アルゲリッチ 私こそ、音楽!のレビュー・感想・評価
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娘が撮ったアルゲリッチ
原題は「Bloody Daughter」。
邦題はまったく作品の内容を表していないし、どのように本作品を解釈しても、アルゲリッチが邦題のようなことを言ったり示唆したりしているようには見えない。
この映画は、娘の一人が、母親であり天才ピアニストであるマルタ・アルゲリッチを追い、その人物に迫る映画であって、アルゲリッチの音楽ではなく、母親であり人間であり女性であるアルゲリッチを描いている。
奔放と言われる人生を送ってきた「天才」の内面を、わずかながらに垣間見ることができる、珍しい種類の作品だと思う。娘でなければ、こうした作品を仕上げることはできなかっただろう。
しかし、アルゲリッチは複数の男性との間にそれぞれ娘を設けており、その誰とも通常の母子関係を結んできたとは言えないので、娘にとってさえ謎めいた存在のようだ。この映画を通しても、アルゲリッチの内面が明らかになるというわけではない。
ただ、アルゲリッチ自身が、幼少期から現在まで、いろいろな葛藤や不安などに直面しながら、自分の人生を生きてきた、ということを、本人の曖昧な語りで察するだけである。
それでも、「普通の人」とは異なる距離感ではあるものの、娘に対する愛情やパートナーとなる男性への思いなど、人間としてのアルゲリッチがクローズアップで描き出されており、とても興味深かった。
子供の時からなんとなく聴いてたシューマンのアルバムが、この演奏家の...
子供の時からなんとなく聴いてたシューマンのアルバムが、この演奏家の作品集だった。長い間演奏家の人となりを知らずに演奏だけを聴いてきたので、これからはまた違う印象でこのアルバムを聴くことになりそう。
天才的な音楽家って波乱万丈な人生歩んでる人が少なくないですね。彼女はとはいえ娘さんたちや別れた夫と比較的良好な関係を築いていることが映像から伝わってくるので、この手の映画の中では平和な雰囲気が漂っています。
娘が撮った母親の記録
コンクールで何度も優勝した伝説のピアニストマルタアルゲリッチ。娘が監督として母親を取り続けた。母親として、ピアニストとしての姿をプライベート映像をも交えて描いた。しかしマルタアルゲリッチを知らない者からすると、プライベート過ぎてマルタアルゲリッチのピアニストとしての本当の実力は分からなかった。
またもや音楽ドキュメンタリーか! リトルグリー モンスター以外の音...
またもや音楽ドキュメンタリーか!
リトルグリー モンスター以外の音楽に造詣も興味もない私にはこの手はきつい。アルゲリッチ、全く知らなかったし(笑)
天才ピアニスト、やはり普通の生活ではない。でも意外にも悩む一面もあったり…そしてその娘たちはたいへんだったんですね。母には勝てないからと他の楽器をさせられたのは辛いですね。
こんな家族もあるんだ、と見ればいい。知らんけど(これぞ関西特有の無責任な言い回し)
天才ピアニストを母に持った三人の娘たち
アルゼンチン出身の天才女性ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリーで、監督は三女のステファニー。
独特のキャラで、娘三人に守られているようだ。
才能を備えた美人で、いろんな確執があったと思うが、みんなの見つめる目が暖かい。
原題はArgerich!
「私こそ、音楽!」って・・・。ファンとしては興醒めやな、この副題。
「アルゲリッチ音楽祭」って・・・・。ファンとしては「遠く」にいて欲しいといつも思っているんやで。
作品中にあったシューマンへの言葉。
シューマンやんか!音楽は感じるものやで!
そうそう、最近出た村上春樹の本でも「謝肉祭」を弾かせたいって書いてるやん!
アルゲリッチも感じるものやで!
と思いながら、なんで3人の娘はみな父親似なん?
・・・と思っていたら、彼女がその時に感じた作品が娘たちなのかと思ってしまうやん・・・・・。
ホームビデオ?
アルゲリッチさんは余韻を聴かせるよりは華麗なタッチで魅せるタイプのピアニストでエキゾチックな風貌とあいまって日本でもファンが多いですし、映画の中でも来日時の様子が垣間見られます。個人的にはしっとりとした演奏家の方が好みでアルゲリッチさんの熱烈なファンと言う訳ではありません。
さて本題は、主人公が稀代の名ピアニストであればホームビデオでも映画として成立するのか?ですが、微妙です。カメラマンが実の娘でも気を許す素振りは感じられず、いつも素っ気なく答えをはぐらかしてばかりです。三女のステファニーが母に買ってもらった日本製のビデオカメラで家族を撮り始めたのが作品のルーツのようです。自身も母となり、奔放な母の人生に向き合いたくなったのでしょう。
3人の娘は全て父親が違います、娘たちはアルゲリッチが引き取っていますが長女のリダ・チェンは訳ありで幼少期は施設で育てられ里親を転々としたようです。
父母ともに芸術家気質というか音楽以外には無頓着で、娘たちから見れば親の生き方に翻弄されたというのが実感でしょう。
ステファニーが戸籍上私生児のままであることを気に病み父に認知を頼むシーン、父のピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィチは大使館のミス、紙切れなどどうでもいいだろうと悪気は無いのだが娘の気持ちさえ汲み取れない様子、そんな親ってあり?
幼少期からコンクール入賞を目指して英才教育を受けてきた歪だろうか、感性が命の芸術家ともてはやされても懐疑的になりそうな子育てエピソードには失望します。
ただ、アルゲリッチのネイルサロンのエピソード、指ごとに違う色にして、左右対称はいやと言った話は娘さんならではのエピソード、如何にもと笑えます。アルゲリッチの奔放な生き方をみるとシューベルトは苦手、シューマンが一番好きというのは分かります、映画には出てきませんが第10回ショパン・ピアノコンクールでの審査員辞退騒動でクロアチアのイーヴォ・ポゴレリチを擁護したのも自由人同士の共鳴と思えてきました、そういった意味では収穫ありかも・・。
人間として「神」を生きるということ
愛、美、自由…神の領域の精神性をこの制限された世の中に降ろす人生を選んだ(あるいは選ばされた)、ひとりの女性とその家族の人生を内側から捉えた素晴らしい作品。
心が揺さぶられ、魂に響く、実に味わい深いドキュメンタリー映画でした。また観たいです。
ピアニストアルゲリッチのプライベート映像
ピアニストのマルタ・アルゲリッチのドキュメンタリーです。アルゲリッチの3人の娘との関わりを中心にアルゲリッチという女性の人生が語られます。アルゲリッチの娘が監督していることもあり、ホームビデオ的でちょっと退屈でした。もう少しアルゲリッチの音楽について語ってほしかったです。
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