おやすみなさいを言いたくて

劇場公開日:

おやすみなさいを言いたくて

解説

「イングリッシュ・ペイシェント」のジュリエット・ビノシュが、家族への愛と仕事への情熱との間で揺れうごく報道写真家の女性を熱演したヒューマンドラマ。アイルランドの海辺の町。夫マーカスや2人の娘たちと暮らす報道写真家レベッカは、戦争の真実を伝えるべく世界中を飛びまわる多忙な毎日を送っていた。そんなある日、取材中に生命の危機にさらされた彼女は、今後は危険な場所へ行かないことを家族から約束させられてしまう。これをきっかけに家族の本心と向きあうようになった彼女は、自分の仕事が愛する夫や娘たちの心に負担をかけていることに気づく。共演に、アイルランドの人気ロックバンド「U2」のドラマーであるラリー・マレン・Jr.。

2013年製作/118分/G/ノルウェー・アイルランド・スウェーデン合作
原題または英題:A Thousand Times Good Night
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2014年12月13日

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(C) paradox/newgrange pictures/zentropa international sweden 2013 PHOTO (C) Paradox/Terje Bringedal

映画レビュー

2.510月7日から2ヶ月間観れずに放置したDVD

2023年12月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

内容的には違うが、現在殺戮がリアルに報道されているため、精神的に映画鑑賞する余裕が無かった。鑑賞後もリアルが圧倒して、世界の構造も報道も使命感も既に共感できないところまで来ていた。虚しさだけが残る。家族を壊してまでそこに真実はあるのか?それは正義か?

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300

4.0【戦場写真家の命を顧みない尊崇な姿に頭を垂れる作品。と共にその家族との複雑な関係性の構築と再生を描く作品である。】

2023年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

■長女ステフと次女リサを夫のマーカスに託し、紛争地帯や危険地域の現実にカメラを向けている報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)
 遠く離れていても家族の絆は固いと思っていたが、レベッカがドバイでの自爆テロに同行し、巻き込まれたことから、夫や娘たちの本心が明らかになっていく。

◆感想<Caution!  内容に触れています。>

・冒頭のドバイでの女性の埋葬シーンからこの作品はキツイぞ、と思いつつ鑑賞続行。
ー 埋葬された女性が目を開き、身体に爆弾を纏うシーン。-

・そして、彼女に同行するレベッカ。
ー ”爆発!”と言いながら、自らも大怪我をするショッキングなシーン。

■戦場写真家を映画化した作品と言えばメリー・コルヴィンの生き様を描いた「プライベート・ウォー」が記憶に新しいが、彼女は「バハールの涙」でもモデルとして描かれている。

◆日本で言えば、亡き鴨志田氏を思い出すが、奧さんであった西原さんが描いた「毎日かあさん」で描かれる、戦争のフラッシュバックによりアルコール依存症になって行く過程とその最後は今でも思い出す。
 けれども私は、戦場写真家の存在を否定する積りは全くない。
 今作でも、レベッカが言うように、愚かしきゴシップ情報が世に流れる中、世界の見捨てられた地域で行われている恐ろしき真実を伝えようとする姿には尊崇の念を抱く。

<今作はそんな環境下の中、自らの信念を貫いた女性写真家の姿を通じ、強烈な反戦思想を伝えた映画である。>

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NOBU

4.0A thousand times good night

2022年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

このタイミングで観ました。
パラダイス.ナウ以来。
ウクライナにもフリージャーナリストが乗り込んで行きます。
悲しみと怒りと。No war!!

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mamamu

5.0レベッカの怒りと悲しみは監督の思いそのもの

2020年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

気がつけば『プライベート・ウォー』に描かれていた、女性カメラマンのメリー・コルヴィンと対比させながら見ていました。彼女は、実在したジャーナリスト。家庭を持つことのなく、最期を戦場で迎えました。
それに対して、この『おやすみ~』のレベッカは架空の人物。家庭をもち、個人の幸せと社会正義のはざまでゆれ動く心の機微を、少ない台詞で描くエリック・ポッペ監督の手腕に感服です。もちろん、ジュリエット・ビノシュの演技は冴えわたっていました。
そして、紛争の残虐性、その中で苦しむ女性たち。その説得力に圧倒されました。
そんな作品に仕上がったのは、ポッペ監督の経験に裏打ちされていたからこそ、のことなのでしょう。
ポッペ監督の言葉を引用します。
「私は映画制作を行っていないときは、コンゴやパキスタン、ソマリアといった紛争地域に足を運び、映像を記録しています。紛争地域では、いつ何が起きるか分からないので、カメラを回し始めたらオンとオフを切り替えている余裕がありません。記録の最中に反乱軍がやってきて難民たちと一緒に逃げたこともあります。そんなパニックに落ちている状況の最中もカメラはそのまま捉えている。」
レベッカの夫マーカスは生物学者で、海洋生物の放射線による突然変異の研究をしているという設定です。舞台アイルランドの対岸はイギリス。いくつもの原発があり、排水に含まれる放射性物質は、国境を越えてやってきます。セラフィールドの原子炉火災事故もありました。これら問題をさりげなく映画に盛り込んでいる所に、ポッペのジャーナリスト魂がのぞきます。
ちなみに、原題『A Thousand Times Good Night』は、ロミオとジュリエットのバルコニーシーンで、別れを惜しむ台詞だそうです。娘たちを普通に愛することができないレベッカの、それでも愛しく思う心と、悲しさや寂しさが、そこにはにじみ出ている気がします。

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マツドン

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