きっと、星のせいじゃない。のレビュー・感想・評価
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余韻を求めてはいけない「ラブストーリー」
原題「The Fault in our Stars」
まあ直訳すると、「運のせい」。
邦題「きっと、星のせいじゃない。」。
真逆である。
映画を見ると分かるが、オープニングからそのタイトル文字の手書きでポップな文体から
「運のせい」=「他責、自分は悪くない、自分は不運の星に生まれた」
という直訳をそのまま受け止めるのではなく、その先にある、
「運のせいではない、自分たちのせい(気持ち、努力)なのだ」と
いう内容の映画なのだろうな、とおおよそ推測ができる。つまり邦題は真逆ではない。ただし「きっと、」という副詞を付けたのは、「意思」ではなく、インド映画の影響だろう。
それはさておき、最後まで観て、この映画、難病もののお泣かせ映画というより、普通に童貞ヴァージンのカップルの「卒業」と「別れ」の物語だなあ、と思った。
主人公のヘイゼルは他人を斜に構えてみる引きこもりである。男のオーガスタスはカワイイ女をみると、ド直視する、自分に自信がある、というか、向こう見ずな兄ちゃん。
これでなぜ、ストーリーが進むのかというと、「美男美女」だからだ。カワイクないとド直視しないし、ド直視できるには、「ハンサム」の後押しが普通必要だからだ。
以後、ヘイゼルとガスの物語が進むのだが、ヘイゼルは、ある本に夢中だったのだが、その作者に会えるということで、アムステルダムに行くが作者に会うことで、その本との決別をすることになる。
すなわち本への逃避がここで終わり、彼女は成長するきっかけの出来事に当たる。
さらに、アンネ・フランクの家に観光でいくのだが、ここで激しい階段のため、ガンの彼女は、そうとう苦しいのだが、登りきってキスをする。という展開があるのだが、ここはアンネ・フランクの家という「死を感じさせる世界」に、苦しい思いをして登りきった故の、生命の危機が、彼女を生殖本能を発動させた、という観かたがはまる。
そのあと、すんなりベッドインだからね。
その後、ガスのほうに悲劇が起こるのだが、これが、まあ、実に健康体というか、ヘイゼルも末期がんなのだが、二人とも、痩せてない、顔色いい、のあくまでも「何かの事情」で別れる、その別れに着々と準備していくような展開。全盲の友人も悲壮感はまるでなく、あくまで「男女」のことで悩んでいるだけだ。
だから「あなたとともに生きてよかった、ありがとう」という定番のやり取りが、お涙頂戴、というよりか、「え、涙頂戴って言った?」と映画から聞き返されるよう。
じゃあ、この映画がダメか、というとそんなことなく、普通に「悩みを抱えていたオンナの子がある日・・・」の普通のラブ・ストーリー。
はっきり言って、主人公の末期がんの設定は表向きで、それのみはライトユーザーのためのお泣かせ保険。シチュエーションで泣けることが悪いとは言わないけれど、それならもっと定番の朽ち果てる姿を描いてもいいと思うのだが、そこはあえて避けたのだろう。
ラスト、彼女の死は描かれず、ガスの残された手紙を読んで、その笑顔で幕を閉じる。この映画の一番ぐっとくる点はそこで、それ以降のヘイゼルの物語は不要だ、と言っているのだ。
ヘイゼルがあの本の続きを追わなくなったように、あなたもヘイゼルのその後を追ってはいけない。
スパッとこの映画を忘れて、前へ、前へ。
追記
今回のらぶ・テクニック
相手の女の子をド直視→目が合う→相手いったんそらす→構わずド直視→再び目が合う→数秒して、にわかに微笑んでみせる
常套手段ですが、若いみなさん、頑張って。おっさんはだめだよ。
すごく素敵な作品だった 私は主人公の母にすごく感情移入してしまった...
