劇場公開日 2014年4月19日

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チョコレートドーナツのレビュー・感想・評価

全240件中、1~20件目を表示

5.0すばらしい

2025年9月23日
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鑑賞方法:VOD

アラン・カミングの色気と母性あふれる微笑みが素晴らしい。
1970年代のゲイ差別にはもはや驚きを感じる世の中になったことが感慨深い。
ラストはアランの歌声に号泣してしまい、
締めくくりの「私達はいつか解き放たれる」という歌詞に納得。

きっとまだまだ現代でも差別は残っているのでしょうが、
時代は着実に変わり、人々の「普通」は昔とは明らかに違う。
こうやって世の中と戦ってきた人々の歴史と歩みの上に私たちが生きていること、
そしてこの先のより良い普通をわたしたち自身が作っていかなければいけないとしみじみ感じる作品でした。

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ぞの

4.5人類は少しずつではあるが成長している

2025年9月5日
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鑑賞方法:VOD

1970年代の実話に基づく話。まだまだ問題はある現代だけど、昔に比べたら暮らしやすい世の中になったんだよなー、人類って少しずつだけど成長しているなと、あらためて感じた作品でした。

自分の部屋をもてた時の、ダウン症の少年マルコの嬉し泣きには私も涙が溢れてきた。2人との生活で生きることの楽しさを知ることができたマルコ。

オープニングの寂しそうな少年の後ろ姿の理由が最後に明らかになる。突きつけられた現実に深い悲しみに襲われました。歌手を目指すゲイ役の主演の方のお芝居が素晴らしかったです。

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TOMO

4.0ラストに涙

2025年9月4日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

あらすじをみて興味がわく
高評価だし
きっとこんな感じで話が進むとか思っていたけど
ラストで涙
最後の歌声もぐっときた

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きなこ

5.0救いの手を差し伸べられるか?

2025年8月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

本当にきつい現実がここにはあって、誰が悪いとかそういう話じゃないような気もして、、、
時代が追いついてなかったような気がする。

同性愛者のカップルが薬物中毒者の息子に愛を注ぐ話です。映画にハッピーエンドを求めてしまうが故にバスタオル一枚ぐらい必要な量の涙が出ます。

誰かを助けてあげられるような心に余裕を持っていたら、助けてあげられなくても認める言葉をかけてあげていたら報われたかもしれない。
もっともっと寄り添ってほしかった!!!
やるせ無い気持ちがどんどん溢れてきます。
ルールは大事だけどそれが全てではないと思うのに譲れない気持ちを持つ人はたくさんいますよね、、
でもその気持ちもわかる気がするし、、
んー、、、とにかくみんなに観てほしい!

人生で一度は観ておいて損はない作品だと心から思いますので是非観てみてください!

(もし心無い表現をしていたらすみません💦映画の内容にを完結にまとめるのは難しいですね、、)

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ずち

4.0お涙頂戴と侮るなかれ

2025年6月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

癒される

年のせいか涙腺が緩んで困る(笑)。

本作は、ヤク中の母親が逮捕されて天涯孤独の身になってしまったダウン症の少年と、たまたまアパートの隣に住んでいたという縁で彼を仕方なく引き取ることになった中年のゲイカップルの間に本当の家族のような愛情が芽生えるのだが周囲は理解してくれず…という物語である。

これが泣かずにおられようか。涙腺決壊である(笑)。



特にダウン症の少年マルコが涙を誘う。

マルコのポツンと寂しそうな背中が映るたびに涙腺が刺激されるのだけれど、物語もさることながらマルコ役を演じたダウン症の少年が撮影現場という緊張を強いられる場所で頑張って演技をしたことを想像してウルウルしてしまうのである。



ある意味ちょっとあざとい映画だとも言える。
ベースとなる実話はあるのだけれど、あくまでベースであって、少年の監護権を巡る裁判沙汰や、ラストに少年の身に起こる事件などは全て創作である。



物語のかなりの部分が創作だからといってこの作品の価値が減じるわけではないけれど、人によっては創作と知って興醒めしたと感じるだろうし、LGBTQに対する世間の差別的態度を強調するために話を盛っていると感じるかもしれない。



