百円の恋のレビュー・感想・評価
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予期せぬ左フックを食らった気分
「勝ちたかった」の一言がずしりと心に響いた。スローテンポな出だしが、気づくとものすごいスピード感の中にいた自分。
これぞ映画
彼氏に夕飯を作ったのに、ろくに食べてもらえなかった。「立ち読みしてくるわ」と言い残し帰ってこない彼氏。その後でアパートの窓辺でタバコを吹かす彼女。このシーンが好きだ。
ボクシングの試合の最終盤に会長が発する檄も好きだ。
「立て、立って死ね」思わず噴きだした。
そして彼女の試合を目の当たりにした元彼は、そこではじめて自分が抱いた見知らぬ彼女の正体を知り、同時にボクシングをしたものでしか分かち合えない共感を覚えたのだろう。
彼女もまた、ボクシングを通してはじめて自分を知るのだ。そして負けたからこそ彼氏により深いシンパシーが芽生えたのだろう。
ラストシーンの彼女のセリフをずっと引きでしか撮影しなかったところも好きだ。これは小説のように受け手が彼女の表情を想像できる隙間なんだと思う。
試合後の会場の外で「勝ちたかったよ。勝ちたかった」と嗚咽する彼女に対して、言葉を選んで「まあ、最高だからな。勝利の味っていうのは」と返す元彼。
長い尺なのに、セリフが少なくても成立しているのは、言語外の深いところで二人がボクシング(負けることも含めて)を共有しているからだ。
好きですよ。こういうの。分かり合えない男と女が、深く共有できる瞬間っていうのはファンタジーですからね。
いい映画でした。
一子みたいになりたくない
ラストのシーンでそう思わされた。あんな弱い人間になりたくない。でも、けっこう、ちゃんと、物凄く鼓舞させられた。あんな男はすぐ捨てる強い女になりたい、世の中の不公平さや見えない何かに負けたくないと。
でも安藤サクラさんの泣きながらなんとなく抱いてほしくて、甘えたくてという演技が絶妙すぎて見てられなかった。
なんかいいですね。
安藤サクラさんが好きで見ました。
試合で最後勝てないところがリアルでよかったです。
が、勝って欲しかった!!
試合中はすごく感情移入してしまいました。
言葉の少ない映画でしたが見入ってみました。
主人公の変化がすごく上手く描かれている映画でした。
戻る男。戻らない男。
『百円の恋』(2014)
Amazonプライムにて。R15の作品だが、これから観るが、どういうところだろう。主人公の32歳の引きこもりの自堕落女性の雰囲気が最初から良く出ている。妹はシングルマザーで男の子と住んでいる。姉妹の母親が妹と弁当屋をしている。母親は大目に見ているが、妹は自堕落な姉に文句を言い続ける。姉妹の家をぐちゃぐちゃにする喧嘩のシーンがすごい。こういうのは男だけではないのかも知れない。女でも引きこもってしまったり大変な人もいるのだろう。だが、誰もがこれはちょっとしたことで陥ってしまう事でもある。武正晴という監督は私と同い年なのか。主人公はまずコンビニのアルバイトに面接に行く。みるからに脱力していてやっと生きている感じであるが採用の人が良い人なのか採用された。コンビニの先輩の44歳のおじさんも変な人。主人公は、通り道のボクシングジムの、コンビニでバナナばかり大量に買っていくボクサーが縁でやがてボクシングを始めるらしい。ボクサーが新井浩文で主人公が安藤サクラが演じているが、軽トラはシートベルトいないから下手すると捕まるし、危ない。ここら辺がR15なのか。ボクサーは主人公を動物園にデートに誘う。主人公はボクサーをよく思っているらしく、応じる。動物園でのデート。それなのに短調の口笛のBGMが独特なセンスな感じでもあるし、『太陽にほえろ』とか、1970年頃のテレビドラマでよく流れていた感じもする。44歳のおじさんが主人公をデートに誘うが、そのキャラクターからどうにも情けない感じだし、キャラクターってやだなと思った。辛いものがある。ここが話として凝っているんだが、ボクサーがコンビニにさらっとチケットを2枚置いていき、おじさんと主人公が観にいくが、それがボクサーの6回戦の試合だった。ボクサーは圧倒的に負けるのだが、主人公は食い入るようにみつめ、何かが始まった。なぜタイトルが『100円の恋』なのかと思っていたが、
