ソウォン 願い

劇場公開日:

ソウォン 願い

解説・あらすじ

幼女暴行事件の被害者家族の苦悩と再生を、韓国で実際に起きた事件を題材に描いたドラマ。「王の男」のイ・ジュンイクが監督を務め、性犯罪の被害にあった少女とその家族が、絶望の淵に立たされながらも希望を見出していく姿を描く。両親と幸せに暮らしていた8歳の少女ソウォンは、ある雨の朝、酒に酔った男に暴行されてしまう。ソウォンは身体と心に一生消えない傷を負い、追い打ちをかけるように病院にはマスコミが殺到、さらに犯人逮捕のために彼女の証言が必要となる。両親は愛する娘を守るべく奔走するが、ある出来事をきっかけに、ソウォンが父親に犯人の記憶を重ねておびえるようになり……。「シルミド」のソル・ギョングと「美しき野獣」のオム・ジウォンが両親役を演じた。監督は「王の男」のイ・ジュンイク。

2013年製作/123分/G/韓国
原題または英題:Hope
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2014年8月9日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9

(C)2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

映画レビュー

4.0【”望み”被害者及びその家族の人権と、愚かしき加害者の人権の在り方を考えさせられる作品。男である自分を怖がる娘に、汗だくで着ぐるみを着て近づく父の姿には涙が込み上げる作品でもある。】

2025年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

幸せ

■雨が激しく降る日の朝、8歳の少女・ソウォン(イ・レ)は酒に酔った男に暴行され、心と身体に多大な傷を受けてしまう。
 父のドンフン(ソル・ギュング)、母のミヒ(オム・ジウォン)は、マスコミの目から娘を守ろうと必死になる。
 だがソウォンは、深い心の傷を負い、ドンフンに懐かなくなる。彼は娘の日記を読み、彼女が好きなソーセージのキャラクター、”ココモン”の着ぐるみを着て、汗だくになりながら娘の姿を電信柱の陰から見守る。
 一方、心神耗弱を言い出した愚劣だが、知恵のある犯人の有罪を立証するため、ソウォン自身の証言が必要となる。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・序盤は観て来て、きつすぎるし、哀しすぎる。そして、私には娘がいるので、自分がソウォンの父だったら、どんな手を使ってでも犯人を殺しに行くだろうなと思う。それは何の解決にもならない事は十分承知の上で。

・今作が優れているのは、その後である。娘が同様に乱暴され16歳で命を絶ち、自身も車で川に飛び込み、足が不自由になった女性心理療法士(名優、キム・ヘスク)が冷静にソウォン、父のドンフン、特に母のミヒへ接する方が素晴らしいのである。そして思うのである。この女性は、地獄をみたからこそ、強い人間になったのだと。

・ご存じのようにドンフンを演じた名優ソル・ギュングは、出演作品を吟味し、場合によっては大幅な体形改造をする方であるが、今作でも少しぽっちゃり形で登場する。
 そんな彼が娘とのコミュニケーションを取るために、彼女が好きなソーセージのキャラクター”ココモン”の着ぐるみを着て、汗だくになりながら娘の姿を電信柱の陰から見守る、ちょっと可笑しくも泣ける姿。
 そして、ソウォンに漸く近づいた時に彼女が優しい表情で言った言葉。
 ”お父さんでしょ。”
 汗だくで、涙を浮かべてその言葉を聴くドンフン。このシーンは、涙が零れたよ。

■再審請求をした犯人出席の、裁判シーン。カーテンで覆われた席で再び犯人の写真を見た時に頷くソウォン。
 この映画が、設定として上手いのは、このシーンの前に犯人とドンフンが面着するシーンを入れた事である。そこで、犯人は無表情に”生意気な奴だな。娘と同じだ。”とほざくのである。観る側は、犯人が泥酔していても理性が在った事が分かるのである。
 私は、法を少し学んだものであるが、そして”疑わしきは被告人の利益を。”という刑事訴訟法の鉄則を叩き込まれたモノだが、犯人が狡賢い場合と、被告側弁護人が心神耗弱を申し立てた時の量刑が甘すぎると思っている。今作でもそうである。
 近年の量刑は”被害者及びその家族の人権”に可なり配慮する流れになっているが、今作での量刑は甘すぎると思う。事実だから仕方がないが、犯人はソウォンが成人になった時に出所してくるからである。

・だが、今作の救いはソウォンが退院した時に、家のガラス窓一杯に貼られた励ましの絵や、ドンフンを雇う工場長(キム・サンホ)やその妻(ラ・ミラン)の姿や、ソウォンの級友の男の子たちが、彼女を守るが如く、登下校の際に少し離れた後ろを歩く姿である。
 この作品のラスト、母のミヒは無事に子を産むがその子の名前は、ソマン(望み)なのである。

<今作は、被害者及びその家族の人権と、愚かしき加害者の人権の在り方を考えさせられる作品であり、且つ、男である自分を怖がる娘に、汗だくで娘の好きなキャラクターの着ぐるみを着て近づく父の姿には涙が込み上げる作品でもある。>

コメントする (0件)
共感した! 2件)
NOBU

5.0超号泣韓国映画

2022年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

芦田愛菜ちゃん似のかわいい女の子が主人公。
お約束のように韓国の子供たちの演技はあいかわらず素晴らしい。

平凡なファミリー映画かなと思ってみていたら急展開。
その後は、号泣、号泣の連続。レビューを書いてる今も涙が・・・・。

主人公を囲む人々の温かさが素晴らしい。
母親同士の涙と笑いの友情や、工場長の男気、そしてどちらかというといつも良い役で出ているキム・ヘスクが怪しげな心理療法士で出ているが物語が進むにつれていい人に。

