それでも夜は明けるのレビュー・感想・評価
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良作
アカデミー作品賞獲得したので、アカデミーマニアとしては、見なければと意気込んで見た。
結果、事実に基づいていて、とても深く、皆が知らなければならない歴史を描いていたと思うけど、まあ普通にいい映画って感じ。
生き残りたいなら、余計なことをするな
映画「それでも夜は明ける」(スティーブ・マックイーン監督)から。
今までにも、アメリカの「黒人差別」「奴隷問題」は、
何度となく人を変え、視点を変えて、作品となってきたが、
今回は「奴隷」=「拉致」という視点が浮き彫りにされた気がする。
ある日突然「拉致」され、今までの幸せだった生活から
訳もわからないまま、どん底の生活に落とされる展開は、
北朝鮮に「拉致」されたとされる人々の人生とダブった。
たぶん、抵抗することは死を意味するのだから、
「生き残りたいなら、余計なことをするな」というアドバイスは、
奴隷だけではなく、拉致された人にも通用するメッセージであろう。
こんな、人身売買が許された時代、ブラッド・ピット演ずる
奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスが、主人公に呟く。
「これは病気さ、この国の巣くう恐ろしい病気だよ。
いつか最後の審判が下る」
そして、リンカーンを始め、多くの人の活動により、
「黒人差別撤廃」「奴隷制度廃止」は現実となっていく。
いつになっても、この問題が「映画化」されるということは、
アメリカ・イギリスなど、植民地の人々を「奴隷」として扱った国々が、
今でも、その後悔を国家・国民として拭い切れない証拠だろう。
このテーマで映画が作られないと言うことは、
戦時中の日本の植民地政策は、間違っていなかったに違いない。
あくまで「奉公」であり「家畜」ではないのだから。
黒人奴隷にも冷たいしたたかさ
自由黒人から一転、奴隷になった主人公は、白人の傲慢さや、偏見、そしてある意味悪意なく見下してくる姿勢に絶望していると共に、境遇に慣れすぎ、無気力な黒人奴隷にもいっさい共感していない。
主人公は黒人奴隷を軽蔑している。基本的に彼の視線は白人と同じだ。
それがこの映画を稀有に恐ろしいものにしている。
彼は自由黒人という本来の立場の復活のため、したたかに動いてるだけで、究極的には黒人奴隷制度自体には否定や疑問はしていない。彼は基本的に黒人を見下している。
だからこの映画は黒人奴隷という歴史の恥(シェイム)を声高に反省するような単純な感動作ではないのだ。
アカデミー賞作品賞、受賞作品
時間軸の描き方はわかりづらいため、出来としては『アメリカンハッスル』の方が上。
しかし、納得の作品賞、受賞。
いつものアカデミー賞受賞作品と違いテンポも雰囲気も、重い。
醜い人間を散々見せられますが、どれだけ奴隷制度が酷いものだったかがとことんわかります。
鞭の音など音にも凝っていて痛みも伝わってくる。
とにかく重苦しい。
しかし、救いは意外とあったりする。
だけど、複雑な気分にさせられます。
最後には感動もあって心を揺さぶられますが、「その後」の字幕は納得のいくようなものでなく後味は悪い。
だけど、エンディングロールでは劇中でもあった歌が流れ、少し明るくなれて考えさせられました。
とても重い作品ですが、ぜひとも多くの人に見てほしい作品。
新作の価値も劇場の価値もあるのでぜひともオススメです。
アカデミー賞
期待して観た12 years a slave 。
これ邦題が好きでないからマイナス星つけてます。
実話を元に描かれた作品をうまくまとめた内容だった。ただ最後どうしても終わりを気にしてなのか、展開が早まってしまったところが少し残念だけど、
内容としてはリアルに描かれており、
心をもってかれた。
大統領の執事よりか全然見応えある。
気になった悪い点はさっき書いた通りのことで、ブラピがいい人すぎるのと、
後半の急展開が残念。
それとこの英語の本当の良さつまり
アカデミー総なめにしたのは、アメリカ人しかわからない何かがあると思う。
黒人と白人の奴隷関係は日本でいう従軍慰安婦問題と同じようなこと?
