砂上の法廷のレビュー・感想・評価
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キアヌがYeah..と言ったら.
鉄砲持ってドンパチ始まるんちゃうかなと思ったけど、終始静かな法廷サスペンスでした。
被告人は17歳、罪状は父殺し、凶器に指紋もべったり付着し自白もありと絶対的に不利な状況。弁護士のラムゼイはかつての上司が被害者であり被告人の父親、殺人現場にもいち早く駆けつけている、かなり特殊な状況での弁護を行うことになる。
さらに被告人の少年マイクは逮捕以降謎の黙秘を続けている。裁判が始まっても一切口を開かないマイクに対し、検察側は次々に証人を呼び事実を裏付けていく。肝心の被告人から何も聞かされず状況は不利になるばかり。そこに、補佐として人間嘘発見器の異名を持つ女性弁護士ジャネルが付くことになる。
ここまで法廷の証言では父親の高圧的な人柄や、親子関係の悪化がフィーチャーされていくが、その間に挟まれる実際の場面の映像では、証言と異なる部分もあり…。
法廷サスペンスの基本は、証言が正しいか正しくないか、法廷で語られるストーリーと真実はどこにギャップがあるのか、その小さなほころびを弁護士は見抜くことはできるのか、という流れが多いと思うけど、この映画は少し違っているところがポイント。
何しろキアヌ弁護士は証拠が揃っちゃっている状態で、肝心の被告人から何も聞かされていない状態で弁護をしなきゃいけない。自分からストーリーを作ることができない状態なので、アリ-フォアマンのボクシングの試合を引き合いにアリばりのRope a dope作戦を敢行していく。というかそれしか打つ手がない状態。相手(検察)がフォアマンの如く打ち疲れてくる隙はあるのか。
そして、マイクが法廷で初めて口を開く瞬間、今まで語られていたストーリーを大きく捻じ曲げるある事実が語られることになる。
ここから、想定していたことが全て突き崩されていく、検察側も、弁護側も。
しかし、物語はそうシンプルに結論に向かっていくわけではなく、単に隠し持っていたエンジンがいきなり動き始めただけ。ここからエンディングまで右に左に揺さぶりながら、どんどん加速していく。しかし、とても静かに。
落としどころとしては、意外だけど想定可能かな。事件の顛末はさておいて、法廷という場であったり、検察や弁護士の本音を比較的リアルに表現している気がする。そこで大事なものは一体何か、といったところ。
キャスティングはキアヌがドンパチしなくて不満、というわけではなく。そりゃ法廷モノでドンパチしないよね。でも、相棒のジャネルに対して渋い声で"Year..."と言った時には、懐に手を伸ばしてないか心配になりました。
あとは被告人の母親にレネー・ゼルウィガー、あちこちから狙われる役柄はちょっと厳しかったかなぁ。殺された父親にジェームズ・ベルーシ。ジョン・ベルーシの弟らしいけどお兄ちゃん要素全然感じんかったな。
比較的短い尺の法廷サスペンスなので、あー緻密だなぁと思うにはもう一歩の部分もあるけど、これはこれで十分楽しめる。結局法廷での宣誓なんて何の意味もないのね、と思わされる妙なリアルさがある作品だった。
予想は覆らず
法廷サスペンスはどんでん返しや衝撃の真実が付き物。なので見る側は、ある程度あれこれ予測する。
本作の場合は…
大物弁護士のブーンが自宅で殺され、容疑者に上がったのは息子マイク。彼らと親しい弁護士リチャードがマイクの弁護をするも、マイクは終始無言を貫き、不利な証言の数々でマイクの有罪濃厚。が、ブーンの妻ロレッタへのDV疑惑で徐々に風向きが変わる中、無言を貫いていたマイクが遂に口を開く…。
マイクは何を語るのか…? 語られた真実とは…。
この場合推測出来るのは、ブーンを殺したのはロレッタで、自身も父から性的虐待を受けていたマイクが庇っているとか。
キアヌ・リーヴスとレニー・ゼルウィガーの二大スターを配しているので、弁護士と妻の間に関係があるとか。
いや、そんな安直ではないだろう。もっと予想を超えてくるに違いない。監督は『フローズン・リバー』でアカデミー脚本賞にノミネートされた実績のあるコートニー・ハントだし。
“判決(結末)”の行方は…?