コンビニが『百円生活』という名前だった。おじさん、情けないというより犯罪だと思うが、ホテルに主人公を連れ込んでしまい、強引に性行為を迫る。これでは犯罪シーンである。主人公は電話してレイプされたと告げる。初体験をレイプされてしまったのだが、44歳のおじさんは犯罪者となった。自業自得としかいいようがない。泣き寝入りしない女で正しい。ボクサーが好きなのに可哀そうに。しかし、コンビニはその後どうなっていくのだろう。犯罪者はなぜかコンビニの金を泥棒して逃げてしまった。犯罪にならなかったのだろうか。主人公は全く悪くないというか被害者なのだから、コンビニを続ける。ボクサーは年齢制限で辞めていたが、主人公はそのボクシングジムに入門する。個人的な事だが、私も31歳から32歳にかけてだっただろうか、ボクシングジムに通ったことがある。あの頃はそれでも今から思えば若かった。しかし犯罪をしてしまうような周辺の人物が数人も出てくるのだが、こうした不器用な人達は一体どれだけいるのだろう。しかし、安藤サクラは、自堕落な役からボクシングを上達していく役だろうから、大変だったと思う。しかしこの資本主義と大企業から中堅企業が人を裕福にしている国で、低所得で闘っている人達がいる。不器用な人生。男も女も。ボクサーにしても主人公にしても36歳と32歳の男女で不器用な関係だ。偶然が重なって、熱で倒れた女のアパートでボクサーが肉を調理するが硬くて噛み切れないというシーンは、
笑えるかと思ったら泣いてしまうシーンだった。44歳のレイプ犯とは違う。女のほうが男に寄り添って泣きわめいてしまう後で、ボクサーとも性行為になってしまうのだが、同じようで違う行為ということか。あまり褒められたものではないのだが。だがそうなってしまっては、もう離れないということだろう。生涯。本当は。良くはないと書いておくが、ボクサーと主人公は同棲生活を始めることになった。性描写もある。個人的にはこうした描写ありの映画はすべて評価を下げることにしている。主人公は女でやたら煙草を吸う。ボクサーはようやく豆腐屋をしている女に雇われるが、浮気というか二股というか、豆腐屋の女のほうに行ってしまうらしい。この話は重要だと思う。結局、合意と不合意の違いはあろうとも、44歳の不合意の男は犯罪者としてよくわかるが、ボクサーのほうも、合意していても、離れていく過程で裏切るのである。犯罪に思われていないが、犯罪と同様だろう。
主人公が受けた二人の男の仕打ちは合意でも不合意でも同様に女を騙したり暴力だったりするのだ。ボクサーは豆腐屋の女と一緒にまわっているとき、主人公が待ち伏せすると、妹だと吐き捨てた。豆腐屋は似てないでやんのと切り捨てていった。ひどい話である。主人公は怒りなのか何なんか、ボクシングにのめり込んでいった。動きも体つきも変わっていった。安藤サクラは大変だっただろう。ボクシングトレーナーの爽やかな俳優は実際にもボクシングトレーナーだということだ。32歳ぎりぎりでプロテストに臨むが、かなりさまになっている。そして合格する。しかし、コンビニはクビになってしまう。優しい採用担当だった店長は入院かなにかでいなくて、嫌みな本部の人を殴ってやめた。それでもボクシングを続けていた。それをなぜか浮気ボクサーが遠くからみていた。このころの主人公は体つきも表情も鋭くなっていて、最初の頃の感じと違っている。そして父母と妹と弁当屋をやるようになる。男たちに騙されても、拠り所は家族がいた。ところが情けないことに、浮気ボクサーは、豆腐屋の女に捨てられたらしく、(それを捨てたという嘘が、実際の社会でもかなりあるのではないかという参考になるセリフだった)交通警備員になって、弁当屋に買いにいったら、主人公が店頭で逃げるが、追いかけて、公園で二人で話をするが、男は弁当の容器を袋ごと道端に投げ捨てて仕事に戻る。これではごみを清掃している人達にも悪い。R15指定だが、15歳でこんなのみたら悪いことだとわからないだろう。しかし安藤サクラの運動神経の変化というのはすごいものである。演技でも運動神経が無ければああは行かなかっただろう。しかし、人間とは目的が一つあればずいぶん変われるんだろうと勇気を与えると思う。特に現在の都会では迷走している人が多いだろうから。都会に限らないかも知れないが。初の試合に臨むが、ここで映像のテクニックも使われている。ひどい男たちに出会ってしまったが、ボクシングジムの指導の男たちはしっかりした男性だった。立て続けに男に騙されるという試練とそうした性の面ではひどい内容だが、さらにかなり上達したと思われ、プロにまで合格したボクシングでも、初の試合で主人公にこの映画は試練を与える。父母と妹と甥っ子は心配してみている。会長は冷静である。女対女ではあるが、闘いの場に容赦もないし憐憫もない。2ラウンドまで大差で負けているペースで、