確かに本作はLGBTQに対する差別をなくそうという一種の啓蒙映画であって、物語自体はそんなに意外性はなくけっこう先が読めてしまうし、主人公たちの前に立ち塞がる保守的な人たちもかなりステレオタイプな描かれ方をしている。



一歩間違えばLGBTQのためのプロパガンダ映画になりかねないのであり、事実そう感じて拒絶反応を示す人もいるかもしれない。



でもこの作品はLGBTQのための政治的映画という枠を超えて自分の心に深く突き刺さってきた。
それはもちろん劇中のマルコ少年の健気な姿に涙腺を刺激されたというのもあるのだけれど、それよりも主演のアラン・カミングが体当たりで演じてみせたゲイの中年男性の生々しい姿に感銘を受けたというのが一番大きい。



アラン・カミングはバイセクシャルであることを公言しており、一度女性と結婚したが離婚して、その後男性と結婚している。
こういう言い方が適切かどうか分からないけれどアラン・カミングは「本物」であり、この映画には「本物」が持つ生々しい迫力が感じられるのである。



アラン・カミングは確かな演技力を持つ一流の俳優だけれど、とりたててイケメンというわけではない。もちろん顔立ちは整っているし華のある俳優なのだけれど、いわゆるハリウッド的な美男子ではない。しかも撮影当時アラン・カミングは四十代後半である。


うっすら髭の生えた中年のアラン・カミングがゲイバーで女装して歌う姿や裸で彼氏とイチャつく姿など、こう言ってはなんだけれど美しくもないし格好良くもない。



この、美しくもないし格好良くもないゲイの中年男性の生々しい姿を堂々と演じ切った「本物」のアラン・カミングの姿を見て、たとえ周りや世間から嘲笑されようと毛嫌いされようと自分自身のセクシャリティに正直に生きることの大切さ、いや、セクシャリティに限定しなくても自分自身に正直に生きることの大切さを教わったような気がして自分は震えるほどの感銘を受けたのである。



この作品は、自分に自信があって世間を堂々と渡っていける強い人たちから見れば、LGBTQの政治的主張が鼻につくあざといお涙頂戴映画ということで片付けられてしまうのかもしれない。



でも、さまざまなコンプレックスを抱えて世間の中で生きづらい思い、肩身の狭い思いをしている人たち、かく言う自分もそういうコンプレックスだらけの一人なのだけれど、そういう人たちにほんの少し顔を上げ、ほんの少し胸を張って生きる勇気を与えてくれる、そんな稀有な映画でもあるのだ。



お涙頂戴と侮るなかれ。



自分は本作の製作に携わった全ての人に、よくぞこの作品を世に送り出してくれたと最大級の感謝を捧げたい。

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盟吉津堂

4.5すごく考えさせられる作品

2025年6月14日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

合同会社everfreeの代表、梶清智志です。
TikTokのお薦めで上がっていたので鑑賞してみたのですが、すごく考えさせられました。

深く胸に刺さる作品でした。
偏見や制度に翻弄されながらも、「愛すること」「守ること」に誠実であろうとする主人公たちの姿が印象的で、何度も心を揺さぶられました。

小さな行動が社会を変えていく、その連鎖の力を信じたくなる物語。
悲しみも希望もリアルに描かれ、「本当に大切なこととは何か?」と静かに問いかけてくるようでした。

ラストには言葉が出ませんでした。
ものすごく衝撃を受けるとともに、深く深く心に刻まれるものになりました。
経営者として、会社を、事業を営む者として、自分の行動を見直すきっかけになりました。

今を生きるすべての人に観てほしい、魂に触れる作品です。

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梶清智志

3.0奈落の底に

2025年6月11日
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鑑賞方法:VOD

同性愛の二人が障害のある子を引き取るという難しい問題だが、本当の家族のように温かく愛情深く接していて幸せに暮らしていたのに世の中の性差別や偏見で一人の子供を不幸にしてしまうという結末が悲しすぎて観ている自分まで奈落の底に突き落とされてしまった。

