愛を積むひとのレビュー・感想・評価
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クリスマスの朝に
何で題名を変えたんだろう? 『石を積むひと』の方が余韻があっていい...
佐藤浩市が定年後の夫に・・
夫婦愛
佐藤浩市と樋口可南子が夫婦役を演じておりなんて素敵な夫婦だろうと思った。仕事一筋だった篤ちゃんが北海道に越してきて暇を持て余しているのをみて石を積むことを提案。
自身は心臓病が悪化していく事を伏せとうとう亡くなってしまう。
妻が夫に宛てた手紙は泣かずにはいられなかった。
石塀の一つ一つ、大きな石いびつな石にも役目があるというくだりは良かった。
素敵な夫婦でした。
「愛を積むひと」を観て・・
古い土台が、その上に積まれる新しい石を支えるように
映画「愛を積むひと」(朝原雄三監督)から。
予告編を何度も見てしまったので、物語はほぼ予想どおり。(汗)
だから「愛を積む人ひと」の意味が知りたくて、メモをした。
最初に引っかかったのは、主役の佐藤浩市さんの台詞。
「この塀を作り始めてから、つくづく思うことがあるんだ。
でかく形のいい石ばかりで塀が出来上がっているわけじゃない。
小さく割れた石とか、おかしな形のいびつな石とか、
そういう奴らにもな、塀を支えるのに、必ず役に立つ場所がある。
たぶん、俺にも、お前にもだ」と、若者に諭すシーン。
しかし、答えはラストに待っていた。
樋口可南子さん演ずる妻が、死の直前につづった夫への手紙の一節。
「古い土台が、その上に積まれる新しい石を支えるように、
私たちが毎日を一所懸命生きることが、世の中を変え、
次の世代の生きる支えになる。だから、篤ちゃんには、
一人になっても、最後まで石を積み続けて欲しいの」
自分のためではなく、次の世代の人たちのために、
私たちは、コツコツとその土台を積み上げていく作業をする。
「愛を積む」って、そういうことなんだな、とメモをした。
P.S.
北川景子さん演ずる、ひとり娘の名前が、聡子(さとこ)。
父親役の佐藤浩市さん、略すと「さとこ」。まさかねぇ。(笑)
妻への愛の数だけ、周囲との絆の数だけ、石を積む
アメリカ人作家の小説を、舞台を北海道に置き換えて映画化。
違和感ないくらいの“THE日本映画”に仕上がっている。
東京の町工場をたたみ、北海道美瑛に引っ越して来た篤史と良子。妻の望みである石塀を作りながら夫婦二人第二の人生をスタートさせ始めた時、良子が急逝。悲しみに沈む篤史は、良子からの手紙を見つける…。
とにかくデキた女房。
石塀作りも暇を持て余す夫の事を考えて。自分の死後の夫を思い手紙を。
夫は不器用で無愛想だが、根は広く優しい事を知っている。
人生の苦楽を共にしてきたからこそ、お互いを思い合い、分かり合える。
こんな夫婦になりたい…と、誰もが思わずにいられない。
良く言えば憧れ、悪く言えばファンタジー、単なる夫婦愛の物語だけだったら退屈してしまう所だが、妻亡き後の夫が周囲の人々と交流を深める様がミソとなっている。
石塀作りを手伝う造園会社見習いの青年・徹。
無愛想で恋人・紗英にしか心を開かず、篤史と似ているものがある。
ある時、紗英の妊娠が発覚するも、紗英の両親が猛反対、強引に引き離そうとする。
自分に自信が持てない徹を後押しし、男としてけじめをつける決心をした彼を傍らで見守る…。
篤史と良子の一人娘、聡子。
ある出来事をきっかけに、父娘はわだかまりを抱えたまま疎遠。
北海道で一人暮らす父を心配する娘、東京で一人暮らす娘が内心気になる父。
本当は思い合っているのに、素直になれない。
父娘の関係の修復は…。
若者の恋。
親子ほど年が離れた若者との交流、娘との関係。
いずれも困った時に、それを見越したかのように、妻からの第2、第3の手紙が導く…。
佐藤浩市&樋口可南子がさすがの名演。
若いカップル、野村周平&杉咲花がフレッシュな魅力。
紗英の義理の父親役で、柄本明が絶妙な田舎親父ぶり。
そして特筆すべきなのが、舞台となっている美瑛。
日本で最も美しい村とされる美瑛の風景が、登場人物たちを抱き、見る者の心を捉えて離さない。
俗かもしれないが、こんな土地での生活…憧れる。
