもいい子よと。
優しく抱きしめること 今コロナ禍の中でなかなか抱きしめることは難しいですがとても大切なことなんですね。人とのぬくもりを優しさを感じた作品です。
親に悪い子、と言われている子に きみはいい子だよ、と言う先生。 子...
親に悪い子、と言われている子に
きみはいい子だよ、と言う先生。
子を叩いては後悔する母。
他の母達だってしているはず、と聞き耳を立てる
認知症気味の独居老人が助けてあげた知的障害のある子。
その母に、とっても良い子ね、と語りかける。
みんな何処かに寂しさを抱えていて
若い先生は毎日の忙しさと、教師という立場だけでは
踏み込めない領域に憤りを感じたり。
ある日、ちょっとした事がきっかけで幼い甥っ子に
抱きしめられてその温もりの大切さに気づく。
そして先生はクラスの子に
家族に抱きしめてもらう、という宿題をだす。
これは、いもとようこさんの『宿題』という絵本が元ネタかと。
宿題の感想を聴くシーンはきっと台本なしのリアルな声なんだろうね。ちょっと泣けた。
ラスト、学校に来なくなった
悪い子と言われてる子の元に先生がかけつけるシーン。
先生の決意の表情も終わり方もとても良く
きっと生徒のためにとことんやってくれるだろうと思わせる終わり方だった。
泣ける
見終わって直ぐに、息子を抱きしめました。もう12歳、普段なら嫌がると思うんだけど、素直に抱きしめられてくれた(笑)
我が子も支援級在籍なので、自閉症の子のお母さんの気持ちが痛いほどよくわかる。『いい子ね』なんて言われたら泣ける。
5時までは帰れないと言っていた子の所へ、汗だくになって向かう先生。どうか助けてあげてほしい。
虐待してしまう母親、気づいて優しく背中をさする池脇千鶴さん、本当になんて表現したら良いかわからないけど、私も泣いたよ。
我が子も育てづらかった2歳の頃、オノマチと同じように冷めた目で子供を見ていたと思う。虐待こそはしなかったけど、心底『子育て向いてない』と思って働く事にした。それから10年あっという間。
今思えば、我が子をもっともっと抱きしめたら良かった。あんなに辛かった子育ても、昔のビデオや写真を見るとかわいい子供の姿。懐かしい気持ちと、自分の至らなさに反省です。
とにかく色んな思いが蘇った作品です。
最後がなぁ
最初から最後までどんどん見入っていきました。特に尾野真千子さんの虐待のシーンはリアルで涙が出ました。
いくら子供が言うことを聞かないからってやっぱり殴るのは違うと思った。子役の子の泣き声もリアルだった。
リアルな日常。
最後の先生のとこはもう少し描かれてもよかったんじゃないか?と思った。
心に響いた
プライムビデオのおすすめに出てきたので鑑賞。
最初、どんな映画なのかなーと。。
虐待系?あれ?小学校の先生出てきた、
認知症のおばあちゃん出てきた、
どうやってこの話がつながっていくの??
なんて考えてたら、なんだ。めちゃ良い映画じゃんとなりました。
自分の話になってしまうけど、
最近、我が子が生意気になってきて、
「可愛くないなー」と思うことが多くなってきて、ついついイライラしてしまう。言うこと聞かないし、嫌い!とか言うし。毎日、子育て大変で、実家にも帰れなくていっぱいいっぱい。
最近子どもに怒ってばかりだな…と反省していたところで、この映画に出会った。
涙が止まらなかったー。
ぜひ、子育て大変なお母さん、なかなか育児に参加できないお父さん方に見てほしい映画。
よし、こどもが帰ってきたら
とりあえず抱きしめてあげよう。
あのシーンで泣いた
序盤はしんどい展開だったけど、後半の畳みかけが良かった。
陽気なお母さんが「親にひどい事されたんだね」と言って抱きしめるシーン、
普段はやんちゃな男の子が子どもの面倒を見るシーン、
本当に素晴らしかった。
「許す」ということを少し理解できた気がする。
真の、HUGっと!!プ〇キュア!!