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ゆうき

4.0大学進学も、独り暮らしも、就職も望めない

2025年5月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

ヒトとしての価値や資質、思想や思考による志向、それぞれ在るのだけれど、そこには優劣は無いはず。
皆んなが幸せなカタチが出来るなら、それでいいはずなのに、ナニがそんなに不服で邪魔が入るのか理解出来ない……。
なんともやるせない氣分、そして突き刺さったモンダイを考えさせられた作品。

重いテーマなのに、軽快で小気味よく没頭させられた。
配役はこれ以上無いくらいにしっくり来て、上手く誘われた。
音楽も上手く彩ってて、観易さを相乗させてた。

哀しみと憤りを持たせながらも、上手く先導してくれて、ちゃんと考える事を持たらせてる。
イイ!

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奇妙鳥

3.5ハッピーエンドが好き

2025年5月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

多様性が叫ばれる今こそ多くの人に観てほしい作品。
ジェンダー、同性愛、ハンディキャップ、シングルマザー、育児放棄、人種による職業差別、司法制度など様々な問題を取り上げています。
私もハッピーエンドが好きです。

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Kei6

4.5昨今のポリコレは・・・

2025年4月15日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

ハリウッドではポリコレを題材にすれば賞を獲れるとやらで
ポリコレを題材に映画を取る傾向があるらしいのだが、
この映画は逆に社会の歪みをポリコレを通して表現してるように思う。
日本でも行政の母子家庭に対する支援制度は沢山あるが父子家庭にはあまり無い。
離婚裁判でもよほどの事が無い限り子供の養育権は母親側になる。
母親の彼氏に子供が殺される事件の多い理由は、
下手に再婚すると支援が受けられないからであって、
この歪んだ支援制度を変えない限りはマルコのような子が減るわけがない。
何でもかんでも多様性多様性と辟易していたが、この映画はそれを超越した感動があった。

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JPwolf

4.5「ハッピーエンドがいい」の言葉が・・・

2025年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ゲイカップルが育児放棄されたダウン症の少年を育てるために
様々な障害を乗り越えていくという実話ベースのお話。
以前から観よう観ようとしていた映画をやっと観ました。
1970年代のゲイに対する偏見が世間では当たり前だった時代に
真っ向から立ち向かっていく二人の姿にずっと応援です。
胸糞悪いというか辛いというかそんな気持ちにさせられて
どこまで脚色されているかは分かりませんが
ラストシーンの物悲しさは言葉では言い表せません。
ダウン症のマルコが言っていた「ハッピーエンドがいい」の言葉が
あまりにも辛くってそうであってほしかったのに・・・辛い

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tom

5.0作り手側の熱量と優しさを感じる

2025年2月27日
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怒りが枠ほどの胸糞な話だけど

この映画を作って、公開するまでに
どれだけの信念と覚悟があったのかが

画面を通して伝わってくる

内容がどうと言う前に

映画として説得力があると感じれた!

自分がそう思える人間で良かった

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創

5.0素晴らしい

2024年8月15日
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素晴らしい。これは多くの人に見てほしい。こんな悲しい話がまさかの実話だったなんて衝撃的すぎるしやるせない。1970年代の話だけど、アメリカはともかく日本では未だに偏見が強いから、現代でも起こりうる話だと思う。
差別や偏見を無くすことは本当に難しい。完全に無くすことはできないかもしれないけど、みんなが少しずつ優しい気持ちで物事を見るようになったらいいなと思わされた。

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ケロケロケロッピ

5.0差別・偏見と闘う、真実の家族愛!

2023年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

初めて鑑賞し観終わった時は、しばらく動けずに感傷に浸るしかなかったことを覚えています。本当の家族とは本当の愛とは何なんだろう。ラストの結末には、胸が締め付けられる思い出いっぱいになりました。なぜ、こんなにも優しいく温かい人たちが幸せになれないのだろう…、なぜ幸せな家族になれないのだろう…。悔しさすら覚えてしまいます。

マルコの事なんかどうでもいい大人たちの、偏見と差別はいったい何なのだろうか。本当の親でない同性愛者ということだけで、なぜ裁判でそこまでする必要があるのだろうか。特にポールの上司の行動の意味が分からなかったです。

ルディが言いました。
「一人の人生の話だぞ、あんたらが気にも留めない人生だ!」

ポールも言いました。
「この世界中で誰も彼を求めていない、私たち以外は。私たちは彼が欲しいんです。彼を愛しているんです。」

言葉が深く響きます。ほんとです、なんでマルコの幸せを第一に考えてあげ無いのだろうか…。本当の母親の元に戻されるマルコは何度も言うんですよ!

