劇場公開日 2014年12月20日

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「感想」百円の恋 tyshiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0感想

2023年3月4日
iPhoneアプリから投稿

女性不利的な弱い立場の人間が、怒りや葛藤を超えてリベンジをするストーリーに熱くなった。
個人的にハラハラしたのは、レイプされるシーンとされる前のあたり。

私的にはかなりベストに近いもの。
私がやりたいものに近いのかもしれない。

ドラゴンタトゥーなどもそうだが、女性差別の男性有利の社会の中で反骨的に、強い女性になっていくキャラクターにかなり共感を覚える。
原作者がすごいのか、脚本家がすごいのか。どちらもすごいのだろうが。

この胸に残るモヤモヤはなんなのだろう。
切ないような、気持ちがいいような、人間模様。

私が思う、本質的な人間の本性、自分の中の悪との戦いは、この映画の主人公にはあまり含まれていない。
だからこそ、このモヤモヤの正体がきになる。

ただ、彼女が絶対にずっと葛藤していたのかと言われると違う。葛藤する場面が所々に点在しているだけで、彼女の性格的にただのんびり暮らしている。

葛藤を描くべきだが、葛藤を全体に散りばめる必要はないのか?

悪、ではないが、本性、ではあるのか?強くなりたい。負けたくない。女だからって、男だからって、搾取される側にいたくないというのは本性?でも隠して生きてきたわけじゃない。しかし、外に出なかった感情。

そうか、今まで隠しているわけでもなく、気づいているわけでもないけど、外に出てこなかった、あるいは出さなかった「生の感情」の発生が僕の頭の中のモヤモヤの正体なのかもしれない。

それは、怒りなのか、愛なのか、喜びなのか、悲しみなのか、どんな感情であれ、その人物に眠っているまだ見ぬ感情がどこかにある。

ソーシャルネットワークで言えば、マークの「ビジネスで成功したいという自己承認欲求」が、会社を膨らませることになったが、ただ1人の親友を失うことになる。

Zガンダムでいえば、カミーユの「父親と母親に認められたい」という気持ちが、ガンダムに乗って戦争に参加するきっかけになった。

ドラゴンタトゥーで言えば、女の「ダニエルクレイグに対する恋心」が、最後のシーンにつながる。

しかしまだ断定はできない。
これからも映画を見続け、私がどんな映画が好きで、どんな映画を作りたいのか研究していくことにする。

tyshi