ボーグマン

劇場公開日:

解説

「アベル」「ドレス」「楽しい我が家」などシュールでブラックな作風で知られるオランダの鬼才アレックス・ファン・バーメルダムが、裕福な家庭に侵入する謎の集団ボーグマンを描いた不条理サスペンス。森の中に潜んでいたボーグマンが、武装した男たちに追われて街に逃げ込んだ。高級住宅地で暮らす幸せな家庭に住み着いたボーグマンは、仲間を呼び寄せて住民たちをマインドコントロールしていく。2013年・第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。日本では同年の第26回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映され、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014」で劇場公開。

2013年製作/113分/R15+/オランダ・ベルギー・デンマーク合作
原題または英題:Borgman
配給:松竹メディア事業部
劇場公開日:2014年10月25日

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映画レビュー

3.5ボーグマンに気を付けろ

2017年7月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

タイトルから想像するに、“ボーグマン”なる異形の化け物が登場するホラー映画かと思ったら、違った。 最初は設定がよく分からず、あんまり面白くないかなぁと思っていたら、見ている内に段々と。 これは、洗脳の恐怖を描いた異色のサスペンス・ドラマであった。 “ボーグマン”という謎の怪集団がいる。 森の中に潜んでいた彼らが何者かに追われ、男一人が町へ。 風呂を貸して貰おうと住宅地を訪ね歩き、とある裕福な家でトラブルになり、その家の夫に殴られる。 夫が外出し、さすがに罪悪感を感じた妻は手当てでその男を家に入れ…。 そこから、この不条理なドラマが始まる。 手当ては済んだのに、広い敷地の離れ家に住み着いた男。 妻が出ていってと言っても、何かと理由つけて出て行こうとしない。 子供たちもなついてるような感じ。 そろそろ出て行こうとした時、今度は妻の方からまだ居てと止められる。 いつの間にか、妻の心の奥底に入り込み、マインドコントロールされ始めていたのだ。 そうなると、後はもう容易い。 仲間を呼び、さらにこの家族に浸食していく。 その手段を選ばない方法は…、恐ろしく狡猾。 さらに、別の出会い方で再び夫とも対面。 この時夫は、男を覚えていない。ちょっとばかり社会的地位が高い輩は、自分より下の者の顔など覚えていないのだ。 裕福で平穏だったこの家庭。 ボーグマンの出現によって、崩れ始める。 ボーグマンはただのきっかけだったかもしれない。 幸せそうなのは見かけだけ。勝手に壊れていったのは家族の方だったのだ。 妻はボーグマンにある恐ろしい頼みをする。 それは… ラストも意表を付く。 確かに説明らしい説明も、彼らの行動の目的も納得いくような描写は語られない。 しかし、この不条理な作風が不思議と何とも言えぬダークな後味残す。 “ボーグマン”は、ああして人の中に入り込んで、また仲間を増やしていく…。 彼らは次は…?

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近大

3.0作品の好き嫌い、良し悪しを明確に語り難い作品。

2014年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

難しい

作品の良し悪しを明確に語り難い部類の作品でした。 鑑賞後の気分としては好きが6割、未整理部分が4割という奇妙な感じ。 目的も背景も全く分からない集団ボーグマン。 リーダーと思しき男が高級住宅地に潜む所から話が始まりますが。 彼の行動に終日在宅の妻が振り回されていきます。 振り回される中で立場が入れ替わり彼の存在が大きくなり行動を支配されていく。 理解が難しい彼の行動。 一貫しているのは「明らかな悪意」。 積み重なる「悪意」に真綿で首を絞められるような恐怖と不安を感じました。 またボーグマンの仲間達の行動も強烈。 リーダーは静かに忍び寄り透明な毒を盛り続けるようなタイプ。 対する仲間達は雑で乱暴で突発的な行動のオンパレード。 彼等の手馴れている感も含めて、ゾッとしつつ笑いを誘われます。 目の前の目的のために手段を選ばない彼等の死体処理の仕方。 意味があるようで全く意味が無い、見た目の面白さだけの処理。 そのビジュアルに思わず吹き出しました。 その他分かり易いブラックユーモア部分は楽しいのですが。 ボーグマン達の目的とは何なのか。 住民達に施している謎の手術は何なのか、等々。 行動の意味が分からないまま時間が過ぎていくため奇妙な気分に。 徐々に話から置いていかれ不安な気持ちになっていきます。 一つの結末を迎えて話は終わりますが。 鑑賞後振り返ると引っ掛かる部分が多々。 答えが示されていない分、作品の解釈を喧々諤々語りたくなる作品でした。 個人的には終盤のグラス前で一瞬逡巡する場面の意味を色々と語りたくなりました。 作品の良し悪しを明確に語り難い本作。 部分的に、非常にご都合主義的な展開もあるのですが。 これすらもボーグマン達の陰謀ではと考えてしまう怖さがありました。 「焦らし」の天才であるリーダーの手練手管を観る価値はあると思います。 オススメです。

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