「一言で言うと「原作を読まずに行った人は感動するし、原作がものすごく...」アオハライド おとーにょさんの映画レビュー(感想・評価)
一言で言うと「原作を読まずに行った人は感動するし、原作がものすごく...
一言で言うと「原作を読まずに行った人は感動するし、原作がものすごく好きな人はがっかりしてしまいかねない」。
かなり原作を読んで期待してしまっていたので、原作との比較が多い感想になります。不快に思う人、すみません。
☆配役について。
【双葉】本田翼は思ったよりも雰囲気が出ていたので良かった。けれど役者としてはフツウ。
【洸】東出さんの年齢の無理さは言われるほど気にならなかった。けれど洸はもっと体つきも骨ばっていて、なおかつちょっと痩せているイメージだったので、制服のせいなのかふっくらして見えた。
【小湊】原作はもっとちゃらくてうるさいですよね(笑) 映画の中での小湊、もうちょっと若いといいな。「アオハル」って言いすぎ。原作では修子のことを修子って呼んでなかったはず……
【悠里】この子が一番適役でした!でも徐々に「ぶりっこ感」薄れていった気がする。蛍光オレンジのダボパーカー(@リー研)のイメージはなかった……
【修子】オーラは修子なんだけど、とっつきやすい、お喋り普通にできちゃってる修子になってた。
【田中先生】髭の剃り跡が気になった。もっと若くてよかったなあ、と。
【成海】ゆるふわだったのがびっくり。でも役者さんは可愛かった。なぜ双葉に電話したんだろう。あれで成海がいい子っていう印象を残されてしまった(その必要はないと思っている)
【菊池】この役者しかこの役は無理、と思っていたのでピッタリだった。ビジュアルはばっちり。
☆ストーリーについて。
全体的に「映画だから!詰め込みます!!」って走っていった感じでショックだった。
【冒頭】1年生の時の出来事が全部2年生の話になってしまっているので、原作読んで行った人は「あれっ」となる。
洸が転校生になっていた。転校生なのにクラスメイトの扱いは雑だなあと感じた。(話の途中で分かったが、長崎の進学校からの転入らしく、その高校名を同級生が知っているということは新しい学校は東京じゃなくて九州なのか、とか考えた。それか、灘高校みたいに全国に知られているほどの学校という設定か……?)
回想シーンはよかった。中1の双葉と洸の役者は演技が上手だったと思う。
【購買事件】おばちゃん良いキャラしていた。あのシーンですでに、主たるメンバーが勢ぞろいしていたのが、つめこんだ感満載でちょっとムムッとなった。
【リー研etc】あの「みんなの心が一つになる」セリフは、もっと感動的に仕上げても良かったと思う。紙を持って集まったのは映画のシーンとしては悪くないかと。あと、テーブルに顔をくっつけるシーンは良かった!ただリー研で菊池が出てきたのは、原作での菊池との出会いをカットするためだろうが、映画を観てから漫画を読む人は困ると思う。リー研後、何かと集まりがあるのも不思議だった。
【放課後寄り道】もっと双葉緊張して悠里に告げたっていう雰囲気を出してください……!悠里の涙こらえているシーンは良かったです。
【文化祭】思った以上に賑やかな高校だった(笑)楽しそうでいいな。ただライブの時に、洸が話しかけた理由が「夏祭りの埋め合わせの件」だったせいで、洸がこの件で話をしようとするシーンが多く感じた。あとあの成海の帰し方…あれはちょっとなあ…。洸がひどい男すぎます(笑)
【警察騒動】何度も書いてますが、映画としてならOK。ただ、原作支持者的にはなぜありもしない警察が出てくるの、警察署の前で抱き合ってるの、菊池どこから現れたの、という疑問の山々……。
【図書館】手を合わせるのはよかったー!でも菊池のキスは不意打ちすぎます(笑)
【修学旅行】「菊池とは映画の中では付き合っていないんだよね、まず。」という疑問。それから抜け出し方も適当だったし、なぜ路面電車を使用したのかも不明。「『トモダチ代表』で来たのにふっきれないじゃん……」というのがこのシーンにおいては重要だと思っていたので、あれっ?という印象。昔住んでいた家がアパートではなかったのはいいとしても、なくなっていたのは衝撃的でした(笑) 階段を歩きながらの回想シーンはちょっとうるっときた。でもせっかく成海との会話の際にフラッシュバックのことがあったんだから、もっと「克服しようとした」「克服できた」というのを映画に盛り込んでほしかったですね。
【教会】これが一番許せない。泣いたのは悪くないけど、「教会で祈っていた母のことを知って『許される』」という流れに持って行こうとしたのだろう。洸が過去を乗り越えたり、笑っていいんだと思えるようになったのは双葉たちのおかげであって、そこに宗教要素はいらない。菊池が現れたのも不可思議。
【美術室】すてきな設定ですね。かわいい洸が見れたので、この「付けたし」はアリかと。
【最後の朝焼け】ハッピーエンドに持って行きたかったのだろうなあという感じです。双葉は一晩どこに行っていたのだろう。
☆その他。
もっと、「心の声」が聴けると思ってました。役者さんによる、役以外でのナレーターのようなセリフのことです。
それが少なかったので、洸の心情はいろいろと行間を読まないと映画から入る人は難しいのではないかなーと思いました。
まあ映画館にいた女子高生は「きゅんきゅんした~やばい~」と言っていたので、そういう層にはいいのかな……(笑)
この調子だと、『ストロボ・エッジ』の映画を見ても同じような感想を抱きそうで怖いです。