日常会話で構成され、第一印象は是枝作品を思わせましたが、是枝作品より中身があって、時間を忘れて観入ってしまいました。子供の頃母親に繰り返し怒鳴られたり、ぶたれていた記憶が蘇りました。父親はいつも見て見ぬふりでした。おかげで私は怒鳴らず虐待も無視もしない大人になりました。子供にとっての牢獄と小学校教師の難しさを、臭い演出無しで上手く描いていました。高良健吾の先生役は全方位から舐められそうな感じが良く出ていました。池脇千鶴は「そこのみにて光り輝く」より光り輝いていました。虐待の描写だけで終わった「子宮に沈める」という映画もありましたが、HUGに救いを見たり、自閉症?の子がとても賢かったり、本作は前向きに描かれていて、難しいテーマなのにプロの仕事を観させて頂きました。HUGは正直全然足りないので、誰か毎日HUGして下さい。私の母はもういませんが、今でも母の作ったお握りが食べたくなります。アパートの子の母親が出て来ませんでしたが、虐待されようが子供にとって母親は一人しかいないのだと思います。尾野が決して頭を撫でないのが怖いです。
良い作品
子供が虐待されるシーンは過激ではなく、上手に撮っていると思う。
色々な問題が詰め込まれてるのに、静かに表現されている感じ
池脇千鶴の演技が好き
宿題出されてクラスのみんなの意見のシーンは感動するものがあった。
最後どうなったのかは見ている人に委ねる感じになっているけれど、あのお母さんの彼氏が改心しているとは思えず、ちょっともやっとしたものが残る。希望があるのかはわからない。
とはいえ、家族だったり、大切な人だったりを思い出す
良い作品だと思った。
誰かを抱きしめてあげたくなった。
本当にある世界のお話。
とてもリアルな家庭の話。
子供、親、お年寄り、友達、家族、先生。
人と人との関わりがリアルに再現された虐待がテーマの映画でした。
見てると胸が痛みますが本当に現実にあるんだろうなってすごくよくわからされます。
虐待されて来た人は子供にも虐待してしまうという状況や、だからこそ手を上げない人や、小学生の学級問題や、みんなみんな一生懸命生きてるなって思いました。
うちの子になる?と何度も聞いていたのは、虐待をしていることも知っていたのでしょうね。
お義父さんに虐待されてた男の子は一体どうなってしまったのでしょうか。
抱きしめて来てもらうことを宿題にした先生はステキでした。
ヤバい。4回ないた。映画っていいな。
そう、思わせてくれる傑作。
力のある作品だと思う。
個人的な主観が入り交じって冷静にかけそうにないが、かかないわけにはいかない。
【テーマ】
愛とは何かを再認識させてくれるようなテーマだと思う。
子供主眼で描かれているが、決してそこだけではなく、子供が大人になり、大人が子供のように主体的な都合で子供に振る舞う。
それでも、子供は大人/親に拠り所を求める。
だけど、言えない。
『抱きしめて』
ママが心配だから。父ちゃんが怖いから。
5時までは帰ってくるなって言われるから。
次第に何がいい子かわからなくなる。
大人の都合にはわがままもたっぷりで、一貫性もないから。
だから、家にはサンタさんは来ない。
いい子じゃないから。
『どうしたら、いい子になれるんだろう?』
ママに叩かれる。
とても怖い。とても痛い。
とにかく謝る。ごめんなさいする。
最初は怖くて泣いているのだけど、途中からママもトイレで泣き出す。
それに気付いて申し訳なくなる。
大好きなママを泣かせている。
また、謝る。ごめんなさいする。
泣きながら。
負の記憶は連鎖する。
自分がしてもらったように(されたように)しか出来ない。わかってる。悩む。
でも、そうならないように、、
また、自分を責める。
泣きながら。
だけど、救いはある。
家族だけじゃない。
人は人を抱きしめられる。
他人だろうが。
KYだろうが、不恰好だろうが、構わない。
介入できる。
そんな、ラスト。
人を、抱きしめられる勇気をこの映画にもらった。
宿題を簡単に、済ませてあげられる人間でいよう。
非の打ち所がない。誰にも否定できない。
なにせ、これこそが愛。
監督、素晴らしい。そして、ずるい(笑)
でも、ありがとう。
【手法】
シーンの切り取り方、つなげかた、基本に忠実な感じはするが、ものすごく、効果的。
特にラストに向かっていく全てのカット、音の使い方、秀逸。
ある意味で壮大なテーマをおおげさにもならず、チープにもならず、小手先にも走らず描ききった監督に脱帽。