なんと言っても法廷でソウォンちゃんがお父さんが班員に殴りかけようとしたときに脚にしがみついて止めたとき。
大号泣。これで終わりかと思ったら号泣は続き、最後は着ぐるみの正体がばれたとき。

ソウォンの周りの人が子供たちも含めてみんないい人で良かったから見終わった後、正直、泣き疲れてぐっすり眠れた。

見終わってから実際にあった事件が題材ということで驚いた。
どうか、ソウォンちゃんが幸せな人生を送って欲しいと切に願う。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
♪エルトン シン

4.0非道な事件

2020年12月31日
PCから投稿

先般(2020/12)、この映画のもとになった事件の犯人が12年の刑期を終えて出所すると報道され、韓国社会にふたたび脅威をもたらしていた。

個人的な感慨だが、ペドフィリアのような者をなぜ生かしておくんだろう──と、よく思う。

世の中には生きていなくていいサイコパスがいて、そんなやつに権利なんていらないし、しねばいいのである。

わたしは犯罪者の人権に与しないし、それが特殊な意見──とりわけHarshだったり、処罰感情が高い、とは全くおもわない。死刑廃止に賛成している奴ってアタマおかしいんじゃなかろうか。

先日、死刑判決がでた座間の件で、男は執行までに結婚を希望している──とのことだった。世のなかには物好きがいる。いすぎる。
巷間には、結婚したくてもできない男がおおぜいいるが、9人ころしたサイコパスは、おそらく絞首台に立つまえに成婚するだろう。

なんにんも焼きころした京アニの犯人は世界に類例のない最先鋭の火傷治療をうけ、万全の医療設備/体制に置かれて治癒を待っている。

ざっぱくな感慨として、社会というところが、むしろ、犯罪者にやさしいことを、しばしば感じてしまう──ことがある。

新型コロナウィルス禍下にあるせいで、犯罪のニュースが、平時いじょうに、心に沈殿するようになっている。から、だとは思うが・・・。

主演のイレは2006年生まれ。
2020年現在14歳だが、子役からなので、既に業界に長く、なんらかのドラマでも見た記憶がある。
映画で見たのは犬どろぼう完全計画とこれだった。
未見だが新感染の二作目にも出ているようだ。peninsulaと命名されたそれは世評などを見るとコケているようだがイレが出ているなら見たい──と思った。

演技がじょうずなひとである。
韓国の子役はみな泣くのがうまいが、イレも泣かすと、ほんとにしか見えない。
韓国はドラマなどにおいて、子役にもガッツリと容赦なく泣かせる。
日本のドラマで、韓国のドラマのような子役が号泣する愁嘆場をやったら、児童虐待だと騒ぎ出す良識派文化人が、しゃしゃり出てくる──のではなかろうか。
イレはそれほど真に迫る演技をする。

また顔がいい。
きっと韓国~アジア圏で周知の代表的子役だと思われるが、オルチャンと呼ばれるタイプでもなく、業界っぽさもない。賢さとあどけなさが同意した、いい顔をしている。

なにより明瞭なアジア度がある。アジア人が美人化をはかる──ばあい、それはイコール、アジア度の払拭である。鼻梁を高くして、鼻翼をせまくして、眼窩をひっこめて、ふたえにして、えらをとって、ほお骨をひくくして、・・・。

が、ハリウッドではアジア的な顔立ちの俳優が生き延びる。たとえば、さいきんだと、いろんなところでBenedict Wongというモンゴルの相撲取りみたいな見た目の俳優を見る。Dr.ストレンジの隣にいるひとだ。やっぱ顔がいいから選ばれている。イレにもそんな魅惑のアジアがある。

ただ海外進出するなら、英語表記でRe LeeまたはLee Reってのは、改名の余地があるかもしれない・・・。

映画のもとになった事件は韓国を震撼させた非道なものだった。
wikiに以下のように書いてある。

『ドゥスンは性器を露出し、洗うように要求したが拒否されると頭部を殴るなどし、ナヨンが泣き出すと首を絞めて気絶させた。ドゥスンはアナルセックスなどで射精した後、発覚を恐れて便器で使う器具をナヨンの肛門に入れて精子を吸い取ったため、脱腸するなどして内臓が壊死した。また頭部なども水道水で洗ったため、視力低下と鼻腔炎、内耳炎を引き起こし、ドゥスンは水道水を流しっぱなしにしたままナヨンを放置し立ち去った。ナヨンは鼻骨骨折など最小でも全治8週間の怪我と、肛門と膣の80%を失うなどの身体障害を負った。』(ウィキペディア「ナヨン事件」より)

事件後、12年という軽い量刑についても紛糾したようだ。
韓国では性犯罪者がGPSアンクレットを付ける法律があり、導入後には再犯率が大幅に減ったという。
ナヨン事件の犯人においても2020年12月の釈放後も、GPS位置確認をふくめた厳しい監視体制が布かれる──とのことだが、被害者家族は、犯人の出所を恐怖しており、引っ越ししたいがお金がない、と韓国のニュースが言っていた。

お涙頂戴におとしてしまうわけでもなく、抑制をもって映画をまとめているのはさすがだが、事件の非道さで気が散ってしまい、冷静な映画判定ができなかった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
津次郎

5.0かなり良かった

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

難しい

幸せ

実際の事件を基に制作されたと聞いたので鑑賞。

とにかく、娘を想うお父さんの気持ちがひしひしと伝わってきて涙が止まりませんでした。
娘を守りたい、娘に何かできることはないか、でもどうすればいいのか分からない。

最後は感動の涙に変わりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ひよこ