すごく素敵な作品だった
私は主人公の母にすごく感情移入してしまった。病気で娘を失う近い将来があって、でもヘイゼルはどんなに苦しいことがあっても生きることができると教えてくれたから、ヘイゼルがいなくなった先の人生を社会福祉士として生きようと前に進んでいる点に涙が止まらなかった。
ヘイゼルがガスに100万人に愛されることではなく私1人に愛されることで満足してよと言っていたが本当にその通りだと思う。愛し愛すことができる存在が1人でもいること自体が大きな幸せであるなと思った。
愛する者の生と死、思いを優しく伝える映画
見る度に内容の深さに気づけ、各立場からの視点に浸れ更に感動できる映画で、私としては5点満点でした。そのため評価点を上げたく別サイトに載せた8年前のコメントを添付します。
2015年10月27日 03時37分
5.0点
愛する者の生と死、思いを優しく伝える映画
死が迫る者と、それを見送る者の立場と気持ちを、とても重い話題でありなからも、知的に、ウィットを効かせ伝えている映画。
伏線も張られており、観賞後も考えさせられました。
末期がんである、ヘイゼルが常に気にしていたのは、自分の最後でもなく、余命でもなく、残された人達、自分の愛する家族の未来のこと。
自分が死ぬことで、残された者は傷つき、その先も生きて行けないのではないかと、不安に思うヘイゼル。
これ以上傷つける人を増やしたくない、自分は周りを傷つける時限爆弾だからと、ヘイゼルは、彼女に一目惚れをしたオーガスタスの思いに中々答えません。
それでも、しきりにメールが来てないか携帯をチェックしたり、ガスからのメールや電話でこぼれる笑顔は、普通の10代そのもので、観ている方も笑顔になってしまいます。
そんな彼女の愛読書An Imperial Afflictionの内容は、同じくがんに侵された少女アンナが主人公で、本はアンナの死もしくは病気の進行と共に途中で終わっています。
ヘイゼルが、その本のエンディングをずっと知りたがり、拘ったのは、同じ境遇であり、また、本と言う創造の世界で、アンナの残された人達のその後を想像することで、間接的に、自分が残していく周りの人達の未来を考えられたため、だと思います。
作家ピーター・ヴァン・ホーテンに会って、落胆したヘイゼル達がアンネ・フランクの家に行ったのは、その愛読書が、ある意味アンネの日記と同じと言うことを暗に伝えたかったのではないでしょうか。
アンネの日記も、勿論、アンネの目線で書かれており、アンネの死と共に終わっています。
そして、家族で唯一、アンネの父親オットー・フランクだけが生き残りました。
ヘイゼルは、アンネの父親が家族を失った悲しみに折れることなく、アンネの日記を世に広めた事実を見て、自分やアンナの周囲は自分達が死んでも悲しむけれど、その悲しみから自分達の後を追ったり、悲壮感に一生苛まれるのではなく、その後も心の痛みと共に懸命に生きていくのだと、何となく感じ取ったのではないでしょうか。
だからこそ、オーガスタスと向き合う決心がついたのだと思います。
ヴァン・ホーテンの言葉とヘイゼルの言葉にも出てきた、小さな無限と大きな無限、ありきたりだけれど、短命であったヘイゼルとオーガスタスにとっては、二人で過ごした時間が無限であり、二人が出会ったことで、二人の無限を生きることができた。
二人とも生に固執するのではなく、自分の状況、そして死を受け入れ、懸命に生きた、そんな姿に感銘を受けました。
オーガスタスのお葬式にウィレム・デフォー演じるヴァン・ホーテンが参列したのには、演出感たっぷりでフィクションという感じを受けましたが、後は最高でした!
傷つける人は自分で選ぶことができる。
自分が死ぬ時に傷付く人、つまり愛する人は自分で選べるんですよね。
観る度に一つ一つの言葉の意味が深まり、登場人物に愛を感じる、そんな素敵な映画でした。
一点だけ、原題はジュリアス・シーザーの1節を元に、病気になったのは私たちのせいじゃない!と言うことを言いたくてその原題にしたのだと思いますが、邦題だと「きっと星のせいじゃない」と言う意味のわからない題になっています。寧ろ、the faults in our starsなら、きっと星のせい!運命のせいなのに…
と邦題に少し不満が。
でも中身は本当に本当に最高でした!
強く生きていく。
癌と戦う主人公グレースとガスのラブストーリー。
癌患者の集会で出会った二人、ある本をきっかけに二人の距離が縮まっていく。
グレースの夢は、その本の作者に合うこと。
グレースは、その夢を後押ししてくれるガスに引かれて行く。。。
グレースが教会でガスに言うセリフに深く感動させられました。
「0と1の間には無限の数がある。0と2の間にも無限の数がある。つまり無限には大小があるということ。与えられた数より長く生きていたい。2 人の小さな無限に感謝してる。」
この映画を観て、限られた人生を強く生きて行こうと思いました。
愛
健康な体で死を意識せずに生きてられるって、幸せなことやなーて思った。それから、どれだけ少ない時間でも、愛した人は自分の中で永遠に生き続ける。これを観て、会いたい人がいっぱい思い浮かんだ😶💝
やっぱり愛せるって幸せなこと。
互いに病気を患っている2人のラブストーリー。 人生において大きなこ...