ところが、予想を覆すほどのものではなかった。
父から性的虐待を受けていたのは嘘。母が父を殺し、それを庇おうとしたのは本当。
が、ある“証拠”からマイクは全ての真相に気付く。
リチャードと母が不倫関係にあり、その発覚を恐れ殺害を企てたのが真相。
自分の担当弁護士こそ真犯人だった…!
まあ確かにどんでん返しや衝撃の真実としては悪くないが、先にうっすらそんな予想を立てていたので、期待以上の驚きはなかった。
作品も決してつまらない事はないが、そのまんまかいな!
リチャードもマイクもロレッタも証人も皆、嘘を付いている。
リチャードの助手の女性弁護士が嘘を見破るのに長けているが、ちとそれらの設定を活かせなかった気がする。
助手が嘘に感付くが、リチャードを問い詰めるのは結局マイク役回りだし、他の人物も保身の為とは言え何故嘘を付くのか、ちと腑に落ちなかった。
突如降板したダニエル・クレイグの代役のキアヌ。だからなのか、あまり役に合ってなかったような…。やっぱりキアヌもアクション派かな。
すっぴんノーメイクだったのか。当初レニーとは気付かなかった。こちらの方こそ衝撃!
うそ発見器
証言が始まってからも全く口を聞こうとしないマイク(ガブリエル・バッソ)。ラムゼイは困り果て、助っ人としてうそ発見器ともあだ名される若い黒人弁護士ジャネル(ググ)を雇う。誰がどんな嘘をついてるのか見抜く能力が優れているのだ。
ラムゼイ(リーヴス)は被害者弁護士に昔から世話になっていて、今でも家に出入りしているほど。息子マイクも司法界を目指す優秀な学生。ラムゼイはどうしても彼の無罪を勝ち取りたかったので、ギリギリまで不利な状況において陪審員の同情を引く作戦に出た。モハメッド・アリとジョージ・フォアマンの試合を例に挙げて・・・
マイクが口をつぐんでいたことは、どう考えても母親ロレッタ(ゼルウィガー)を庇っていたからだという雰囲気。そして被告人マイクの証言が自分も父親ブーン(ジム・ベルーシ)からレイプなどの虐待を受けていたと語ったこと。どこにも嘘がありそうな法廷で、ついにマイクはその同情票で無罪を勝ち取った。じゃ、ロレッタが真犯人?と思わせたところで・・・
実はラムゼイとロレッタは不倫関係にあり、それに気づいたブーンの存在が邪魔になり、ラムゼイが殺人を犯したというもの。ラムゼイの語りでストーリーが進むので、プロットとしては反則技だと思うが、母親を庇ったつもりだったマイクの憤りは尋常じゃないはず。大どんでん返しで面白いはずなのに、淡泊なラストは興ざめ・・・
各々が心の中に『守りたいもの』を抱えて立つ証言台。ドラマを観る様な感覚での鑑賞をオススメ。
黙秘を続ける被告人の弁護士ラムゼイ役キアヌが孤軍奮闘する法廷サスペンス。重いテーマではあるが、思いの外に淡々と進む裁判。肩肘張らずにサラッと観るのが良い。
語らない被告人マイク、殺された父ブーン、その妻でマイクの母であるロレッタ。そして、マイクを有罪とするべく偽証罪にならない様に証言する証人達。
ラムゼイは冒頭から裁判に勝つ為の戦略も明確にしており、展開は正にその流れを追っていくのだが、陪審員達の心情をどの様にひっくり返すのかを見ていくのが面白い。
法廷という"砂の上"にそれぞれが構築しようとしている"正義"。その脆さ、無意味さが垣間見える。終盤までほとんどセリフの無かったマイク演じるガブリエル・バッソのラストの激昂と表情は素晴らしかった。
『無罪』とは何か、『真実』とは何か、そして『裁判』とは何か。少しずつ少しずつ、ゆっくりとこの映画の表現したい本質が見えて来る。。。のだが、演出、脚本共にもう一捻り出来た感は否めないのも確か。
「犯人が分かった」「先が読めた」等だけで評価してしまうのは勿体ないオススメの良作。
驚きのラスト
自宅PS4にて、amazon prime videoで鑑賞しました。
一番最後、終盤のシーンが衝撃的な作品でした。それまでの流れを一気にぶった切る感じで、いい意味で裏切られました。
作品の長さも1時間半程度と見やすいものになっているので、ぜひ見てみてはいかがでしょうか。
ミステリー映画は山ほど見るが、頭から一人称で始まる物語は、見るもの...