「ここは、おうちでない。」
と。。。なのに、なぜ…。

本作は、このように胸に刺さる名言が本当に多かったと思います。1つ1つの言葉が深く全てに意味があります。ルディが歌う歌詞ですらも。

本当に心に残る映画でした。何度みても涙がこぼれます。ただ、本作を観て思ったのは、現代社会でも問題となっている子供への虐待から守ってあげれないのと一緒ですよね。結局、昔も今も変わっていないのかもしれないと、思わせてくれる映画でもありました。

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いちごだいふくもち

5.0泣きそう

2023年7月5日
PCから投稿

同性愛系はお断りでしたが、これは掛け値なしに良いです。
監督の憤りと優しさが画面に充満しています。

ラストが切ない、という見方も正しいですが、むしろ、大好きだった二人を永遠に追い求め続ける幕切れ、と考えればとても幸せなヤツとも言えますね。というか、そうでも考えなければやってらんないでしょう。

邦題も原題とはまるで違いますが、すごくいいです。

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越後屋

5.0血はつながらなくとも

2023年3月5日
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切ない物語なのは、観る前から分かっていました。

基本、ハッピーエンドじゃないと映画見た後、へこむので
見るのを躊躇してましたが、★4超えてくる作品はなかなかないからどーしよーかと思って意を決して観ましたが

まず、マルコを二人が引き取ってから1年間のしあわせな日々の映像が流れた時点で号泣

あの、しあわせそうな笑顔が余計切なくさせます。
マルコは自分を蔑ろにしていた血のつながった母ではなく
血のつながりはないけれど、自分を本当に大切にしてくれたルディとポールのもとに帰りたかったんですね

周りが必死になってあの二人からマルコを引き裂こうとしてたのは、どんなに隠しても人間に備わってる恐れや不安からくる、異物を排除しようとする本能がそうさせてるのだと思いました。

自分達とは違うから、変なもので受け入れ難いものであるから、苦しんでもいいと思う。自分とは関係ないからと。
そんな残酷な考えは本当に嫌ではあるが、人間誰しも持ち合わせている本能だと思う。

だからこそ、人生を通して自分が弱い立場に立った時や、誰かに意地悪された時、また、自分が意地悪を誰かにしてしまった時、などいろんな経験を通して相手の気持ちになれるように、自分と違う人も受け入れられるように、学んでいくんだと思う。

法律事務所のボスや判事や弁護人たち、マルコを二人から引き裂いた人たちが、マルコやあの二人の境遇を少しでも 想像できていたら、もっと違った結果になったのかなとも思う。

あと、今の自分の生活がとてつもなく幸せに感じた。
心の底から幸せだと感じた。

それほど、この作品にはパワーがあった。

本当にいろんなことを考えることができた、素晴らしい作品だった。

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ジジ

5.0家族であることにパパママである必要なくない?

2023年1月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子どもを育てたいただそれだけ。普通の子でもダウンの子でも、一緒に生活させてあげたい。
社会の価値観って何?

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jiemom

3.0生みの親より育ての親

2022年11月27日
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imdb7.4。
Rotten Tomatoes79%と76%。
日本の主要映画レビューサイト(Yahoo映画、映画com、Filmarks)はすべて4超えだった。

海外の評価もいいが、評点からみても日本ですごく受けたし、いかにも日本人受けそうな映画だった。
(大受けの結果、2020年日本にて、世界ではじめて舞台化された。──とのこと。)

じぶんは皮肉っぽいが逆ばりやあまのじゃくは言わない。

したがってチョコレートドーナツは悪くない映画だった──という前提で言うのだが、この映画の日本での勝因は①社会的弱者orマイノリティ②虐げられた無辜(むこ)の者③フランダースの犬最終回──のセット導入だった。