互いに病気を患っている2人のラブストーリー。
人生において大きなことを成し遂げることがなかったとしても、大切な人を愛した、愛されたという事実はとても大きく意味のあることだと思う。
そんな風にお互いを想いやれたって幸せなんだと。
残される大切な人、家族がどう悲しみを乗り越えるのか、残される大切な人たちへ何を願うのか。そういう視点も考えさせられた。
うまく言葉にできないけど、感じたものはたくさんあって、いろいろ気づけて、とても素敵な映画でした。
客観的に見てホシ3つかな
すごく好きな映画で、何度も涙があふれてきたのですが、別に劇場まで足を運ぶこともないかな。と思いました。
レビューの点数が異常に高めですが、ステマの影響なのかな。とも思います。
私が劇場で見たいと思った、動機は、
・「(500)日のサマー」がお気に入りの映画だった。
・レビューが高めだった。
・テーマが恋愛と闘病という、関心のあるもの。
などでした。が、まあ、そういう意味では満足です。
しかし、今作、それほど大したことないんじゃないか。とも感じました。
その要素は、
・ウィレム・デフォーの未消化ぐあい。
・主演の二人、末期ガンで厳しい体調なのに、意外と元気そう。
・ユーモアがそれほど面白くない。
などです。
2015.2.10
百万人の愛よりも…
自分の愛する人からの愛を受けること、それが幸せ。互いに若くしてガンを患い、死を意識せざるを得ない生活。痛みや恐怖に晒されながらも、精一杯生き、精一杯互いを愛する。まさか先に死んでしまうのはアンセルの方だったとは。最期までシャイリーンを想い、作家に小説の結末を語らせようとするのは泣ける。若い二人の非恋を爽やかに瑞々しく、儚げに好演していた。音楽も良かった。ローラ演じる親たちの気持ちを考えると、子供に先に死なれるのはいたたまれない。どちらが死んでしまう悲しい結末とはわかっていても見入ってしまった。
想定外の結末
一つ難点を挙げれば(というか、理解できなかった点)、大好きな作家に会いにアムステルダムまで行ったのに、映画とはいえ、あの態度はよくないんじゃない。それ以外はよくできていた。
冒頭のナレーターが女性だったので(すぐに主人公のヘイゼルとわかる)、もしかしたら彼女は死なないで、ハッピーエンドになるのかと思っていたら、ガスのほうが死んでしまうという予想外の展開になってしまった。「パコと魔法の絵本」の最後の展開を思い出してしまったのは私くらいか?
客観的に見て悲しすぎるストーリーであるが、二人のキャラクターを明るい感じに描いているところが、一層涙を誘う。ガスも意識的に明るく彼女に接しようとする態度が実に切ない。ただ、どうしても自分の運命に耐えきれずに取り乱し、ガソリンスタンドで彼女に助けを求めるシーンが、一番泣けてしまった。
2人の母親役もいい演技をしている。特に、ローラ・ダーンのほうは難しい役をうまく演じている。
こんなハッピーエンドもあるんだと思える映画です
2021年6月11日
映画 #きっと星のせいじゃない。(2014年)鑑賞
監督も出演者もほとんど知らなかったのであまり期待せずに見たらとてもよかった。
爽やかな恋物語、でも難病を抱え余命短い二人の儚い恋
主演のふたりのみずみずしい演技がとてもステキでした。
オススメです。
小さな無限と大きな無限
ガン患者であるティーンネイジャーの悲恋と言ってしまえばそれまでなのですが、数学的・哲学的に奥の深いうんちくに溢れている作品でした。難病モノといえば必ず泣けると思っていたけど、先の短い人生におけるモチベーションには若者の発想ながら人生訓を教えてもらった気分になりました。
人を愛することができた喜び。永遠という名の無限の愛。死を迎えるにあたって納得のいく人生だったかと、今のうちから考えておかないと全て無駄になってしまいそうな、反省ばかりの自分と比べてしまいました。
アンセル・エルゴート演ずるガス。後に『ベイビードライバー』で華麗なドライブテクニックを披露するものの、今作では下手で荒い運転のエルゴート。骨肉腫を克服するために右脚を切断し、義足という理由もあるのだろうけど、ついつい比較してしまった。そんな彼の言う“忘却”とは「人に忘れられることの不安」。自分が生きた証しを残したいという気持ちが痛いほど伝わってくる。功績や名誉などではなく、ヘイゼルを愛するという偉業を達成できた。また、火を点けないくわえタバコで「殺す力を与えないメタファーなんだよ」と、何かある度にタバコをくわえる仕草が印象に残る。“死”と闘ってる姿。この行為も人の心に残るものだ。
