「オカッパ他校少年の偽証」ソロモンの偽証 後篇・裁判 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
オカッパ他校少年の偽証
「ソロモンの偽証 後編•裁判」見ました。
結論から言いますと、つまらなくもないが、面白くもない至って普通の映画でした。
ただし、後編への期待を込めた前編と違い、今作のこの全容と終わり方。これでいいの?と思うし、何と言っても「感動巨編」という触れ込みの意味が分からなかった。あのオチじゃ感動なんて出来ないし、あのオカッパ他校少年が嫌な奴に見えてしゃーない。死んだ少年ももちろん良い子ではないが、あのオカッパ他校少年のいわばワガママのおかげで、恐らくは何百人の人が巻き添えを食らった。付き合わされた大出くんが蹴っ飛ばすのも納得だ。要は、オカッパ他校少年は真相を知っていたワケだから。そしてそのワガママに対する落とし前を付けずに、みんな友達になって終わるという茶番。あとはやはり裁判にあんだけの人が集まる理屈が納得できないしねー。特に佐々木蔵之介が放火犯の弁護士を連れてきた理由が、たったの一言ナレーションで片付ける事の不信感は否めない。
そしてこの映画がグダグダになった決定的な理由はこれだと思う。それは、裁判を開く側の子供達がヘラヘラしている事だ。主人公の少女、大出くん、オカッパ他校少年と裁判長は常にキリッとしてるよ。でもその他のガキどもが、なんか時々ヘラヘラしてるんですよ。あくまで子供の飯事だという意図なのかもしれないけど、題材を考えればそれを諭す大人もいないヘラヘラ描写は明らかに不謹慎ですよ。
総じて、まず話が面白くない。二部作にするならもうちょいこちらをワクワクさせて欲しいものだ。原作未見だからなんとも言えないが、この話なら2時間に纏められたとも思う。
僕が考えたアガる構成は、前編は主人公が真相を知るために奔走して、結果「私たちだけで裁判をしようと思うの!」でスパッと終了。尺的に無理があるかもしれないけど、このくらいブチ上げなきゃ話にならない。
後編のアガる構成は、まず大出くん不在で裁判がスタートして、終盤で登場的なね。なんなら親父に引っ張られて登場してほしかったわ。あの超凶暴な親父は結局凶暴なまま終わったし、「息子は人なんか殺さんけぇ!」とか言わせて最後に息子の為を想った行動が一つは見たかったしね。
残念です。
煽りすぎましたね。
もう見ようとは思いません。
若者の周りをベテランの実力派で固めたり、頑張りが見えるところもあっただけに。
「オカッパ・ワガママ・ショウネン」というタイトルでリメイク希望。主役は芦田愛菜、父親役はサミュエル・L・ジャクソンで!