白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
全172件中、1~20件目を表示
一周回って「邦題絶賛論」
確かにオレも、これまでのレビューの中にも邦題について、いろいろ言ってきたことはある。
原題「In the Heart of the Sea」
直訳すると、「海の中心で」あるいはもっと意訳すると「心の奥底にて」
結論から言うと、この映画のテーマは
「変わることの勇気」
心の奥底に自分のこだわってきたこと、しがらみ。
主人公チェイスは海の男であることに誇りと自信、こだわりを持っていた。船長ポラードは名家の出故、その立場を守ろうとしていた。
そんな二人が、大海原で自分たちのそれぞれの主張を通そうとし、船内の関係が崩れつつも、仕事をきっちりとこなす。そんな彼らがさらなる野望を遂げるため、噂のクジラの大群、そして「白鯨」を狙うため、初めて一致団結する。
しかし、圧倒的な存在の白鯨は、彼らをいとも簡単に蹴散らす。その白鯨に対し、チェイスは「オレの獲物だ」と海の男にこだわり、あっけなく逆襲に会い、船員全員を窮地に追い込んでしまう。
これ以降の話は省略するが、2度目のチャンスに彼が白鯨に攻撃しなかったのは、
「攻撃しても負ける」「攻撃する意味がない」
→
「勝っても意味がない」
クジラ狩りの名手であることのこだわりを棄てた瞬間である。圧倒的絶望的な極地で、自身の本当の「心」を知ったことで、それを背負っていくことを決めたのである。
「変わることの勇気」
拾った命、その心にしたがって生きることこそ、「変わることの勇気」。それこそポラードが聴聞会にて、その立場を差し置いて真実を語った理由だ。
(とはいっても、チェイスについては、ほぼほぼラストの、Wake up! Wake up!には、「タイタニック」かよと、思わず数少ない笑いどころ、いや笑っちゃいけないシーンだが。でもあそこで死んでしまうとテーマが飛ぶ)
そして後年のニカーソン。こちらも真実を語ることで、ようやく彼の闇が晴れる。
(まあ、正直こういう告白式、というか「ライフ・オブ・パイ」式にしたのは減点だと思うけどね)
・・・
邦題「白鯨との戦い」
「白鯨」は「変わらない、変われない」オレたちを圧倒的絶望の中にて「変わること」の必要性を教えてくれている。
だから「白鯨」との「闘い」でなければならないのだ。
エネルギーも変わる。
時代も変わる。
邦題批判が的外れなお前も変われ。
マジ、いい邦題だ。本作を良く理解して考えられてる。
また劇画調のポスターにもあってる。まあ、映画のテーマからすると、あちらの、チェイスが一人モリをもって向かっているほうが合っているかもしれないけどね。
追記
時間の推移がめちゃくちゃ早いので、あっという間に激ヤセしたりして、ダイジェスト感が出てしまい、そのぶん損をしているし、それに対して、テーマがはっきり浮き上がってくるのは本当にラストぎりぎりまでなので、前半のキャラクター紹介がもたもたしすぎているところが痛い。
追記2
クリス・ヘムズワース。
メル・ギブソンとカート・ラッセルの真ん中あたりを行ってほしい。
危険に飛び込むことは勇気か?
白鯨をはじめ、映像の迫力が素晴らかったです。
ただストーリー的にはあまり共感できない。
危険に飛び込むことを勇気とは思わない。ビジネスなのだから、上に立つものは部下の安全を配慮する義務がある。
出演者は豪華
2024年6月20日
映画 #白鯨との闘い (2015年)鑑賞
白鯨のネタ元としても知られる19世紀に起きた捕鯨船エセックス号を巡る悲劇の実話
作家が30年前にある捕鯨船を襲った悲劇を取材すべく、最後の生き残りを訪ねる
ヒカリゴケの元ネタ?
いろいろ怖いお話でした。
白鯨に負けたのは船が小さかったからか。
もっと大きな船なら大丈夫だったか。
現代の船舶設備なら捕獲もできたか。
海に生きる男、カッコ良さそうで、
死と隣り合わせの仕事である。
荒くれ男たちが、いとも簡単に海に投げ出される。
助かるか海の藻屑か。
日本以外にも捕鯨する国があった驚き。
鯨油目的らしい。
出航する前に船主との契約書。
差別偏見的な船主との場も。
とにかくデカ過ぎるヤツでした。
荒くれ男たちが海に投げ出された近くで、
ヤツの尾鰭が水面を打つかのように
大きく海面上に現れた時の巨大さ。
あれ観ているだけで、心配停止になりそう😱
ワザとつけ回し船の下に潜り込み、って
何考えているのだろう?
仕返しか?恨みがあるのか?