3ラウンド。相手は強い。少し反撃するが、倒されたときに今までの思い出が主人公の頭をよぎる。
なぜか浮気者元ボクサーも来ていた。白目をむくシーンが凄まじい。浮気者や妹や会長が厳しくも愛情ある罵声を浴びせると、相手がいないのに、わけがわからなくなり、立ってこぶしを振り回すが、試合は終わった。会長がボクシングは甘くないんだと言った通りだった。BGMがまた昭和のようなセンスの音なのだが、救いは父母や妹や甥っ子。会長やトレーナー、そして浮気者の元ボクサーが見守っていたことだ。この女性を頑張らなかったとは誰も言えない。そしてラストシーン。
長回しの、戻ってきてしまった浮気者元ボクサーとのシーン。支え合いが本当にあるのなら戻ってきてしまうのか。来るも自由、去るも自由の時代に、戻って来るという事。戻ってきた場合には、その関係は純愛として再び継続されるのだ。やさぐれた都会の一面。きらびやかなほうと反対のほうの恋と愛。自堕落に引きこもっていたら出会えなかった日々。主題歌が100円でなくて108円。消費税込みだ。そしてこのコメントを美化するつもりもない。それでさえも、婚前交渉は良くはない事だと書いておかねばいけないと私の責任で思う。
タイトルなし(ネタバレ)
前半の全てに敗北したダメな一子からボクシングを通じて変化していく様子に夢中になってしまいました。
試合に臨んだ結果は負けてしまいましたが周りの心を揺さぶる存在になっていたことに救われた気がします。
本当に一子が魅力的で、面白かったです!
魂を感じた
主人公は今まで何をやっても誰にも一度も勝ったことがない
という圧倒的な劣等感をもっている。
そんな中でも必死にもがき、あがいてみると
結構いいこともあったりなかったりという話。
どういう境遇でもやっていけるし輝ける
という気持ちにさせてくれる。
安藤サクラの演技が圧巻で、
彼女がいなかったら成り立たないか、全然別の作品になっていただろう。
よかった
モラルとか品とかなくて、ダサいしちょっとサイテーなんだけど
好きなんだよな
みんな愛があってあったかくて、よかった
全てに愛がこもってた
言いたいことあるとすれば最後の試合の入場のシーンスローモーションでダサかったなあ、、、
私にとってはつまらない通りこして不快な作品
出てくる人間全てが、安藤サクラの肉体改造のための使い捨てのコマ。
いじめらる子供
崩壊した家族
挫折したボクサー
レイプ犯
貧困老人
うつ病の社員
豆腐屋のギャル
主人公さえも
登場人物の背景がなんも分からない。
人間そんなに単純じゃないわ。
特にレイプシーンとか最悪。
被害者が30代だからか知らないが軽く扱いすぎだろ。
頭にくるレベル。
試合前に髪の毛切って気合い入れるのとか入場のスローモーションとかの演出もダサい。
ぐちょぐちょ女が生きてる
前半の主人公の顔、態度が最悪な上に、バイト先の人間もひどい。なぜか気になる彼も素行が悪い。けど、両者とも根から悪い奴じゃなさそうな態度を見せる。ボクシングで浄化されるこれまでのモヤモヤはずるいほどに最高。
最近だとロッキーの続編「クリード」が熱いボクシングシーンを見せてくれてた。本作は、こんな主人公がここまでできるのか、という驚きに関しては超えていたと思う。
見覚えある景色と思ったら山口県がロケ地で親近感が湧いた。
期待のなさを逆境として乗り越える、という物語ではない
「負け犬」がボクシングで立ち直る物語。
ただし、安藤サクラ自身の気持ちは別として物語的には試合に勝つことは期待されていない。
妹も、お父さんも、新井浩史も、ボクシングのトレーナーも監督も、期待していないし、それも単なる無関心としての期待のなさである。期待のなさを逆境として乗り越える、という物語ではない。
その他メモ
運動出来ない表現として、自転車の乗り方がなんかおかしい、のは笑った笑
あと、ごうかんオヤジまじくそ野郎笑
ああいう小物感があるオヤジは映画的には最高!
安藤サクラがますます好きになった!
