夜に生きる : 特集
最旬ベン・アフレック監督×傑作クライム小説!
アカデミー賞から愛された「アルゴ」から5年
《ポスト・イーストウッド》と称される理由とは?
監督兼俳優として高い評価を集めるベン・アフレックが、アカデミー賞3部門受賞作「アルゴ」以来、5年ぶりにメガホンをとった「夜に生きる」が、5月20日より全国公開。原作は全米で空前のベストセラーを記録した傑作クライム小説。1920年代のアメリカ禁酒法時代を舞台に、エル・ファニング、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナほか豪華実力派俳優共演で描かれる本作は、まさに映画ファン待望の注目作だ。
「イーストウッドの後継者」の呼び名も高い“監督”ベン・アフレック
アカデミー賞作品賞監督が本当に撮りたかった作品!
これほど、次作が待ち望まれていた「監督」がいただろうか。数々の人気作に出演してきた俳優であると同時に、高き才能を監督、脚本家としても発揮し、すでに名監督たちと並ぶ「映画作家」としての風格を持ち合わせるまでとなった、ベン・アフレック。その彼が、アカデミー賞受賞作「アルゴ」から5年を経て、ついに新作を撮り上げた。警察幹部の息子が日の当たる生活を捨て、ギャングの世界でトップへと上り詰めていく姿を描く「夜に生きる」。成功か、破滅か。「アフレックが本当に撮りたかった」作品が、ついに全貌を現す。
正統にして王道。奇をてらわないオーソドックスな作風でありながらも、人間の本質と人生に真正面から向き合い、重厚なカタルシスを描き出す名匠こそが、2度のアカデミー賞監督賞に輝くクリント・イーストウッド。その彼の座を受け継ぐ存在「NEXTイーストウッド」として語られるのが、ベン・アフレックだ。俳優兼監督であり、作風がかもす雰囲気も共通、なによりイーストウッドへの尊敬を惜しまない。そんな彼のあふれる才能が、本作でたっぷり感じ取れるはずだ。
本当にあった奇想天外なCIAによる人質救出作戦を映画化し、全世界の批評家、映画ファンを熱狂させたのが「アルゴ」。アカデミー賞では作品賞、脚色賞、編集賞に輝き、監督としてもプロデューサーとしても最高の栄誉がアフレックにもたらされた。映画ファンにとって次回作が気になる映画監督の筆頭のひとりとなり、その動向が注目され続けてきた男が、ついに5年ぶりにメガホンをとったのが現代ミステリー界で最高峰の作家と称えられるデニス・ルヘインの同名小説を原作とした本作。映画ファンなら「早く見たい」という気持ちが抑えられない、待望の1本に違いない。
「アルゴ」以降も、俳優として精力的に活動してきたアフレック。名匠テレンス・マリックの「トゥ・ザ・ワンダー」や鬼才監督デビッド・フィンチャーの「ゴーン・ガール」で高い演技力を披露したかと思えば、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」ではバットマン役に挑み、「ザ・コンサルタント」では肉弾アクションを見せつけた。どの作品でも主演俳優としての強い存在感を示したが、主演&監督作での存在感は特別だ。本作では、その圧倒的に「特別」なアフレックを堪能できる。
映画ファン垂ぜんタッグ──豪華出演陣×ベストセラー原作×ディカプリオ製作
夜に生きる男と艶めく美女3人の《極上》クライム・エンターテインメント
待望のベン・アフレック監督&主演作であることに加え、共演陣には豪華な顔ぶれがそろい、原作は名作家によるベストセラー、そしてプロデューサーにはレオナルド・ディカプリオが名を連ねていることなど、本作には数々の映画ファン垂ぜんの要素が並ぶ。それは「極上」と呼んでも過言ではない。
「自分自身のルールで生きたい」と決意した男が、イタリア系とアイルランド系のギャングが対立する禁酒法時代のボストンの闇社会でのし上がりつつも、過酷な運命に翻弄される姿を描くのが本作。敵対組織の情婦と、手を組む組織の女幹部という2人の女性との愛の行方にも目が離せない。
ディカプリオが注目し、アフレックが監督作として選んだ原作は、現代ミステリー界最高峰の作家と称されるデニス・ルヘインの同名小説。アメリカ探偵作家クラブが選出するエドガー賞の最優秀賞に輝く、ベストセラー傑作クライム小説だ。ルヘインといえば、クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」や、マーティン・スコセッシ監督の「シャッター アイランド」の原作もそう。名匠たちも愛した至高の物語なのだ。
製作に名を連ねているのは、オスカー俳優としてはもちろん、映画プロデューサーとしても高い評価を得ているレオナルド・ディカプリオ。原作の映画化権を取得し、誰に撮らせるかを考えたときに真っ先に浮かんだのがアフレック。原作本を郵送して、「これを映画化してみないか?」とアフレックを口説いたという。
舞台となる20年代の禁酒法時代は、暴力にあふれたギャングの時代であると同時に、カルチャーが新しい時代を迎え、ファッションが最高に豪華だった時代でもある。アメリカの狂騒時代を完璧に再現するための監督のこだわりがさく裂。3度のアカデミー賞に輝く撮影監督ロバート・リチャードソンを筆頭に、「トゥルー・グリット」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でノミネート経験を持つ美術、衣装スタッフが集結している。
「ギャング映画」と聞くだけで、ウズウズとしてしまう映画ファンも多いはず。サスペンスとバイオレンス、さらには愛や友情が描かれるジャンルだけに、傑作ぞろいだ。スコセッシ監督にオスカーをもらたらした「ディパーデッド」、実在した伝説のギャングたちをジョニー・デップが演じ切った「パブリック・エネミーズ」「ブラック・スキャンダル」も記憶に新しいところ。本作もまた、傑作クライム・ドラマに連なる注目作だ。
フリーライター・マフィア梶田が見た──今、本作が俺たちの心に突き刺さる理由
そして、ハズレなしのベン・アフレック作品に映画業界から高評価の声!
ライターやラジオDJとして活躍するほか、イベントMC、俳優業にも進出するなど、多方面で注目を集めるマフィア梶田。一番好きな映画として「ゴッドファーザー」を挙げ、何よりもペンネームに“マフィア”を冠するほど同ジャンルへの思い入れが強い彼が、本作を鑑賞。映画ファンに向けて、マフィア映画の異色作を強くレコメンドした。