「全編通してガッカリ。」ソロモンの偽証 後篇・裁判 なおしさんの映画レビュー(感想・評価)
全編通してガッカリ。
批判的な評価です。不快に感じたらすみません。
あまりにガッカリなので。
原作読んでから鑑賞しました。
予告編の出来が良く「完全映画化」というフレーズに胸踊り、オーディションでのキャスティング、前後編という気合いの入り方に期待していました。
まず、前編冒頭から原作と違う設定や描写にガッカリさせられ、「後編になれば良くなるかも」と期待しましたが、やはりダメでした。
これは作品を
「長編ミステリー、エンターテインメント」と取るか
「中学生の成長物語、人間ドラマ」と取るか
の違いだと思うのですが、映画は後者をとっていて、無駄に登場人物を泣かせ、余計なセリフを入れていました。
「子供たちに見せたいのか」「大人に見せたいのか」でも違うと思います。映画は大人に見せたい、大人から見た世界でした。そのせいで全編ひどい違和感。あの原作をどう読んだらそうなるのか??意味が分からない。
あくまでもこれはミステリーであり、その中で登場人物たちを描く必要があると思うのですが、原作を削ってまで見せるほどのセリフも演出もありませんでした。
原作を知らずに観た友人に「あのシーンいる? あのセリフで白けた」とコメントされたのはすべて蛇足のシーンでした。
原作と違っていて一番ひどかったのは「藤野涼子」の人物像です。
「彼女も普通の女子中学生でか弱い」と描いたせいで、ダラダラと余分なシーンとセリフが増え、決然と真実に向かう姿が弱くなった。彼女はイジメを見逃さないし、簡単に泣いたりしない。そうでなければ裁判が成り立たない。なぜそこまでして裁判をしたいのか伝わらない。
その他マイナス理由
本来もう一人の主人公である野田健一が愚鈍な少年になってた。前田航基くんなら向阪行夫にキャスティングすべき。
結局、なぜ柏木卓也が死んだのか良く分からない。人物像も嫌な奴のまま。
大出俊次の悪人像が弱い。ただの親父に怯えるヤンチャな中学生程度でしかない。
松子が車に轢かれるシーンはいらない。
三宅樹里が嘘つきっぱなし。
樹里ママの出番が多い。永作博美使いたいだけ。邪魔。
時代を彷彿とさせる描写がない。バブル期の街並みのカットくらいあって良いはず。
中学生たち一人一人への愛を感じない。それぞれが裁判にかける意気込みが分からない。
裁判シーンが全体的にヘタ。わかりにくい。
雑音やヤジがうるさすぎる。
テンポが悪い。合間に入る音楽の演出もだらける。
キャスティングされた役者さんたち、特に中学生役のみんなは本当にがんばってて素晴らしかったので★2です。
藤野涼子ちゃん、神原くん、柏木くん、井上裁判長なんかはハマりまくってました。
キャスティングが良かっただけに本当に残念です。
共感出来るレビューと思いましたので、いきなりのコメント、ご容赦ください。
樹里ママの出番が多い。永作博美使いたいだけ。邪魔。
これは本当に観てる最中からずっと感じていました。全篇を通して母の愛情を感じさせる描写が多かったのでそこも裏テーマで扱っているのか、監督がマザコン気質なのかなーなんて感じながら観ていました。そして、永作のミスキャストには辟易してしまいました。