日本アカデミー賞で安藤サクラが最優秀主演女優賞を取った本作品。半年ほど前にWOWOWで放送したのを録画してそのままだったのをやっと観る。
最初グータラ生活でトドのような体型だったのが、ボクシングに目覚めてからどんどん引き締まって顔付きも変わって行く安藤サクラがすごい。トレーニングしているところはロッキーみたいで結構ベタだけど試合のシーンはかなりリアル。殴られてるのは痛そう。
全体的にはなかなか面白かったけど、エンディングで流れたクリープハイプの甲高い声は生理的に嫌いなのでかなり冷めてしまった。
【面白かった又は印象的なシーン】
◉自堕落な生活をしてる一子が夜中に自転車で百円コンビニへ行くところ。重そうに自転車を漕ぐ背中。ダルダル感半端ない。
◉風邪で倒れた一子に「これ食えよ」と狩野が焼いた肉を出す。食べる一子。肉が固くてなかなか噛み切れず割り箸まで折れる。泣き笑い(笑い泣き?)する一子。
◉「マジすか」しか言わないコンビニのバイト君。
◉ボクシング試合後に「勝ちたかった‥‥」とめそめそ泣く一子。少し離れた所に立つ狩野。抱き寄せるのかと思いきや、しばらく放置してから「飯でも食いに行くか」と泣き止まない一子と手を繋いで夜道を歩いて行くラスト。
打ち込めるモノを見つけたら勝ち
結婚もせず、仕事もせず、親のスネをかじりながら堕落した生活をしている一子。妹との喧嘩がキッカケで家を出て一人暮らしを始める。
周りは駄目な人間ばかり。鬱病のコンビニ店長、ギャンブル好きのオヤジ、 廃棄弁当を貰いにくるおばさん。ボクシングをしている狩野に惹かれるが、狩野もボクシングを失って負け犬になっていた。その狩野にも捨てられる。
そんなどん底の中、ひょんなキッカケからボクシングを始める。嫌な事がある度にボクシングに打ち込む一子は、ボクシングを始めてから徐々に気持ちが変わり始め、受け身の人生から脱し始める。
ボクシングの試合を終えた一子が吐き出した「一度でいいから勝ちたかった」という言葉は胸を刺す。人生は、何歳からでもチャレンジ出来る。
最後は前のめりになって
人間臭い映画だなぁ。と少々引き気味に観ていたらまさかの展開に途中から前のめりになって観てしまいました。
守りに入ってる自分に喝!を入れられたような人間ドラマでした。
ラスト良かったな
下手に勝たせたりしないで、負けて、勝ちたかったって子供みたいに泣きじゃくるところがリアルで良かった。誰でも、一度くらい勝ちたい。でも、勝者がいたら同じ数だけ敗者がいるから、誰もが一度勝てるわけでもないんだよね。だけどあの男が待ってて、抱きしめるでも優しくするでもなく、ただ飯食い行こうって手を取る。そんな幸せ。100円のオニギリだって美味しくなるようなニクい映画でした。
安藤サクラ新井浩文とか反則
32歳独身。
弛み切った身体。
仕事もせず実家でゲーム三昧。
一子(安藤サクラ)の人生は負けばかりだった。
離婚して出戻った姉と取っ組み合いの喧嘩をして、半ば自棄っぱちで始めた一人暮らし。
引退間近のボクサー狩野祐二(新井浩文)に出会い、恋をし、でもアッサリ負け、しかも処女はクズ同然の他の男に奪われた。
全てを失って、悔しくて、惨めで。
一念発起して一子はボクシングジムに通い始める。
年齢的に厳しいと冷たくあしらわれながらも練習に明け暮れ、ついに試合のチャンスを手にする。
自分を変えたくて。
何かに勝つという経験をしてみたくて。
黒星まみれの人生の一発逆転を懸けたゴングが鳴り響いた。
すごいよかったーーーーーーーー!!!!!!!
「トルソ」のあとすぐこれ観たから、最初のシーンの一子の後ろ姿、え?CGですか?って感じだった。
「モンスター」っていう映画でシャーリーズ・セロンが役作りのために激太りして豹変して話題になってたけど、まさにあんな衝撃があった。
あの映画自体は観てないんだけどさ。てへ
一子が川っぺりを走りこんでるところとか、バイト中にパンチの練習してるところとか、ほんとかっこよかったし、まじでボクサーっぽかった!
