「アメリっぽい。」天才スピヴェット ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリっぽい。
アメリもこんな風なお話だったな、と思う。
一風変わった主人公を温かく見守りながら物語は進んでいく。
天才少年の孤独と渇いたユーモアが交互に訪れる作品。
3Dが面白い使い方をされていて、飛び出す絵本の場面など、
かなり趣向を凝らしているらしい。観れば良かったかな。
最近やっと減ってきた3D上映だけど(個人的に好きじゃない)
さすがジュネ監督、面白方向に変換させたみたいだ。
各章の冒頭に出てくる飛び出す絵本は確かに凝ってて楽しい。
いかにも天才児という顔をした主人公・スピヴェットを演じる
カイル君、聞けば6カ国語を操るマーシャルアーツの達人らしい。
ナニ本当に天才なんじゃん!と、やはり人は見た目だった(爆)
繰り出す台詞もその行動も実に大人びていて頼もしい。
だけど、普通の10歳児の感情もちゃんと持ち合せている。
事故で亡くなった弟のことが頭から離れず、寂しくて堪らない
心の隙間を埋めてくれる両親や姉も未だ抜け殻のような感じ。
そんな中で突如舞い込んだスミソニアン博物館からベアード賞
受賞のお知らせ。まさか子供が!?とは夢にも思わない館側は
スピーチの依頼をする。困ったスピヴェットだが、意を決して
モンタナの自宅からたった1人でアメリカ横断を始めるのだが…
映像は凝っているが内容は普通のロードムービーなので観易い。
おそらくこうなるんだろうな、と思うラストへと繋がっていく。
弟の死によって離れかかった家族の心がまた集結する、という
テーマにはなっているが、そこまでの彼の冒険がメインなので
後半は(感動はすれど)面白さが尻すぼみになっていく感がある。
うん、やっぱりアメリっぽい。最後までそう感じた。
(スピーチでポロリ泣くところがメチャ可愛い!あの子供らしさv)