「トロッコ問題を知ってるか?」などと相手を煙に巻く小説家ピーター・ヴァン・ホーテン。オランダに住むこと自体、自身がアメリカ人でありながらアメリカ人を嫌ってる偏屈な男。これをウィレム・デフォーが怪演している。せっかく結末を教えてもらいにきたヘイゼルとガスに対して差別的とも思える発言で嫌われてしまうが、これもトロッコ問題の解決法の一つなのか?その辺りはわからなかった。ホーテンの存在がストーリー全体の中のアクセントになってることは間違いないけど、ガスがその後のメールのやり取りを含めて満足できたのだろうか・・・疑問。
人はそれぞれ頭の中に小宇宙を持っているのだと思う。その無限と無限が繋がったとき、永遠に続く愛によって幸福感に満たされるのだろう。家族の宇宙、恋人、友人の宇宙、誰にも邪魔はさせないぞ!今、こちらは大雪なので、映画を見ながら自分の小さな無限宇宙の中に引きこります。
The Fault in Our Stars
誰かが死んだ後にもその他の人の人生は続く。死を悲観的に捉えすぎない映画。
音楽良い。
オーガスタスは辛い状況でもユーモアを忘れず励まし続けた。素晴らしい人物だと思う。
言語化しづらい深い内容があるように思えてならない。
愛する家族のために
(なぜかレビューが削除されたので再度短くー)。
がん保険、入って下さいね。
そして必ず「先進医療特約」を付けること。僅かな上乗せですから。
白血病や悪性リンパ腫など、血液のがんは「先進医療」です。
普通のがん保険ではカバーされないので困りますよ。
無加入だと、あなたとあなたの家庭はどうなるかを想像すれば、安いものです。
血液のがんは、ほぼ治ります。でも、千数百万かかります。
シャイリーン・ウッドリー、いいですね。ティーンの星。
「ファミリー・ツリー」でも彼女、ジョージ・クルーニーの娘役で好演しています。
okay
All of the stars
エンドロールの宇宙を進む感じがいい、きっと二人は星と星の間を永遠に旅するのだろう
I can see the stars from America
もがきながらも恋をする生きる
Love story
病気になって引きこもるより、同じ境遇にいる人と分かち合えれば生きる活力になるのかなと思えた。
甘いラブストーリーかと思えば、最後は涙で心苦しくなり、最後の手紙は心に響くものがあった。
不治の病にかかった若い男女の恋を描いた全米ベストセラー小説「さよな...
不治の病にかかった若い男女の恋を描いた全米ベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」(岩波書店刊)を、「ファミリー・ツリー」「ダイバージェント」のシャイリーン・ウッドリー主演で映画化し、全米で大ヒットを記録した青春映画。
ベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」。 難病を抱えなが...
ベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」。
難病を抱えながら、今を、ユーモラスにきららかたっぷりに生きる若者たちのドラマ。
鑑賞日:2015.4.1
【哀愁味のある上品な青春映画の秀作。ラストは涙を堪える事が難しい作品。】
「ファミリー・ツリー」で少しおしゃまな女の子を演じたシャイリーン・ウッドリー主演。
彼女が演じたのは、末期の癌患者、17歳のグレース・ランカスター。どこへ行くにも酸素ボンベが必要。病気のせいで、13歳から入退院を繰り返し、友達も出来ずに毎日、本を読む日々。
両親(母親はローラ・ダーンが演じているが、とても良い。)を心配させないために参加した、癌患者の集会”サポートグループ”で、彼女はオーガスタ・ウォーターズ(ガス:今作後、”ベイビー・ドライバー”で大ブレイクするアンセル・エルゴート)と出会う。
18歳のガスは高校のバスケットのスター選手だったが、片足と引き換えに骨肉腫を克服していた・・。
その後、当然の如く二人は恋に落ちていく。
ヘイゼルとガスが、オランダ在住のヴァン・ホーテン(ウィレム・デフォー)を苦労して訪ねる件からの、アンネの家を苦労しつつ巡った後の二人の距離が更に近くなっていく様。
大きな病を抱えながらも、前向きに生きる二人とその友の姿が眩しい、品の良い青春映画。
とても、とても良い作品である。
<2015年2月20日 劇場にて鑑賞>
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