ヘアスタイルや服装が少しずつ変わっていく様の中にもスポ根的な疾走感があった。
こないだ観たけど駄作過ぎてレビュー書く気にもなれない「軽蔑」っていうポンコツ映画でポールダンサーに扮した鈴木杏の踊りがあまりに下手すぎたのね。
で、それと比べて余計に「安藤サクラすげえー」ってなってた。
鈴木杏自体は好きなんだけどさ。てへ
そして満を持して私は新井浩文のファンになることをここに宣言いたします。
すごいかっこよかった。あのキャラは反則ですね。
なんだろう、同じカスでも「軽蔑」のカズさん(高良健吾)は嫌いで、この狩野は嫌いじゃない。
周りを巻き込むかどうかの差かなぁ~。
自分一人で完結してるカスなら呆れこそすれ嫌悪感は抱かないのかも。笑
そう簡単に人間の根本は変えられないけど、変えようと自分の意思で立ち上がって一生懸命に努力したということに意味があって、それが人に感動を与えるのかもしれない。
現状を変えるのってほんと大変だもんな。
適当に今のままで維持してればそれが一番楽だがそれだと蟻地獄的に楽な方に堕落していく。
あぁ、自分で言っといて耳が痛い。。。
自分の意思で立ち上がって一生懸命に努力せねば。。。あう
語彙は少ないが言葉は重い
前半は乾いたハープから始まるブルースが抜け出せない生活のどうしようもない感を表し、中盤はめきめきと現す実力をボクシングの王道のハードロックで煽り立て、そこから更に疾走感のあるブリティッシュロックで高揚感を醸し出す。
だけれども最後は始まりのブルースが響き渡り、あぁやっぱり抜け出せないのか、もう一歩先へは進めないのかという諦めが漂う。
そういう雰囲気の映画。
「一度で良いから勝ちたかった」
初戦なのに?違う。
一子は今まで負け続けて来た人生の転機を手に入れたかったのだ。
どうしようもない引き籠りから周りに認められる、何かを期待される人間としてこれから生きていきたかったのだ。
でも子供のように純真無垢な一子から、顔の傷を鏡越しにまじまじと見る一子となり、その姿は決して以前の自堕落な彼女ではなく、逞しさしかない。彼女は変われた。
安藤サクラさんの凄さは言わずもがな。
「めしでも食い行くか」。なるほど、こういう時に使うのか。
こりゃコロリですわ。(何をしたのかはこの際考えない)
甘えた声して泣くんじゃねーよ!
百円? そんな安くない! 安藤サクラのロッキーぶりはミリオン・ダラー・ベイビーだ!
町山智浩(映画評論家)
町山さんが、あまりにもコストがかかってないコメントをされているのにびっくりした本作。やっと観ました。ロッキーとか、ミリオンダラー~と同じ部分って、主人公がボクシングしてる部分だけです。
ラストがまずいです。
一子(安藤サクラ)が初めてのボクシングの試合でぼっこぼこに負けて外に出たら、自分をヤリ捨てした元ボクサー(新井浩文 )が待ってて、手を引かれて泣きじゃくりながら歩くシーン。
我慢ならないです。
あいつをぼっこぼこにして終了がいいです。
せめてキックくらいしてよ。
いや、その前の鏡で自分の腫れ上がった顔を見て終了でいい。
なんだよ、甘えた声出して泣きやがって!
かなりむかってきた。
最初からこの主人公嫌い!と思ったら、最後まで嫌いだった。
32歳ニート・髪ぼっさぼさの不潔な処女。
100円ショップの同僚にレイプされる。
知り合った元ボクサーが、風邪引いてダウンしたところを介抱してエッチ。
少し一緒に住むけど、彼女面すんなとか言われる。
で、通りすがりの豆腐屋の子と、元ボクサーは逃げる。
そこで元々やってたボクシングにのめり込んで行くんだけど、最後は甘えた声でだだっこみたいに泣いて、元ボクサーに手を引かれて帰って行く。
一子にとってボクシングが、男の代替え品だったかのような印象。
何も変わってない印象。
惚れた男に女は弱い。
そうかも知れないけど、どんなに好きでも自分を傷付けた男は、自分の人生から蹴り出すべき!私なら躊躇なく、そうする!
むかつく!このラストむかつく!
けど安藤サクラさんの身体能力って、凄いですね。
「愛のむきだし」から尋常じゃない感を出してる方でしたが、どんな役でも自分を消して溶け込める。
安藤サクラさんじゃなければ、途中で観るのを止めたかもしれません。
2回観ました
サクラちゃんの演技は観てるだけでワクワクする。
「愛のむきだし」観た時から気になっていた女優さんでした。
2回目観た時は試合に負けるのわかってたけど感動してしまいました。
パンフレット買いたかったな〜
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