ソロモンの偽証 後篇・裁判のレビュー・感想・評価
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職人技!
えてして小説を原作とした映画は不満が残るが、この作品は満足させてもらった。どだい宮部みゆきの人物エピソードの多さをすべて入れるのは無理だし、仮に入れたとしても映画としてはうまく機能しないだろう。
ヒロインを視点においた主軸のぶれなさと、よくぞ見つけ育てた子役たちの未熟ながらも印象的な演技が作品を成功させている。
監督含め制作人がそうとう工夫をして子供たちを心理的に誘導(あるいは追いつめ)したと思われる。大人側の俳優陣もその現場の空気に引っ張られたのだろう。紋切型のキャラクターはこの映画に存在しない。
現実にを生きるにつかねばならぬ嘘に傷つく人々の様は本当に涙を誘う。
惜しまれるのはエンディングテーマがU2の曲だったことだ。
曲の意味を知らなければ作品の世界観にあっていないと感じる。
傑作!感想を分かち合いたい人へレビュー書きました。
ソロモンの偽証!
映像的に納得いかないとか、上映時間長すぎ?とか、
マイナスもあるのですが、
テーマ性や演技におけるプラスが大きく上回っているので
5.0満点です!
前編を見終えた時に、
「えっ、それくらいで、そんな心理になる?」と
主人公のショックの受け方に違和感あったのですが、
実は後編ではソコの回答がテーマとなって物語が進んでました。
謎の死を遂げた同級生の、「偽善者」と責める声&目が
この作品のポイントで、
前編で感じた違和感は、これらの説明不足によるものでした。
後編では、これらへの回答を意識した画が撮られています。
それは、彼自身と、彼の目に悩まされた主人公と担任、
それからこの作品のミステリーの鍵となる弁護士役の子が、
要所要所で「まばたきをしていない」演技で示されています。
そして、彼のいう、あるいはこの作品のいう「偽善者」とは
一体何であるか。
これについては、二十数年後にあたる現在の現場中学校校長が
唯一言葉にしています。
「心の声の蓋をすると、自分の見たいようにしか見えなくなる
(朝見た映画について夜にコメントを書いているので、
セリフはうろ覚えですみません。)」
ということです。
偽善に限ったことではないと思いますけどね!
さらに、ここからは推測ですが、
成島監督(あるいは原作の宮部みゆき氏?)は、
「そうしちゃうと、成長を止めるからやめときな。」と
言いたいんだと思います。
このように感じたのは、謎の死の彼が劇中で一番子供っぽいんです。
そう見える役者を選んでるんです。
彼は、おそらく彼自身も偽善に走ったことがあり、
成長を止めてしまったのです。
そして捻くれて、最終的には自殺。
当映画のポスターに「嘘つきは、大人のはじまり。」って
書いてあるのですが、これは、彼の捻くれや、
主人公や思春期学生の自己懐疑な気持ちを示していたんですね!
DVDでたら繰り返しみます。^_^
新手の詐欺
前半を公開日に観ておもしろいと感じ一ヶ月間待って、
ようやく今日見れました。金を返して欲しいです。
前半をみて、どんな展開か予測していたのに結局、神原という謎に包まれた男がキーだった!いや、そりゃそうなるわ。どこがミステリーだよ。こんな謎とけねえよ!
それに先生とかマスコミ完全に空気だし、、、肝心の裁判は誘導尋問の連発なんですけど。原作は読んでないので文句ありません。しかし六巻ある原作を大きな改編なしに映画化するのが無茶な話でしょう。
原作は未読の意見…
冒頭から生意気な事を言っちゃう。 映画作品は,様々な人の賛否両論がある事が非常に面白い‼️と私は感じるから,人の意見も聴いたり、こういう場のレビューなる事にも参加したがる人間であり&その意見を聴いて貰いたい所… そりゃ好み云々は色々あるだろうが,自分的?映画作品としての完成度は、高い❗️と思う。 演技云々はまだ学生だからとは言わない。個人的にも好きなキャストばかりの非常に素晴らしい演技力にも,えぇ感じに劣らずに(一寸持ち上げ過ぎ⁉️まっ,観終わった後は、それだけ満足した事を伝えたい!という意味も踏まえて…)頑張っていたんじゃないかなぁ〜^_^ ※文句ばかり探しても仕方がないとも思うし・・・
今回はかしわぎくんのキャラが爆発するような感じでした。個人的に前編...
