ファイ 悪魔に育てられた少年のレビュー・感想・評価
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【”お父さん達、何故僕を殺さずに育てたの・・”韓国ノワール作品でありつつも、ヒューマンドラマとしても見応える作品である。】
ー 幼きファイ(ヨ・ジング)を誘拐し、一時は命を奪おうとした、ソクテ(キム・ユンソク)を首領とする極悪5人組が“父として”ファイを愛してしまった姿を、味ある韓国実力派俳優たちが熱演する。ー
■幼い頃に誘拐され、犯行グループの男5人に育てられた17才のファイ。
この“父親たち”から犯罪スキルを叩き込まれつつ、可愛がられてきたファイだが、ある日、父たちに連れて行かれた犯行現場で自分の過去にまつわる真実に直面する…。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・あり得ない設定を、魅せきる脚本と演出の妙に唸る。
・ファイの実の両親が、地上げ屋を仕切る大企業のソンジセメントに抵抗して、且つ誘拐された息子が帰って来ることを信じ、立ち退きしない姿。
ー ソンジメンテのチョン・スンギ会長(ムン・ソングン)の傲慢なる姿。-
・その事実を知った射撃が特異なファイに対し、ソクテが命じた非情すぎる命令。
ー 初めての殺人相手が実の父親であった苛烈な事実。-
・ソクテを我が子の様に育てる、5人組に捕らえられていたヨギュン(ナム・ジヒョン)と、ソクテの関係性もラストまで、キチンと描かれている。
・そして、自らの運命を狂わせたソンジメンテのチョン・スンギ会長へのスナイパーとしての乾坤一擲の一発。
<韓国ノワール映画ならではの、激烈なカーチェイスアクションと、ヒューマンドラマの配分も良き映画である。>
■今作は、存在すら知らなかったが、このレビューサイトに素晴らしきレビューを挙げているレビュァーさんからのお勧めで観た作品である。
(2作、紹介して頂いたが、どちらも面白き作品であった。)
多謝である。
他のレビュアーさんからもお勧めの作品を紹介されている。
重ねて、お礼を申し上げる次第である。>
韓国の映画はすごいなぁ 「オールドボーイ」 「パラサイト 半地下の...
これはすごい
抗えない不快感と芸術性…
目を背けたくなるのは劇中の過激な暴力描写なんかではなく、救いようのない残酷な運命を背負ったファイと、アボジ(父)であるソクテの堕ちた姿です…
ファイの絶望的な宿命と葛藤は観る者の心にグッと突き刺さりますが、個人的にやっぱりポイントなのはソクテですね。自らが背負った汚点はもう決して拭えないという虚無感、墜ちたらもう墜ちるところまで堕ちてやる!というような堕落した精神、、、 絶対的に陥りたくない人間のものすごい嫌な部分をそのまま映し出したようなクズっぷりは、観る者の闇の部分を誘い出しているような不快感を覚えてしまいます。
相変わらずキムユンスクの悪役ぶりはお見事です。「哀しき獣」と同様、不快だけれども一種の芸術性を感じてしまうような作品にしてしまう魅力と底力、、、凄いですね。
発想と展開が面白みを増している作品
韓国映画っぽい作品で、かつ発想が見事で、そこからの展開も納得の物語。
血しぶきが多いので苦手な方は、少々覚悟が必要ですが、内容は良質です。
俳優の演技も素晴らしく、特にファイとソクテの演技はグッと見張るものがあります。
少し前まではめくるめく展開や、スピーディでアグレッシブなストーリー、あるいは大どんでん返しなど物語で見せる作品が主流だった気がしますが、最近は(いつからかは分かりませんが)無表情の感情表現とそれをより主張するために練った展開にしていないものの評価が高くなっている気がします。
いつも時代にもそんな作品はあったかと思うけど、ここ最近は特にそのような「流れ」になっていることを考えると、見せ方も変えてきているのかと感慨深くなります。
作品の結末はハッピーエンドとは行かないまでも、みんなで幸せになりたい夢へのスケッチブックが印象的なエンディングでした。
総合的に面白い
怪物に育てられたら怪物に・・・
この手の作品によくあるのは義賊なのだが、最初からばんばん殺人を犯す冷酷非道な犯罪者集団。ファイは幼少期に誘拐され、実の子供のように育てられ14年が過ぎていた。5人の男たちをそれぞれ「アボジ」「パパ」などと呼び、従順になくらいに育ったのだ。17歳の少年ファイは学校にも行かなかったが学生服を着せられ、彼らの手伝いをするようになっていた。ソクテは彼を実戦へと駆り出そうとするのだが、人を撃とうとするとき、ファイの目の前に怪物が現れ拒絶してしまうのだった・・・
あるとき、地上げ屋の仕事が舞い込み、一軒だけ立ち退かない家に押し入るため、ファイが鍵を開けることになったが、実はその家族はファイの実の親が住んでいたのだ。警察に見つかりそうになり、慌ててお父さんたちがかけつけ、ファイにその家の主を殺せと命じる。ファイはなんとなく気づいたが、お母さんだけは生かせておかなきゃ!と思いきや、お母さん自力で逃げていきました。証人となる人物はことごとく始末してきた白昼鬼の面々。中には警官もいたりして、完全犯罪を続けてきたくらいだ。そして、次はお母さんが危ない!とファイは彼らから実の母親を守ろうと単独行動に出るのだった・・・