ミステリー映画は山ほど見るが、頭から一人称で始まる物語は、見るものの興味をそそられる。
ストーリー的にはおもしろかったが、法廷ものにつきものの緊迫したやり取りの描き方が今一つ。
展開もわかりにくい。俳優そろえたのにもったいない。ドヤのストーリーに細部の手抜きを感じられるのは監督の責任といえる。評価3.0は少しオマケの評価点。
邪推せず素直に観てたので、どんでん返しにビックリしました
殺人の罪に問われる息子を主人公(キアヌ・リーブス)が弁護する、という設定です。映画の紹介文でそれを見たときは、「面白いのかな?どうなの?」と思いながら再生したのですが、予想外の展開で、私はとても面白かったです。
「淡々と進んでいく」との批評もみかけたのですが、その「淡々」のひとつひとつがとても大事なので、これから観る方には、ぜひ「淡々」を我慢していただきたい!
真実の証言をしているようで、少しずつ嘘または隠し事をしている証人たち。法廷での様子にちょこちょこと挟まれる真実の映像。私は素直にそれを見ながら、「本当に無罪を勝ち取れるのか?どうなのか?」と思いながら、まんまとこの映画の構成に引っかかってしまいました。(ミステリー好きの方は、途中から「真犯人は・・・」とわかってたみたいですね。汗)
証人たちがつくちょこっとした嘘や隠し事だけでは、邦題を『砂上の法廷』と名付けるには弱い気もしますが、最後まで観ると、まさに砂の上にあるグッラグラの脆くて嘘だらけの法廷だなぁ、なんのための法廷(司法)だよ、って思えました。ちなみに原題は『The Whole Truth(偽りのない真実)』でとてもシンプル。邦題考えた人すごいな、と思いました。
法廷映画ですが、難しくは感じませんでした。どんでん返し系が好きな人にはオススメできます。話の盛り上がりとか、アクションやスピード感みたいなものが好きな人には、「淡々と」で眠くなってしまうだろうから、オススメしないかな・・・。
『ブリジット・ジョーンズの日記』で大好きになったレニー・ゼルウィガーを久しぶりに観れたのも、私にとってはよかったです。私の中ではブリジットのイメージのままだったので、「いつの間にこんなにお年をめされて・・・」と思っちゃったのですが、それが逆になんとも言えないエロさを醸し出してました。素敵でした。
面白かった
あまり評判良くないみたいで期待してなかったけど
とても面白かった。
いきなり法廷から始まって、
キャラの深掘りとかないので感情移入も出来ないし、
これ大丈夫か?と思ってたけど、
それも伏線になっていたし、
全面に怪しさが出てたので飽きずに見れました。
少しずつきな臭いシーンなんかも出てきて、
真犯人はコイツだろ?
とたぶんみんなが思い始め、
オチが、それだと弱いぞ!と思ってたら
ちゃんとその先がありました。
わかりそうで分からないが一番気持ち良いミステリーの
形かなと思います。
良心のせいで真実が消え去ると言う、
なかなか新しいラストでした。
だるいけど、衝撃が凄い。
『砂上の法廷』鑑賞。
*主演*
キアヌ・リーブス
*感想*
キアヌ目当てに鑑賞。ラムゼイ(キアヌ)が弁護士になって、父親ブーンを殺してしまった息子の弁護を任せることになったところから物語が始まります。
裁判についてはあまり詳しくはわかりませんが父親を殺してしまった息子がずっと黙秘し、父親の変態っぷりや、狂暴だった一面が証人たちの証言で実態が徐々に明らかになるんですが、最後のどんでん返しは衝撃でした。
弁護士と検察のバチバチトークバトルはほとんどなく、ストーリーが淡々と進むので、だるいですけど、最後はマジで驚いたww
総じて、面白かったです。(^^)
法廷モノですが、そんなに難しくはなく、とにかくラスト辺りが衝撃でした!