実感がわかないけど、
これを実国でちゃんと隠さず放映し、アカデミーまで持っていけた作品として観る価値ある映画の一つだ。
面白い
家族もあり、自由黒人だったノーサップが、拉致されて奴隷になってしまう。
有能な奴隷だが、主人の嫌がらせ、裏切りに耐えながら生活する。
奴隷に理解のある旅人ブラットピットに、自由黒人の証明を家族から送ってもらうようお願いし、なんとか願いかない、家族の元に戻った
人間の本質は実に残酷
実話であると念頭に置いて見る必要があるが、後味は決していいものではない。
人間のおぞましくも卑劣で悲惨な行いが歴史には刻まれている。その一片に触れ、考えさせられると共に心が痛む。
映画としてみると、時系列を前後させる構成や、家族や登場人物の紹介やその後、時間経過の描写などもっと欲しい情報はあったが、ソロモン本人の目線、経験で描かれている為、不満に感じる内容も、救われない人たちもこれが実際に行われた史実であると、目をそむけず知る必要があると考える。
教育や倫理観の徹底、正しい法治がされないと、知能が付いてしまったが為に、人間は最も残虐な動物にも成り得る。
この悲惨な歴史を繰り返さないためにも一見の価値はあると思います。
映画「リンカーン」をこの作品の後に見ると、奴隷制度撤廃までの歴史を目の当たりにできると思います。
見てる間しんどい・・
あまりにも酷い・・ 理不尽で胸が苦しくなった・・
人間を自分の所有物と
してやりたい放題・・・
見ていても最初から最後まで悲惨な光景が続き
全然夜は明けないって・・
なのでこの作品は私はすごく長く感じた・・
結構しんどい作品です
でもこの様な歴史があった事実を伝えて行くには
重要な作品なのかもしれません・・
ブラピいいとこ取り?www
自分的、奴隷映画ナンバー1です
すごくいい映画。小生、奴隷映画がなぜか好きで色々見てきたんですが、それらどれよりリアルな奴隷映画でした。考えたんだけど、それはカメラや演出もさることながら、人間性というテーマに対する描写がどれより素直でストレートだからですかね。
主人公が人間性剥奪されてしまいながらあがく一方、ファスベンダー演じる奴隷主が奴隷と対峙して非常に艶かしい。当然だと思ってる人間性が剥奪された世界もあるよ、と言われるより、我々の知りうる世界観で奴隷の世界を表現してしまった監督、すげーって感じです。素直な分、逆にある程度は難しい映画だなって思います。
美味い話しには気をつけよう!
いくら自由黒人だからといっても、この時代に上手い話しに有頂天に乗って酔いつぶれ捕まるなんて、どんだけ世間知らずのバカなのかと思って驚いてしまう。自分の不注意から招いた結果なので仕方なのかと思ってしまう。奇跡的に戻れたのが不思議なくらいです。改めて甘い話しには、絶対に乗らないようにします。
明日がこなければいいと思う日々
観ながら胃がしめつけられるように痛みました。凄いと思いました。
自由黒人として生活していたソロモンの12年間の壮絶な体験。
奇跡のような生還の後手記を発表したソロモン・ノーサップ、厳しい時代に出版し後世に遺した人達、世界に届く映像作品に仕上げた人達に深い敬意を捧げます。
明日なんかこなければいいと思う日々、でも、祈りはどこにも届かない。邦題はそちらと解釈しておくことにしました。
でも実のところ私が苦しくなったのは、何十年も前に突然始まり突然終わったイジメの感覚が、それをテーマにした学園モノよりも遥かに生々しく蘇ったから。ソロモンの目線でハマりこみました。
ある日突然、人で無くなる。容赦ない眼差し、心ならずも黙って通り過ぎる横顔、痛みを知りながら助けることのできない虚しさ。
最初の主の、誰の心にも届かない説教がHRの風景と重なり、そこは苦笑い。
小さな役の俳優さんまで、この世の地獄の空気までみせる見事な表現だったと思いました。
ブラッド・ピット、なかなか良かったです。この作品においてはあまり旨みのない役を、さらっと演じていました。
見ていてつらい、
と思いました。長回しの拷問シーンがとても効果的だったと思います。今の日本に生まれて良かったと心から思いました。
ラストの家族と再開するシーンは、感動というより「良かった…」と思いました。自由黒人である事が証明されたから良かったものの、奴隷黒人は終わりなく戦い続けるのだろうと思うと…とても考えさせられる作品でした。
見ていて痛々しくて苦しくて、だからこそ観て良かった、観るべきだなぁと感じた作品でした。
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