このセットは日本映画「湯を沸かすほどの熱い愛」でも使われ大受けした。
端的に言うと①弱者②正直者③露命の三点セット。

三つとも臭気材料なので演出ポイントは臭み取りになる。
が、湯を沸かすほどの熱い愛では臭み取りがされていなかった。
なぜなら日本人にはお涙演出に対する耐性があるから。

チョコレートドーナツが日本人にウケたのはとうぜんだった。

(個人的に、この映画は「湯を沸かすほどの熱い愛」や「彼らが本気で編むときは、」に、直截的な影響を与えている──と思っている。)

──

えてして肉親が親として最良なわけではない。
親としてふさわしい他人はいるし、まともな人間に育てられる以上に健全な未成年期はないだろう。

そんな“ふさわしい親”からマルコ少年を引き離したのが時代性や司法だった。
1979年当時カリフォルニアでは同性愛嫌悪が蔓延していた。
法律上ゲイカップルに親権が認められてもいなかった。

逆に言えば、映画の構造的な緊張はただそれのみだった。
マルコ少年がルディとポールのもとで暮らせることになれば、マルコ少年からチョコレートドーナツを取り上げることさえできたに違いない。

境遇が不憫だから、誰も止めはしなかったが、彼は太り気味なうえ虫歯だらけだった。まちがってもチョコレートドーナツなんか食べさせてはいけない子だった。ほんとうにマルコ少年を思いやるのであれば、泣きわめかれてもチョコレートドーナツの一日の個制限を教え聞かせるべきだった。

そもそもマルコ少年の健康状態を慮る(おもんぱかる)なら彼を蝕むチョコレートドーナツをタイトルとすることなどあり得なかっただろう。

つまり邦題は完全に叙情に振っていた。泣かす気まんまんだった。

ただ時代とともにLGBTの権利は進化している。
本作が一昔前に設定されているのは、狭量な世界を体現し、登場人物たちを憂き目に遭わせるためだ。
すなわち映画は強引に三点へ落とし込んで悲哀な状況をつくっていた。

だいたいマルコ少年が母をたずねて三千里の主人公名と同じなのはさいしょから日本市場を狙ってのことかもしれない。──とさえ思った。かなり精密・意図的に日本人の琴線を撃ってきた映画だった、と思う。

しかし日本人であろうとも、お涙臭気=“泣かそうとする気配値”に敏感に反応する人はいる。じぶんはそうだ。だからすきじゃない。

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津次郎

5.0とてもラストが切ない。 実話が基になっているとのことだが、世間の差...

2022年6月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

とてもラストが切ない。
実話が基になっているとのことだが、世間の差別で純粋な愛情を守れない現実があった。
本人たちにとってはとても幸せなのに、周りにとっては異常なものは否定されてしまう。そしてその周囲の差別が、あるはずだった幸せを不幸に変えてしまう。そういう現実があることこそがおかしいのだけど。
ストーリーが切なすぎる分、隔てを超えた愛情がマルコへ注がれて描かれていているシーンは本当に心が温かくなった。
いろいろ人間にとって大切な気持ちを考えさせる映画だと思う。

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よっしー

4.5とても大切な作品

2022年6月17日
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鑑賞方法:映画館

LGBTにネグレクトにダウン症、そこに立ちはだかる大きな偏見の壁。その壁を必死に乗り越えようとした「家族」の物語。
主演の二人が無理なく恋人を演じており、これが思いの外心地良い距離感なんです。
「この人自覚ないけど私にぞっこんなの」この確信犯な笑顔は実にキュート。
シリアスな子供の行方の中、ちゃんと二人のラブストーリーがあのも良い。
だが想う気持ちだけでは幸せには届かず、それを阻むシステムや人々には観ていて深い憤りを感じます。
こんなに愛に溢れているのに、こんなにも苦しい。
最後は声が出るほど涙しました。
それと歌がまた狂おしいんですよ、切なすぎます。
正しさとは何か?が自分の中でずっと反芻してしまう、とても大切な作品です。

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白波
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