おすすめです!
キアヌまだ若々しい
演じていたベテラン弁護士と同じように、キアヌ・リーブスも色んな役を慣れた感じで演じられていて、安心して見ていられる反面、スピードやマトリックスの頃のようなオーラが感じられないのはちょっと残念。でもまだ若々しい。
ダメでしょう、これは。
どうだろう、これ。
作品自体が「砂上」に成り立っている感じ。土台もなしで、ぐらぐら。
ここまで作為的だとさすがに見る側も見透かす。おいおい、バカにしてんのか、と笑。
巧みな(つもり)の構成はまるで解から逆算した説明書を見せられたようでもある。映画としての質感が非常に乏しい。尺の短さが演出力のなさと直結してるような印象。
ダメでしょう、これは。
ラストなどは工夫があったが、
金持ち弁護士が殺され、その息子が容疑者として浮上。少年を弁護するの為にキアヌ・リーブス演じる弁護士が無罪を勝ち取ろうとする話。
8割型舞台は法廷。証人尋問が殆ど。
事件当時の映像を振り返り証人が答えるので、証言が嘘か本当か分かりやすく淡々と観やすい作りにはなっている。
少年は有罪なのか?
これに話は尽きる訳だが、過去映像を振り返る際、弁護士であるキアヌも殺された弁護士の家に出入りし、少年の隣に居る映像を見て、「あ〜、身近過ぎだよ。これ後々何かあるな」と思っちゃう訳で、実際なってしまった私には残念な結末となりました。。。。
少年の絵も後半の無理矢理こじつけ理由的になり、伏線は考えて貰いたかったし、少し少年側の殺人方法などに捻りがあればと。
鑑賞後のメモから。 なかなか面白く法廷劇の佳作かと思いますが、残念...
鑑賞後のメモから。
なかなか面白く法廷劇の佳作かと思いますが、残念な部分もチラホラと言ったところ。
主演のキアヌ・リーブスがやり手の弁護士で、被告の少年とは親しい間柄だけに何とかしょうと奔走するのに、少年は一切の証言を拒否している為に苦悩する話。
不利で有れば有る程、陪審員の心を掴む方法が有るとばかりに、あの手この手の駆け引きをする辺りが面白いですね。個人的にはキアヌ・リーブスにそこまで知識人っぽさは感じないのですが(ー人ー)
法廷で証言する人間には、自分の立場や被告や被害者との関係性から鑑み、必ず証言には嘘が混ざっている…とゆう辺りから、裁判自体を切り崩して行くのですが。様々な証言者達は自ら証言した後に映像によって真実が、観客側に明らかになって行くのが珍しい作り方に思ったのですが。
…ん?待てよ!これって、ひょっとして黒澤の『羅生門』スタイルで進んでいるのでは?と。
観ていて何となく「嗚呼!こうなるな!」って言うのは感じるのがちょっと残念なところ。
必要以上に被告の少年に再三忠告を促す辺りも、観終わると…ん? ん?ん? って感じでしょうか。
2016年4月5日 TOHOシネマズ/シャンテシネ2
70点
映画評価:70点
おそらく他のレビューや、作品を観た人たちは最後のどんでん返しに対し驚く方や、気付いた等自慢する方、可能性のひとつにすぎないと落ちついている方がいる事でしょう。
ただ、この作品が表現したい事は
真実がどうとか
犯罪の経緯がこうとか
では、ないのです。
タイトルに出ている通り
法廷は真実を追及する場所ではなく
あくまで仕来りだと
形だけ神に誓い
打ち合わせ(台本)の元、証言を行い
通過儀礼の様な
まさに偽りの法廷
砂の様に崩れやすく脆い
事実は誰かの台本にすぎないのだと
【息子】が真犯人ではないと
ミステリー好きの方からすれば
すぐに分かってしまうだろうし、
またすぐ分かる様に作っているだろう
だからミステリー映画として評価する方は
簡単すぎて低評価になってしまうかもしれない
だが、そういった作品では決してない
ミステリーの難易度は下げ、分かりやすさ見やすさを追及し、その奥にある法廷の脆さを訴えた作品なのだ
私はそう評価する
【Amazonプライム視聴】
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