広大な土地を取得したチョン会長の部下たちと白昼鬼を鉢合わせさせるように仕組んだファイは彼らを殲滅させようとするのだが、ソクテは生き残り、ついに母親をも殺してしまう。そして果樹園を営む彼らの最終決戦へと・・・
主人公はあくまでも人を殺さずに・・なんて甘いストーリーではない。怪物に育てられた子供は怪物に育つのだ。そんな自分が憎くもあり、得意な絵の才能を開花させたいとも願うが、悪魔の血をぬぐうことはできない・・・。そんな悲しい主人公。唯一の救いは、出会った女子高生とのほのかな恋愛。ラストには明るい希望さえほのめかされる・・・
唯一わからなかったのは、ソクテが実の父親ではなかったのか?という点。孤児院で育てられた彼らが実の母親をレイプしたなんてシーンも挿入されていたし・・・
深淵
なんとも分厚い脚本だった。
犯罪のスペシャリスト達に誘拐された少年。
狙撃、運転、格闘、銃、ピッキング。
それぞれのスペシャリストが彼の父親だ。
幼少期から遊びの延長で、それらに馴染み会得していく。
面白いのが、愛を与えられ続けている点。
彼は彼らに愛され続けてた。
本当の父親を、自らの手で撃った事により、父親たちへの復讐が始まる。
見応えある。
それぞれの分野で、父親達を凌駕していく少年。英才教育を施した自らの作品が相手。
スピーディなボディアクションもさる事ながら、カーアクションも臨場感があり絶品だった。
何より、日本では規制がかかる「血」の表現力はやはり見事。
凄惨だし、憐れだし、凄みも十二分。
濃密な作品で見応えあった。
そして、タネはこれだけではない。
彼の本当の父親は、彼を誘拐した主犯格の男だったのだ。
この設定があるが故に物語は螺旋を描くかのように複雑さを帯びる。
その父親からの目線が後半ぐっと存在感を増す。技術は伝えられる。でも、覚悟は芽生えるものなのだ。
同族を育て上げるとでもいうのだろうか?
父親は孤独だったのだと思う。
彼は、本当の意味で彼の息子。彼の血を引き継ぐ誰かを残したかったかの様に見えた。
理解者なのか、無条件に自分らしさを注げる対象なのか。
この辺りに、韓国映画の血脈を感じる。
重厚なテーマをガッツリはめ込んでくる。
かくして
心優しき冷酷な殺人者が出来上がった。
目をひいたのが、会長の側近。
彼はいわゆるその筋の人間なのだが、表向きは青白い几帳面なイケメンにしか見えない。
だが、刑事に脅しをかける時の豹変ぶりときたら鬼気迫る。
勿論、そのやり方も、それを見せる編集も見事なのだけど、このギャップこそが、韓国映画の生命線にも思え見応えあった。
濃いめの内容で見応えあり
容赦ない、さすが韓国映画ですね!ストーリー、カーアクション、これでもかというくらいの地みどろの映像てんこ盛りの濃いめの二時間に大満足です。韓国映画好きな方なら、見るべき一本です。
しかし、韓国映画にハマると、邦画に1800円払う気になりません。
この少年に救いを
誘拐犯に母の愛憎の感情を抱いた女性を描いた秀作邦画があったが、こちらは5人の誘拐犯に育てられた少年の話。
誘拐犯たちは凶悪犯チームなのだが、誘拐された頃の幼い記憶を覚えてない17歳になった少年ファイにとっては5人の“父”。兄貴分や友達や親戚のおじさんみたいな父も居れば、怖い厳格な大黒柱も。
学校生活では同級生の女の子が気になったり、傍目には“普通”の少年。
しかし、いつまでもそんなほのぼのとはしてないし、ましてや感動モノになったりしないのが、やはり韓国サスペンス。
大黒柱の命令で父親たちの“仕事”に加わる事になり、いきなり銃を持たされ、相手を撃て、と。
犯罪者としてのスキルを叩き込まれる。
そして、ある邸宅に押し入って知った、自分の出生の秘密。
病院で嗚咽するシーンは本当に見ていて辛くなる。
薄幸の少年どころじゃない、地獄で生かされた少年。
悪魔に育てられた少年は悪魔として生きるしかないのか。
“怪物”を倒し、歩んだ道は、そう思わずにはいられない。
残酷までに悲しい
白鵬なみの安定感
白昼鬼
すげー殺したいけど、すげー頃したくない
面白い!
めちゃくちゃ面白い
ストーリーの構成が滅茶苦茶面白い。どうなっちゃうの?と思っているととんでもない事が起こってずっと心を鷲掴みされっぱなしだった。
キム・ユンソクの怖さと憂いを感じさせ、すごい存在感で不死身っぷりも無理がなかった。
里子に関心があるので、こういったとんでもない形の里子でも、すごく心が通い合っている感じが素晴らしかった。ファイはちゃんと学校に行っていたのだろうか。
カーチェイスもガンアクションも格闘アクションもすごくスリリングで見ごたえたっぷりだった。
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