グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価
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オシャレ過ぎて困っちゃう!?
セリフと情報量の多さ、有名な役者陣を配した登場人物の数々、目を見張る映画全体のLOOKとテンポ良く進む物語に観ている側も忙しなくなる反面、単純明快な所が何とも微笑ましくもあり。
ウェス・アンダーソンのオシャレ感、シュールなキャラと物語に面白味を感じられなきゃ楽しめない!?
冤罪を晴らす為の逃亡活劇、一種のバディ物としてのコンビ感も堪らないベルボーイのキャラが逸品で、レザーに身を包んだウィレム・デフォーのバイクに跨る姿に若かりし彼を思い出す。
とにかくオシャレ過ぎて、自分があのホテルに泊まるならば何を着ていけば良いのやら!??
うーん。微妙。
えぇ…おもんな。
評価が良かったので見てみましたが、全くもって、信じられないくらいつまらなかったです。
確かに我が家ではアメリカ映画が主流で、家族もアクションもの好きが多いですが、自分は割とロシアやフランスの映画でもそこそこ楽しめる方。でも、やっぱり信じられないくらいつまらなかった…
何故つまらなかったつまらなかった連発しているかというと、実は内容ほとんど覚えておらず、めちゃくちゃ退屈したことしか思い出せないので…
ただ、皆さんがおっしゃる通り色彩は綺麗でした。
テンポが良いと書いている人もいるのですが、どうも自分には合わず、テンポも悪く間延びした感じがしました。盛り上がりも一切ありません。色々起きてはいるのですが、どうも迫力や緊迫感がなく、同じことの繰り返しを延々とやっているだけの印象しかありませんでした。
確か主人公ともう一人が人殺しの疑いをかけられて、誰かに追われてる話だったような(もはや記憶喪失)。
内容は何も記憶に残らないことを覚悟でなら、芸術的な映像が好きな人にはお勧めします。
一応(皮肉寄りの)コメディ?っぽいのですが、どこで面白くなるんだろう!と思っているうちに終わりました。
何かの風刺なのかなあ。まじで何もわからない(し覚えてもいない)映画でした…
絵本のよう
らしさ全開
雰囲気と構成はこの監督ならでは。一言で言うと「完璧主義」。
その性格故、好みはハッキリ分かれそうだが、
あたしゃあ好きだね。
「完璧主義」だから「~MR.FOX」をアニメでやった気がする。
アニメだと理想を具現化しやすいと思う。
例えば、画面上のシンメトリーとか拘りを感じる。
画面中心で事が起こり、その左右で(というか背景で)
構図上同じ事してたり、逆に違う事してたり、
その拘りが伝わるたびに感謝の念しか無くなる。
「気持ち良いです!ありがとうございますm(_ _)m」
他では、主要場面があまり変わらない事。
この中ではメインの2人は基本的にホテルに返ってくる。
そこは舞台演劇っぽいかなと。演劇好きだし。
アニメだからできた「~MR.FOX」の拘りが、
実写化しても伝わってくるから、
(寧ろ実写だけどアニメ観てる気分になる)
「~MR.FOX」を実写化して欲しいなあ。
結構エグい場面は多いかもしれないが。
「~ホテル」の話殆どしてませんが、
適度に笑いもあって、サスペンスは少ないけど、
話の展開はスムースで、作者のメッセージもチラホラ。
(ゼロとグスタブの初対面はめっちゃ笑った)
ウィレムデフォーの悪役の嵌り方も良いし、
Aブロディーの悪い息子も嵌ってた。
兎に角、これで100分少々なんて思えない程に大満足でした。
ウェス・アンダーソン監督のシンメトリーへの拘り
雪が覆う凍える墓地で読む西欧文化のレクイエム
あなたは建て替え前のホテルオークラ東京本館のメインロビーを知っていますか?
あの独特の空間の空気を思い出す映画だ
本作は四つの時代で構成されている
1932年、1968年、1985年、そして現代だ
メインは1932年の物語で本作の大半を占める
1932年が西欧文化の絶頂期であり、そして戦争を経て劣化する一方であることを、その暗喩としてグランドブダペストホテルという記号が使われる
半世紀後の1985年は功なり名を遂げた作家が代表作をどのように書いたのかを語る
その物語を1968年に当時の当事者から聞いた経緯を説明するのだ
そして、そこから約30年後の現代にその作家の墓を、彼の書いたその物語の読者の少女が訪れるという構造
その少女は作家の墓に鍵をぶら下げる
その墓には柱のような墓石の上部に胸像があり、
墓石には作家、人間国宝と記されてある
墓石にはまるでホテルのフロントの壁のようにフックが無数にあり、そこにいろいろなホテルの鍵が掛られている
良く見るとホテルルッツの黄色いキーホルダも見える
彼女が掛けたものだろうか?