今回はかしわぎくんのキャラが爆発するような感じでした。個人的に前編にあったような目を覆いたくなるような映像を期待していたのですが、そういうのもあまりなく。シリアスな雰囲気ですが、かしわぎくんのこじらせ具合が笑えてしまいました。
ソロモン王は言った「公平に判断ができる心が欲しい」と。
原作既読なので色々な違いは気になりましたが、映画としても小説にあった見所はあって良かったと思います。
ちなみに、ソロモンというタイトルは、ソロモン王から来ています。彼は神からなんでも願い事を叶えてあげようと言われた時、公平に判断ができる心が欲しいと言いました。これは劇中の生徒たちの心につながるものです。
裁判の必要性について、ここまでやらなければならなかったのか?に対してはここまでやる必要はない、というのが現実的な答えになるかと思います。ただし、作劇的な意味においては大いに意味のある設定であったと言えます。裁判を通じて、自分に不都合な真実、隠している秘密を、登場人物皆が暴露させることに違和感を与えない効果を生みます。また同時に、恐ろしい真実に挑む勇気を見せるということも、分かりやすく見せています。これが劇中の裁判の意味です。
偽証というのも、樹里というキャラクターが出した嘘の証言が代表ですが、登場人物各々が抱える罪の意識に対する向き合い方自体も、実は偽証に含まれます。元校長の隠蔽、元担任が柏木くんを面倒だと思ってたことそして、その死に安堵してしまったこと、主人公のいじめを見て見ぬ振りしたこと、そして神原くん、各々が罪の意識を抱き、秘密を持っている。
それを暴露し、真実に向き合う場面が、後半には描かれます。中学生だからこそ、描ける未来への決意。とてもいい映画です。
ちなみに、映画と原作の違い。非公開裁判シーンがない。柏木くんの有罪=自分を殺した殺人罪で裁く結末がなくなっている。電気屋のおじさんの一言で神原くんの正体が分かった原作と違い自力で真実に至っている。裁判の証人は大幅に減らされてる。
期待していた程ではなかった
前後編合わせての評価として2.0です。
原作読んでいません。だから純粋に映画としての評価です。
出演者の演技力とお涙頂戴の物語構成で鑑賞直後は感動していました。でも少し興奮から冷めて思い返してみるとこのように感じます。
プラスポイント
・なんといっても出演者の演技。主演の藤野涼子、神原くん役、大出くん役の3人は素晴らしかった。ミドルティーンの役者としては満点。
マイナスポイント
・キャラクターの背景や人格形成の掘り下げが浅いため、行動の動機が理解しづらい。そのため、例えば柏木くんのゲスさばかりが目についた。あれじゃ単にいじめられっ子のカマッテちゃんが相手にされなくてヤケ起こして飛び降りたようにしか見えない。
・演技に騙されがちだが、校内法廷を開くように仕向けた神原くんの動機もかなり中二病っぽい。
・担任の先生をビール瓶で殴りつけた隣の女、なぜ担任の先生を恨んでいたのか分からなかった。前編で何かあったっけ?それにこの先生が殴られてどうこうって、結局最後まで本筋に直接関係ないから必要ないと思うのだが?
・時々、カメラが揺れて見づらい。というか酔いそうになった。保健室のシーンと最後のグラウンドから校門を出るシーン。何らかの演出なのかもしれないが、視聴者を酔わせてどうする?
以上、良い点よりもアラが目立ちすぎです。
素直に感動したい人にはオススメ。
ゔーん
柏木くんって、いじめられっ子だと思ってたけど、同情出来ない。
自分がつらいからって、周りの人、しかも友達を傷つけるなんて、信じられない。
うるっと来てたけど、柏木くんのところでイライラした。
でも、時間がたって、冷静になったら、そこまで追い詰められてたんだと思った。原作にはそこまで書いてあるのかな。。
原作は読まないかな。
前編とのギャップが、、、
まぁまぁな感じ。
前編のクオリティーが高く、期待して後編公開日をまっていただけにチョット残念。
会釈のシーン多すぎっ!
