百円の恋のレビュー・感想・評価
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好みじゃない
気持ちが悪かった。この一言に尽きる作品。
ある意味で演出が成功してると言えなくもないけれど、
序盤から中盤にかけてひたすら繰り返される生活描写。
これが生々しいうえに冗長というか、
なんか無理に悪臭を嗅がされているような気分ですごく不快。
冗長と言えば作品全体のテンポも悪く、気持ち悪い。
それでクライマックスのボクシング。
さすがにここからはスッキリ見せてくれるだろうと期待したのに、
入場シーンの長ったらしいスローモーションに加えて、
あろうことか試合中にもスローモーション。
極めつけに試合後、主人公は自分を捨てた男の前で泣く。
これが豪快に泣いてくれるならまだしも、辛気臭くじっとりと。
もう全編通して気が滅入る。
勘弁してくれ、早く終われって思いながら観てました。
ただ、賞を獲っただけあって安藤サクラの演技が見事だと思います。
僕は好きじゃないけど。
安藤サクラ
修練の賜物
ラスト良かったな
下手に勝たせたりしないで、負けて、勝ちたかったって子供みたいに泣きじゃくるところがリアルで良かった。誰でも、一度くらい勝ちたい。でも、勝者がいたら同じ数だけ敗者がいるから、誰もが一度勝てるわけでもないんだよね。だけどあの男が待ってて、抱きしめるでも優しくするでもなく、ただ飯食い行こうって手を取る。そんな幸せ。100円のオニギリだって美味しくなるようなニクい映画でした。
おいおい泣いた。
安藤サクラ、あっぱれ!
見逃してた本作、ありがたいことにテアトルで凱旋上映!
評判通りの安藤サクラの熱演に身が震える思い。
まあ、はじめのクズ人間っぷりにはイライラするんだが、新井浩文にかいがいしく尽くす女っぽさもあり、おばちゃんに廃棄弁当やっちゃう人の良さもあり、そういう人間描写が、最後の試合のシーンでついつい応援したくなっちゃう心理にさせられていたと後から気付く。
とにかく、試合に向けた一子、いや「安藤サクラ」がすごい!
新井はそうでもなかったが、安藤サクラはボクサーに見えたもん。(まあ、だから新井は弱かったわけで)
あんだけのトレーニングをこなして、熱い思いをもって、あの闘志で試合に臨めば・・・
ま、だから人生、おもしろいんじゃない?
なにより、犬猿の仲の妹が、あんだけ本気で応援して、悔しくて泣いてくれたじゃない。妹の涙にこっちももらい泣きしちまったじゃないか。
結局最後に一子は勝ったんでしょ?だって、新井が振り向いてくれたじゃん!
人の本気に泣ける
最高に素晴らしかった
たかが百円されど。
噂に違わぬ素晴らしい作品だった。
安藤サクラって「座敷女」みたいで、一子というキャラクターもブツブツ喋って性格も暗いしねじ曲がってるし、会話もろくに出来ない全くタイプではない女性なのに、最後には応援してしまう抱きしめてあげたい、「頑張れ!」と声を掛けたくなる魅力溢れる女性になってたので監督の演出もあるのだろうけど、安藤サクラって凄い!と素人目にも分かった。
前半はただ日常を生きるだけなのに、何でこんなに上手くいかないんだろう何でこんなに辛いんだろう。分かるよ、人生こんなもんだよな、何て希望もなく見てたら、
後半一子が鬱屈した日常をぶっ飛ばしてくれた。そうじゃねぇだろ!これから人生は始まるんだろ!と喝を入れられた。
新井浩文の愛すべきクズ役も板についてたし、弱者側に立った監督の目線やブラックユーモアも良かった。
最高の気分になれました。
最優秀主演女優賞もの
さあ、存分に安藤サクラを愛でよう。
そういう映画だと思ってみると、とりあえずは楽しめる。ブス、小デブ、猫背、非コミュのREALダメ人間を演じさせて、彼女の右に出る女優はそうはいない。これが、じわじわ愛おしく思えてくる。稀有な才能だと思う。
底辺ライフの只中で、ボクシングに没頭していく主人公に、ジムの会長が水を差すようなことばかりいう。あれがいい。これはロッキーみたいな負け犬の逆転劇ではもちろんないし、ニート女がボクシングを通して自分探しみたいな都合のいい話でもない。会長のセリフがそれを明示している。
現実と折り合いをつけるというのは、簡単なようで難しい。だれもがままならない生を生きている。良いか悪いかなんて死ぬまで、あるいは死んでも、判らない。昨日とは少しだけ違う今日を、ただ生きていることを慈しもう。そんなふうに思わせてくれる、好い映画だった。
一子がジョーみたい。
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