「イマジナリーフレンドは犠牲となったのだ」インサイド・ヘッド フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
イマジナリーフレンドは犠牲となったのだ
コントロール室に帰ってくる話
インサイド・ヘッド2が公開されるので予習として鑑賞
かなり面白いと噂で聞いていたけれど半信半疑だったのですが、予想以上に面白かった。
子ども向けと言うより大人や親が見て考えさせられたり感動するタイプの作品でしたね。
監督が自分の娘に観察して作ったらしいけれど、発想力が凄いし感情達の物語とライリー家族の物語がバランス絶妙でどっちのパートも興味深かった。
細田守監督も子どもや家族をテーマにしてる作品があるけれど、言っちゃ悪いがインサイドヘッドの方が何倍も深くて心に響いた。
説教臭いシーンも少ないし感情達の絆も家族の絆も強くなる理由や道筋がシンプルながらしっかり共感できたし、頑張れ!って応援したくなった。
細田監督の作品ってキャラクターが薄いのか物語が薄いのか、頑張れ!って応援したくなるほど魅力的に感じないんだよね。
私としてはカナシミが最初はかなり嫌いでマイナス思考だしオドオドしてるし、余計な事ばかっかりしててイラついて見てたけれど、鑑賞後が感情の中で一番好きになってました。
動きがいちいちかわいいし何だろうなんかめちゃくちゃナデナデしたい。
ヨロコビの前向きさやめげない強さもよかったしなによりライリーが大好きという「愛」が尊かったですね。
コントロールセンターにヨロコビとカナシミが不在になる→ライリーが引っ越しで不安定になる
ストーリが本当に上手だ、あんなに素直でやさいしライリーが感情制御できなくなる理由付けに完璧だし、思い出がその人を形作るのはなっとくです。
家族の島やおふざけの島、友達の島、アイディアの列車にイマジナリーフレンド。
大人だからこそイメージを具現化できるけれど、夢を全世界に売ってるピクサー発想力や考え方が本当に凄いと思った。
こんなの思いつくなって頭んなかどうなってんだ?
感情達が物凄く優秀なのか元気いっぱいのびのびやってるのか、製作者のコントロール室をついつい想像しちゃいました。
子どもの頃はヨロコビがコントロール室の中央にいるけれど、大人の両親はカナシミやムカムカがコントロール室の中央にいたりで、なんだか自分も今はどの勘定がコントロールパネルいじってるんだろうとか考えてしまった。
できることならヨロコビが行動原理で生きていければいいな。
これからは悩んだり嫌な気持ちなった時は感情達の事を考えて、今の自分の状況を少しは分析できるようになりたい。
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劇中セリフより
「触らないで、あなたが触ると悲しい思い出になっちゃう」
ヨロコビの思い出が多い方だけじゃ気づけない事もある。
カナシミもムカムカもビビりもイライラも全部大事で全ての思い出が人格形成に必要で成長へと繋がるんですね。
私の頭の中の感情達も見守ったり心配したり一喜一憂しながら操作したりしてるのかな?