今なら、前編も上映しているので同じ日に前編、後編を観てしまえばしっくりきそう。
裁判の必要はあったのか
※原作未読です。
学級裁判というインパクトだけで中身がまるで無い。いい話風にまとめられているが(それが宮部みゆき的とも言えるが)正直後編の裁判シーンはまるごと不要である。そもそも前後の藤野の赴任エピソードもまったく不要であり、焦点を柏木くんに向けなければこの話は終われないはずである。何故柏木くんはあんなにねじくれまくって不登校にまでなったのか?真犯人は柏木くんであり、裁判に参加していた両親も居たたまれなかったはずである。息子を救えなかったという点で一番絶望すべきも両親であり、そこに神原くんの過去エピソードが影響するのは辻褄が合わない。裁判など取っ払って、後編はいきなり柏木くん視点で描けば衝撃作としてもっと話題になっただろうにと思う。
後半は裁判シーン
前編が裁判に持って行くまでの藤野の苦悩とかなかなか瑞々しい演技でしたが後半は検事としてうってかわって凛々しさを感じさせる大人な演技が印象に残った。裁判シーンが多いので前編のノリで観ると物足りないかもしれないですが、それなりに面白かった。説教くさいとか、どこを観てそう言ってるのかしら?そんな感じはしませんでしたが…そういう人は一度ビデオでも借りて中学生日記でも観てはどうか。
柏木くんが
前編の、偽善者発言の時はそこまでなかったけど、後編のラストの柏木くんときたら、とんだ中二病少年。
神原くん、一緒に死ぬはめにならなくてよかった。
どうしてあんな柏木少年が生まれたのか、公衆電話の残る二箇所の謎は、とか気になるところはあるのですが、原作読めば解けるんでしょうか?
長い映画でしたが、文庫6冊分を思えばすごくまとめられたんじゃないかと思います。
子役の子たちのこれからの活躍も楽しみだし。
ただ、藤野涼子ちゃんがこれからあの名前を背負っていくのはプレッシャーじゃないかと思ってしまうけど。
もう一度最初からみたい
3月1日の前後編一気上映で見ました。
亡くなった柏木の邪悪さの描き方が足りないので、最後に少し違和感を感じるかもしれないが、原作の余分な部分をうまく刈り取り良い映画に仕上げてある。
ただ、津川雅彦の演技が物凄く浮いていて邪魔だった。
ラストまで瞬きもできない展開
『ソロモンの偽証 後編・裁判』を鑑賞。
さて、前編に引き続いて後編の感想である。
後編を鑑賞する方々は当然ながら前編を鑑賞済みで、且つあのあまりにも酷いラストを目の当たりにし、続きが観たくてウズウズしているはずだ。
その事からも前編の伏線を張るだけ張って何も解決せずに中途半端な箇所で切る手法は成功していると言える。
そして、後編では大半が法廷シーンとなる。
相変わらず超駆け足なので、いつの間にか堂々とした生徒たちの法廷での立ち振る舞いには違和感を覚えてしまうものの、検察側と弁護側のやり取りは見応え抜群で、なかなかの緊張感である。
中学生たちが出来る限り自分たちの手で真実を解明しようと裁判を開廷する事を決意する背景には、人々の日頃の行いによる先入観や、表面的な事実のみがクローズアップされる事によって真実が見えなくなってしまうという現実がある。
そのあたりが丁寧に描かれており、事の善悪とは別次元の真実のみを追求しようとする生徒たちの行動にもしっかりと感情移入して楽しむことができる。
図らずも現実において未成年による凶悪事件が発生しており、観客の中にはイジメを題材にした今作と重ねてしまう方もいるのではないか。
そういう意味では何かと自粛する風潮がある中、予定通り公開されている事にまずは拍手を送りたい。
そして前後編通しての感想としては原作既読者であれば端折られている事による違和感は拭えないが、未読であれば間違いなくラストまで瞬きもできない展開に夢中になれる。
上映時間の制限の中でこれだけの作品に仕上がっている事にまずは敬意を払いたい。そんな作品である。
サスペンスでは…
柏木少年の指摘や発言はけっこう支離滅裂な感じで、ただの性格の悪いひねくれ者ですけど、それに翻弄される教師って…同級生はしかたないけど。
事件に関する内容的には、あれ?そんなオチ?って感じ。これをミステリーと呼ぶのは…この映画は中学生の頑張りと成長をみせる作品であって、サスペンスではなかったのですね。
それと、前編後編両方観なければ成り立たない映画なのだから、公開は同時に行うべきだと思います。
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