人間は、船を破壊されボートに荷物を移し
漂流していきますが、
食べ物も限られ、その行き着くところは⁉️
アンデス山脈の墜落事故と同じようなことに
なりました。
先に逝く者は‥‥。
残った者が生きていく為には‥‥。
自分だったらどうなのか、責める権利なんて無い。
船にも飛行機にも乗らずに過ごすべきか。
また修正するかも、です。
観ていても苦悩する展開
クリスヘムズワース扮するエセックス号一等航海士オーウェンチェイスはベテランゆえ船長になれると思っていたが家柄で外され新米船長の下で不満だった。
捕鯨に誇りを持つ者や捕鯨しか出来ない者たちの物語。遅れを取り戻そうとする船長の強行策とぶつかるオーウェン。目的は鯨油。厳しい世界だ。鯨の体内に入って鯨油を取るなんて凄いね。
鯨の群れに遭遇し船ごとひっくり返された怪物がいた。恐ろしいまでの力だね。犠牲者も多くまさに命がけの仕事だ。観ていても苦悩する展開だったね。
白鯨との闘いとその後のサバイバル
前半は白鯨との闘いで後半は漂流するサバイバル。特に後半、船員達が衰弱していく姿には目を背けたくなります。チェイス一等航海士、ポラード船長、マシュー二等航海士とトーマスの人間模様をロン・ハワード監督が丁寧に描いています。
クリスヘムズワース~
先月、キャビンとホースソルジャーを観たので、クリスヘムズワースさんが出演しているのを探していたら、こちらがヒット。
オッペンハイマーのキリアンさんも出演されていたので、ちょっと期待。
最初はちょっと面白くないかもと思ったけれど、中盤から引き込まれました。
それにしても、あんなに小さな船で捕鯨をしていたなんて、信じられない。
エセックス号は白い鯨に破壊された
海の遭難物はもうどうしようもなく逃げられない状況で嫌いなんだけども見たんだけども、やっぱり海は広いなぁ怖ーいなぁだった。
おおよその話は知っているから余計にあーあーで、それでも海に生きていくその後は何でだ?だけど
迫力あり
クリス・ヘムズワースの大ファンです(笑)
2度目の鑑賞
インタビューに合わせて回想シーンを映像として成立させる方法はありがちだが、実話なだけに真実味を持たせるには有効なのだと思う。ただ、ずっとトラウマとして苦しみ続け、妻にも語らなかった内容を語る迄の葛藤が薄かった事がスッキリしない。
2度目の鑑賞で、ようやくそのモヤモヤに気付いた(笑)
けど、いいんです、面白ければ
いいんです、クリス・ヘムズワースがかっこいいから(笑)
グリーンピースの関係者たちが見たら卒倒しそうな、そんな迫力満点の映画でした
導入部は静かで退屈なシーンが多くて「ちょっと選択ミスをしたかなぁ…」と思いました。
ところが30分を過ぎたあたりから、巨大な船を操舵して嵐の海に立ち向かったり、大迫力の捕鯨のシーンが続きます。
「イヤッホーイ!エンタメバンザーイ!╰(*´︶`*)╯」ですよ!
鯨を狩って解体するシーンなんて、グリーンピースの関係者が観たら、マジ卒倒しそう。
ある意味スプラッターかも。
海棲哺乳類が好きな人は、最初の方は鑑賞を控えた方がよさそう。
そこまで酷くはないんですけれどね。
それだけじゃないんですけれどね。鯨の群れが悠々と泳いでいるシーンなんて、とても美しくて見惚れちゃいましたからね。
海と空の描写も、とても美しいの。
てか、鯨油なんてものがあったのですね。それを得るために捕鯨をしていたのですね。←無学…
ちょいと調べてみると、かつての欧米では、鯨油を取る“だけ”のために鯨を乱獲していた歴史があったそうで。
おいおい!お肉は言うに及ばず、皮まで美味しくいただいていた日本人を見習え!ですよ。
(ちなみに私の大好物は鯨の竜田揚げです。かつての学校給食バンザーイ!ですよ。)
そんな粗末かつ、酷い扱いをしておいて、今さら賢い鯨さんがどーだのこーだの偉そうな御託並べるなし!ですよ。
ついでにもう少し調べてみました。
石油や植物性油が大量に生産されるようになって、鯨油の価値が暴落してしまったために、捕鯨存続の意味がなくなってしまったなどと、記されておりました。(いつもながらwiki先生ありがとうございます)
なんとかピースの連中、母国の手前勝手な理屈の黒歴史マジひでぇ!
あっ、またいつもの悪い癖。
とっととレビューに戻りますね。
巨大な白鯨が登場してきてからは『メガシャーク』ならぬ『メガホエール』の様相を呈してきたの。
王道ド迫力海洋パニック物の本性を露わにしてきたの。めっちゃスリリングなシーンの畳みかけで。
でもね、ちょっと「えっ?」ってなったのがね、鯨さんって、あんなに執拗で獰猛な生き物だったっけ?みたいな。←なにしろ無学ですからね…
ほんっと無慈悲なのね、巨鯨さんが。
そんな巨鯨に襲われて船を失った、航海パートの主人公たちが、飲まず食わずで漂流するボートの中で極限状態に堕ちいっちゃうわけです。
メインのお話は、こちら。
最初に船員の一人が死んだ時に「船乗りは、生き延びるためには“役立つ物”を捨てたりはしない」って!
