大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

劇場公開日:

大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

解説

カトリック教会の中でも特に戒律が厳しいカルトジオ会に属するフランスの男子修道院、グランド・シャルトルーズの内部を、初めて詳細にとらえたドキュメンタリー。ドイツ人監督フィリップ・グレーニングが1984年に撮影を申請、それから16年の歳月を経て許可がおり、音楽・ナレーション・照明なしという条件のもと、監督ひとりだけが中に入ることを許された。監督はカメラを手に6カ月間を修道院で過ごし、俗世間から隔絶された孤独な世界で決められた生活を送りつづける修道士たちの姿を、四季の移ろいとともに映しだしていく。2006年サンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞した。

2005年製作/169分/フランス・スイス・ドイツ合作
原題または英題:Die grosse Stille
配給:ミモザフィルムズ
劇場公開日:2014年7月12日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5眠い!

2023年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

でも寝て起きても別にわからないことがあるわけではない。もう一度見ればいいがたぶんまた寝落ちる。でも見ていて気持ちが安らぐ。

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mikyo

4.0毎日が今なのだ

2022年1月24日
iPhoneアプリから投稿

変わらぬ日々に
時は止まり

降り積もる雪に
音は消え

生きている毎日が今なのだ

その生活には美しさがあり
見る者は己を嘆き困惑するかもしれない

ただ毎日が美しく流れて行き
来年も10年後も100年後も変わらずずっとそこにあるだろう

明日は晴れたらいいなと私は思うのだ

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カルヴェロ

4.0後味の濃い作品

2021年8月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

寝られる

印象に残る映画って、後から後からゆっくりじんわり来る。本作もそういう種類の作品。

もっとも厳しいといわれるグランド・シャルトルーズ修道院での修道士たちの静かな生活を撮ったドキュメンタリー。
静寂で素朴な日常になぜか懐かしさを感じた。
季節が変わっても 同じように繰り返される祈りの毎日。
同じような毎日の映像のリフレインを観るうちに、私もこの繰り返す祈りや季節の中にゆっくりゆっくり取り込まれるような感覚。
聖書のフレーズも、同じ言葉が何度も出てきて強調される。
不思議な体験だった。

修道士たちは想像していた以上にごく普通の男たちだった。
スキーもするし、ごはんも食べるし、薪割りも最初は下手だし。
ただ、圧倒的に祈りの時間、神との対話の時間が長い。
祈りの間、何を考えているんだろうか とかいろいろ思いを巡らせながら観察していた。
この修行スタイル、仏教の禅にも通じる。

静かと言っても、生活音もあり物音はするし外の音も聞こえるし、静寂の中で響く生活音は、私の耳には割とうるさく感じた。

印象的だったこと
●礼拝堂の天井がものすごく高く、祈りの声の心地よい響きが気持ちよくてトランスしそう。
本作に備えてたっぷり寝たにも関わらず仕事終わりの疲れて集中力も切れた頭ではあちら側につれて行かれることもしばしば。。
でもそれも心地よかった。笑

●週に一度の休息日・会話が許される日の修道士たちの会話の中での「我々は象徴なのだ」という言葉。
自分と神との会話(祈り)を続けるだけの毎日で、最終的にも信者たちに神の道を説くわけでもない彼ら。
意地悪な見方では、何のために?何の役に立つ?何の意味がある?と問いたくなるけど
彼らは神の存在を心から信じ、尊び、自らは信者を統率するための象徴であることを自覚し、求められる通りにふるまう。
その姿勢やありかたが日本における天皇のそれとも重なった。

●盲目の修道士が語る「神」
神は限りなく善。
すべての出来事は人々をよりよく導くために起こる。
私が盲目に生まれついたのも私の魂をよきものにするため。

神とは究極に自己肯定してくれる存在?
日本人の宗教観とは異なる「神」という存在についても考えさせられる

うとうとしすぎたので、せっかくなのにもったいない気がして、、鑑賞直後は仕事で疲れた頭で見る映画じゃなかったかな、と後悔したけど
今思い返してみると気持ちのよい体験だったような気もする。

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sannemusa

5.0修行を終えた様な気分になる、ドキュメンタリーを観ました。 私の愛し...

2018年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

修行を終えた様な気分になる、ドキュメンタリーを観ました。
私の愛して止まない、リキュール(シャリュトリューズ)の生みの親である修道院のドキュメンタリー「大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(Die Grosse Stille)」
構想から21年もの歳月を費やして、制作されたというこの作品、(申し入れから16年後に返事が来て、準備、撮影、編集合わせて21年)最近多く見られるナレーションが無いだけではなく、音楽もない。最も厳格と言われている修道院をあるがままに撮影したドキュメンタリー。
最近、作り手のガイドが無く、観客が感じ取るドキュメンタリーが多く見られますが、この修道院、私語が許されない場所だけに、セリフも無い。生活音とグレオリウス聖歌以外は静寂の中、淡々と日々が流れてゆく様、観客はまさにその場所に生活している様な、共に祈りを捧げている様な感覚に陥るのです。
フランスアルプス山脈の断崖絶壁の端の様な、辺鄙な場所に立ち、世間との関わりが一切立たれているこの修道院、どんな世界が中で繰り広げられてるのだろう?俗世間に生きる私達は、覗き見したい欲求にかられるのではないでしょうか?
学生時代、通学路に療養所と呼ばれる、鉄格子の付いた窓のある建物があったのですが、遠く見るその窓に写る人影に、中の世界が気になって気になってしょうがなかった、そんな事を思い出します。
1084年設立以来の内部公開、なんて触れ込みも、ますます覗き見欲が駆り立てられます。
確かにこの修道院の一日は、ゆったりした映像とは裏腹に、ストイックな祈りと共に流れていて、睡眠時間は3〜4時間が2回以外は、ほとんどの時間は房と呼ばれる、個室にて1人の祈りの時間になっているのです。
修道士を辞めるのも自由、修道院が辞めさせるのも自由、選ばれし人だけが過ごすこの場所は、無駄が無く、美しく研ぎ澄まされているのです。
観るだけで、清く正しく美しい気分になる、俗世界の私達にフッと、爽やかな風を吹きかけてくれる作品です。

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パプリカ