心温まる感動作故、出来すぎている点や難点もある。
不良仲間の強引な誘いを断れず、犯罪に手を染める徹。その時、押し入った家、盗んだ物は…。幾ら妻の願いとは言え、こんなに寛容でいられるだろうか。
徹と紗英の交際に反対する紗英の両親の描かれ方が典型的。特にヒステリックな母・吉田羊はウザい。(柄本明は「北の国から」の某エピソードの菅原文太のように最初はおっかないが、妻を失った篤史をかまったりと好助演してるのに…)
樋口可南子と杉咲花、ダメ男を支える女神のようだが、さすがにデキすぎて、男の願望か理想。
格別素晴らしい!…というほどでもないが、後々思い出した時、ああ、いい映画だったなぁ、と思える良作。
愛ある幸せ
でも、こんな夫婦はいない。
良質な日本映画を観た、という感じである。
実際に北海道ロケを行ったのかどうか定かではないが、風景が効いている。広いところにぽつんと家が建っている風情は、なんとも言えずよかった。
その小林家にはテレビはなく、音楽もレコードで聴いている。
昔のようにLPレコードが並べられていて、そのなかから今日の音楽をチョイスする。
東京での生活はなんともせせこましい様子だったようだが、この北海道の暮らしは、夫婦にとって、本当に良かったみたいである。
ふたりの価値観が、レコードのことといい、この北海道の暮らしのことといい、ぴったりと合っていたというのがうらやましい。
良子(樋口可南子)は、自分が先に逝くに際し、入念な準備をしていた。すごく頭のいい人がすることで、篤史(佐藤浩市)はそんな妻の掌の上で踊らされていただけなのかもしれない。
朝原雄三監督のゆったりした演出が、また北海道に合っていた。
心温まる愛の物語
ジワっと心に染みる愛の物語でしたね。
物凄く優しくて丁寧な語り口がとても印象的でした。
まあ現実的ではなく突っ込みどころも多く見受けられはしましたが、温かい作風がそれらを打ち消し感動へと誘ってくれました。
見終わっての満足度は個人的にかなり高かったです。
しかし妻役の樋口可南子が本当に可愛らしい奥さんだったなぁ~。
こんな出来た奥さん現実的にはなかなかいないですが、とにかく素敵でした!
これだけ素敵な奥さんがいる佐藤浩市が演じた旦那は本当に幸せ者だね。
美瑛に来るまで相当苦労をかけていたようですが、私的にはちょっと信じられませんよ、こんな可愛らしい奥さんに・・・(苦笑)
そんな妻依存症の旦那に宛てた、人は一人では生きられないと諭した手紙がとても温かくて泣けました。
自分が死んだ後、残された者はどうなるのか、確かに心配ですよね・・・。
しかしやはり文筆の手紙ってグッと来ます、重みが全然違いますね。
手紙に誘われるように、旦那が不器用ながら周りに対して優しく心を開いていく様子は見応えたっぷりでした。
疎遠になっていた娘との関係、石塀積みを手伝う若者との交流、そして北海道美瑛の大自然の風景、多少出来すぎな話ではありましたがどれも印象深かったです、いろんな愛に溢れていてとにかく感動しました!
柄本明と佐藤浩市の漫才チックな会話も微笑ましくて良かったです。
大自然に抱かれ紡がれる、家族の“絆”。
【賛否両論チェック】
賛:死別してしまった夫婦の絆や、こじれていた親子の絆が、次第に再生していく姿が感動的に描かれる。北海道の自然も美しい。
否:展開は静かなので、眠くなりそう。空き巣という、およそ物語の雰囲気とは相容れない描写には、違和感もあるか。
北海道という雄大な大自然の中で、様々な形の“家族愛”が再生していく様子が感動を誘います。過去の娘の過ちがきっかけで、壊れてしまった父と娘の関係や、周囲の猛反対を受けながらも、互いに支え合おうとする若い男女、そして亡くなってしまった妻の生前の想いに、残された夫が少しずつ救われていく姿。形こそ違えど、家族としての深い“絆”が感じられ、思わず涙腺が緩くなります。石塀の石を人に例えるシーンなんかは、すごく胸に残ります。
かなり静かで穏やかな作品ですので、好き嫌いは分かれそうですが、是非大切な人と一緒にご覧になっていただきたい作品です。
かけがえのない想いが胸にしみる名作。
あたたかみ。
ベタ?
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