彼女の手にその作家の書いたグランドブダペストホテルの物語があり、墓の横のベンチで読み始めるという構造になっている
つまり全ては現代で、少女の登場するプロローグとエピローグ以外は全て彼女が読み進めている本の内容だ
西欧文化の精華を体現した最後の男グスタフ
それを受け継ぎ維持しようとするのは、西欧人ではない中東移民のゼロだ
それを第三者として本にまとめた西欧人と、その本の内容に感動して作家の墓に詣で、昨夜泊まったホテルの鍵を花の代わりに墓石に備える現代の西欧人の少女
1932年のまばゆいばかりに輝くホテルの偉容と1968年のホテルの有り様
単に古びたということでも近代的では無いということではない
文化的な劣化だ
グスタフやゼロのようなコンセルジュは最早いない
西欧文化の精華の頂点にいるのだというプライドは影も形もない貧乏臭い男が同じ地位にいる
そして壁にも柱にもエレベーターにも無数の表示板がついてしまっていることで、文化的な劣化を映像で描写している
火災時にはエレベーターは使用できません
その表示は1932年でも、1968年でも、21世紀の現代であっても必要性は変わらない
しかし1932年には無かったか、ごく小さくさりげなく表示されていて映像には見当たらない
1932年はそんなものは不要なのだ
常識をわきまえた紳士淑女達だけがホテルの客であり、プロフェッショナルかつプライドを持ったホテルマン達の働きがそんな無粋なことわり書きなど無用にしていたのだ
それが表示物だらけのまるでビジネスホテルに化してしまう
落ちぶれ果て劣化していく一方の西欧文化の有り様の象徴として表示物が扱われているのだ
そして西欧文化の残り滓であってもなんとか維持しようとして、商売抜きでホテルを経営しているのは移民のゼロなのだ
もちろん自身のノスタルジーでもある
しかしそれは西欧文化の精華へのノスタルジーと分かちがたく結びついているのだ
そのゼロも恐らくは1985年には亡くなっていたかも知れない
あのビデオを撮ったのはその知らせを受けたからかも知れない
ゼロのその後の西欧への移民達はもはや西欧文化を受け継ぐどころか、溶け込もうともしなくなった
それが21世紀の現代の西欧の現実だ
西欧人の作家はいい話だと圧倒され感心して話を聞くだけだ
少女はその本を読んで感動して墓を訪れただけだ
冒頭とラストシーンは21世紀の少女の時代だ
墓地の煉瓦の外壁は白いペンキでデカデカと墓地名を記している
それはグスタフが収監された刑務所の壁の刑務所名の大書きと同じセンスだ
つまり監督は現代は刑務所並みの文化レベルに落ちてしまったと述べている
世界は低きに合わせて平準化しようとしているのだ
もちろん雪が覆う凍える墓地は現代の西欧の暗喩だ
そこのベンチで少女はグスタフとゼロの物語を読む
それは喪われた西欧文化へのレクイエムとして読んでいるのかも知れない
エンドロールの最後の方
画面の右下にコサックダンスを踊るかわいいアニメが登場する
本編と同じく、本当のテーマに気づいた観客が重苦しい気持ちで劇場を後にしないようにおちゃらけてみせているのだ
考えすぎです、単なるコメディですよ、皆さん
そのようにグスタフがベルボーイに持たせた伝言のように監督が私達に伝えようとしているのた
役者陣はとても好きなキャスティング
独特な世界観。バイプレイヤーの宝石箱やー!
Nest of Vipers. 不思議な魅力に満ちた作品
一人で勝手に「シアーシャ・ローナン強化月間」の第三回は「グランド・ブダペスト・ホテル」です。あら?でも、シアーシャ・ローナン大して出てなかったですね。出てたシーンも可愛かったですが、演技は通常運行といった感じでした。
本来の趣旨とは外れてしまいますが、それでも本作は不思議な魅力に満ちた作品です。ウェス・アンダーソンって面白い監督ですね。話を見せるのが上手いというか。まさかホテルから脱獄劇に変わり、殺人犯との追いかけっこや銃撃戦まで見せてしまうとは。ここ!っていう盛り上がる所がなくても、話が上手く転がって行くので観るのを止められない、そんな作品です。
キャストが異様に豪華です。グスタヴ役のレイフ・ファインズは真面目な役が多い印象でしたが、コメディイケるやん!あの飄々とした感じがなんとも上手い。ティルダ・スウィントン出てたっけと思ったらまさかのマダムD!レア・セドゥいたっけ?と思ったらメイド!ビル・マーレーも含めて皆さんちょい役過ぎるやろ!
やー、でもこれだけ豪華な役者を集められるのも監督の人徳なんでしょうね。正直シアーシャ・ローナン目的としては物足りないですが、作品としては十分面白かったです。
リラックスして気持ちいい
ウェスアンダーソンワールド!!!
再見
1度目にカーナビで観たことを許してください。素晴らしかった。観る人の美意識に訴えかけるような映画かもしれない。それが良いとか悪いとかではなくて、ウェスアンダーソンの美意識に共感出来る人しか受け付けないのだろうなと思う。突き詰めればどの映画もそうだけど。そういう意味でも箱庭的で囲われた映画だから、つまらない人はつまらなく、面白い人は面白いと思う。映画だし、賛否あった方が良いと思う。
あとこの作品が好きな人は、ある程度自分の美に自信を持っているか、自信を持ちたいか、とりあえずそれなりにこだわりを持っている人なのではないかとも思った。
だからそういった美意識の顕れを鬱陶しく思う人もいるだろうと思う。監督の美意識が画面の隅々まで行き届き、それがフレーム外に漏れ出てくるからだ。自部屋で観た時なんて、観賞後の眼前に広がるの世界観とのズレにうんざりしてしまうだろう。ウェスアンダーソンがそれだけ洗練された画を作ってるってことでもあるけれど。
ただ、一つの作品としてまとまっているように感じたし、テンポやコマ繋ぎやカットなどは映画ならではの気持ち良さがあると思った。歯切れが良いという点では多くの人に受け入れられると思う。動く画、動画として観れば楽しめるかもしれない。
面白いが好きじゃない
映画らしい映画
きれいな絵本を読んだ気分になれた映画。
映像美を主張しない、美しく流れる映像とコミカルな演出。
魅力的なキャラクター達。
テンポもいいし笑えるし好きな映画。
見てて満足というか、うっとりした気分になれた。
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