キャストの皆さんの素晴らしいお仕事にも脱帽。そこのみの時の綾野剛さん同様、監督、若い男性俳優の素の魅力を引き出すのが抜群にうまい。尾野真千子さんの丁寧なお芝居も素晴らしいし、なんといっても、池脇千鶴さんは圧巻。
正直、みんなに全員に万人に是非是非是非、見てほしい作品。
そして、みんなを抱きしめたくなる作品。
当たり前の事を当たり前にいう。
宝物を抱きしめる。
それこそが大切な事。それこそが愛。
きみはいい子
辛いシーンがあった
新年1本目!呉美保監督作品初めて観た。高良健吾はカッコいいのにああいう役がハマるな〜出てきた瞬間ちょっと笑っちゃう・・尾野真千子のシーンはツラくって・・ヒリヒリした・・池脇千鶴は良い人過ぎて怪しい!と思ってたけど最後まで良い人だった、全体的に、そんなに上手くいかないだろうって思っちゃうけど、ラストでバランスが取れているのかなぁ、でもやっぱりあんなに救われなくてもいいんじゃないか、もっと突き放して描いたら・・辛すぎるか。教室の子どもたちの感じはリアルだった、自閉症の子は演技っぽい感じがあった、あの子だったらそんなに苦労しなそうだ。
みんな違ってみんないい。
正直、久々ガツンときすぎて、未だにちょっと立ち直れてない。。
世の中いろんな人がいるということ、そしてそれは、小さい頃から作り上げられて行くのだということ。
見えていないだけで、自分の周りの人みんなが何かしら抱えて生きてる。
誰しもが心の何処かでは愛されたいと願い、誰かを愛おしく思う。
愛することが上手い人も下手な人もいるけど、ギュッてするだけで伝わることってあんなにたくさんあるんだなぁ…
自閉症の子の優しい言葉に笑顔をもらった一方で、かんださんの決意がとっても重く聞こえて、それがまた本当に哀しくて悔しくて、涙が止まらなかった。。でも、私は絶対できるって信じる!
そして声を大にして言いたい。
きみは心優くて素敵なとってもいい子だよって。
ますます好きになりました
あまりに待ちかねての鑑賞、地元で今日から上映の本作、待ちきれず原作本を読んだ後になった。姉の子供が疲れきった先生に優しく抱きついて、励ます姿にじわっときました。オミポ監督のこれからの活躍に期待してます。
いい子とは
育児をする母と小学校教師を軸に、様々な問題を抱えた大人と子供が出てくる。
社会的には不適合者かもしれないけど、いい子、の基準を変えれば誰だっていい子、になれる。そうやって自信をつけていけばいいのだと思った。
自分の子供時代〜を回想しながら観たのだけれど、心がえぐられた気持ちになった。
力を抜いて。
親から虐待されて育った子供は、親と同じように虐待に走ると
云われているが、どこかで大きく環境が変わり愛情を受けると
その心地良さを、我が子や他人に与えられるようになるという。
今作では池脇千鶴と尾野真知子が過去を背負った母親を演じて
いるが、甘えられぬ世界で生きてきた人間が心を許せる存在に
出逢った時の安心感が「抱きしめる」というカタチで表現される。
最近ニュースで気になるのは、やたら学校や教師を責め立てる
記事の類が多すぎることだ。今作で新米教師を演じる高良君が
生徒にバカにされ、保護者に文句を言われ、同僚や先輩からも
蔑まれる中で生徒をどう守り、どう心を拓かせるかに苦悩する
姿は心に残る。その指導が巧くいかない、道理に叶わないこと
も多々あるが、それは社会人が就職してから味わう洗礼や屈辱
と大して違わない。でも職業が「子供を守る」はずの教師でしょ、
の立場でクローズアップされて転嫁されているとしか思えない。
本来子供は皆で守るものである。家族も隣近所も知人も友人も
皆で協力してその子の動向を見守ってやることが一番の方法だ。
無理だと決めつけてやれることをやらないうちに手遅れになる。
知的障害を持つ少年が認知症の老女に助けられるエピソードで
いつも周囲に頭を下げてばかりの母親が、この子はいい子だと
老女から褒められるシーンがある。つい昔の子育てを思い出し
涙が溢れてしまった。息子が乱暴で言う事を聞かなかった時期、
自分の子育てが間違っているのだろうかと悩んだことがあった。
「この子はいい子になるからゼンゼン大丈夫。お母さんそんなに
悩まなくて大丈夫だよ」と、ポーンと肩を叩いてくれた人がいた。
この人は神様か?と思って急に力が抜けたのを今も覚えている。
子育てはいつだって大変だ。愚痴を言い合って、分かち合って、
お互いを褒め合って乗り切るのも一つの方法。親も先生も人間。
(親の方が神経質になり過ぎているのかな。完璧なんてムリだよ)
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