その後は恐ろしいことに、生き延びるためとはいえ、くじ引きでカニバリズムまで行われちゃうの!
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
ハズレ引いちゃうと、今度は自分が食材になっちゃうです。
( ̄□ ̄;)!!ナント!
その直接的な描写シーンはないものの、回想のお話の中で恐々と語られてるの。
内蔵を取り除いただとか、腕や足を切り離しただとか、肉を骨からそぎ落としただとか、心臓を食べただとか。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
食べた後は傷口を縫い直して海に葬ったとか。
食べた後はスタッフが丁寧に弔いました。的な?
約三ヵ月にも及ぶ漂流で、飢えと渇きで干からびて骨と皮だけのようになってしまった描写は、特殊メイクのお仕事なのかな?それともCG?いずれにせよ鬼気迫るものがありました。
特典映像を観ると、船のセットの背景にブルーバックが設置されていたので、きっとCG処理だったのでしょうね。
いっそのこと、カニバリズムの描写を映像化したスプラッタームービーに仕上げるのもよかったかもね。
でも本作は、狂言回し的ポジションの小説家が「白鯨」を書き上げるまでに至った、文学的な物語ですからね。
特典映像で制作に携わってきた人たちのインタビューでは、私の薄っすい感想じゃないところからの視点ではなかったですよ…当然。(笑)
漂流の果てに再び現れた巨鯨を、主人公が仕留めなかったのは、自らが死線をくぐりぬけてきたからこそ、命の尊さに目覚めたから?『ブレラン』のバティみたいな?
それとも同じ海で生きる者としての畏敬の念の現れだったのかな?
いずれにせよ、白鯨との闘いはそんなに大きなパートを占めていなかったので、原作小説のタイトル『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』の方がピンとくるかなぁ。
ちなみに『白鯨』は、ラストを薄ぼんやりと覚えている程度なので、おそらく小学生低学年あたりにテレビで観たと思います。
そのラストは鬼気迫る、かつ悲壮的な終わり方だったので、大変怖い映画だったと記憶しています。
機会があれば、ぜひもう一度観てみたいです。
小説「白鯨」の基になった実話を映画化したもの。 白鯨との闘いは前半...
小説「白鯨」の基になった実話を映画化したもの。
白鯨との闘いは前半までで後半は漂流が主。
邦題にだまされた感はあるけれど、自然の大きさと人間性などが垣間見れて、そういう部分があったことは良かったと思います。
白鯨との死闘もさることながら、漂流してからの方が過酷を極めた印象。...
白鯨との死闘もさることながら、漂流してからの方が過酷を極めた印象。
方角も分からずに波に流され、ようやく陸地にたどり着いたと思ったら絶海の無人島であった。
そこからさらに漂流するも水と食料が足りない。
仲間の死体を食べ、ついにはくじ引きで犠牲者を選んで食料とする。
そんな極限状況にあっても一等航海士は最後まですばらしかった。
最初は典型的な無能上司だった船長が次第に立派な人間になっていく過程も見ものだ。
メルヴィル作『白鯨』〜メイキングもの
以前、メルヴィルの冗長な『白鯨』を頑張って読みましたが、退屈だという前評判に反して結構モービー・ディックの世界に呑み込まれました。頭の中で船員たちの表情や振る舞い、船上の臭い、捕鯨の様子などなど、想像力を膨らませて読了しました。
本作品はその答え合わせ的なものになりました。
いやぁー、迫力がありました。
やつがれの想像力を遥かに越える壮大なイメージに圧倒されました。メルヴィルがイメージしていた(であろう)世界観に2時間浸ることが出来ました。もちろん『白鯨』そのものの映画化ではありませんから、登場する船員たちも必ずしも重なりません。航海路も違います。ただあの世界観がよく伝わります。
21世紀に作成されただけあって、どうしても「クジラは守ろう」的なサブリミナル・メッセージがムンムンしますが、その辺りは個人の好みで共感するなり、流すなりしたら良い。
あとは武田泰淳の『ひかりごけ』が引っ提げた重苦しいテーマをサイド・ディッシュみたいに扱ってるのが少々不服ですが、そもそもメルヴィルが触れていないところですから、文句を言うのは筋違いかもしれません。
本作品、大変だけどメルヴィル『白鯨』を読了してから観ると10倍頷けるかも、です。
〜ネタバレ(?)〜
本作品の最後のシーンに、あの有名な『白鯨』の第一文が綴られます。
"Call me Ishmael."
動物愛護団体が推奨すべき映画だと思う。 でも、途中からクジラどうで...
動物愛護団体が推奨すべき映画だと思う。
でも、途中からクジラどうでもよくなっちゃうね。
おじいちゃんも、クジラとの闘いより、アレを食べちゃったことのほうがトラウマになってるみたいだし。
全172件中、1~20件目を表示