劇場公開日 2014年10月25日

「作品の好き嫌い、良し悪しを明確に語り難い作品。」ボーグマン Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0作品の好き嫌い、良し悪しを明確に語り難い作品。

2014年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

難しい

作品の良し悪しを明確に語り難い部類の作品でした。
鑑賞後の気分としては好きが6割、未整理部分が4割という奇妙な感じ。

目的も背景も全く分からない集団ボーグマン。
リーダーと思しき男が高級住宅地に潜む所から話が始まりますが。
彼の行動に終日在宅の妻が振り回されていきます。
振り回される中で立場が入れ替わり彼の存在が大きくなり行動を支配されていく。
理解が難しい彼の行動。
一貫しているのは「明らかな悪意」。
積み重なる「悪意」に真綿で首を絞められるような恐怖と不安を感じました。

またボーグマンの仲間達の行動も強烈。
リーダーは静かに忍び寄り透明な毒を盛り続けるようなタイプ。
対する仲間達は雑で乱暴で突発的な行動のオンパレード。
彼等の手馴れている感も含めて、ゾッとしつつ笑いを誘われます。
目の前の目的のために手段を選ばない彼等の死体処理の仕方。
意味があるようで全く意味が無い、見た目の面白さだけの処理。
そのビジュアルに思わず吹き出しました。

その他分かり易いブラックユーモア部分は楽しいのですが。
ボーグマン達の目的とは何なのか。
住民達に施している謎の手術は何なのか、等々。
行動の意味が分からないまま時間が過ぎていくため奇妙な気分に。
徐々に話から置いていかれ不安な気持ちになっていきます。

一つの結末を迎えて話は終わりますが。
鑑賞後振り返ると引っ掛かる部分が多々。
答えが示されていない分、作品の解釈を喧々諤々語りたくなる作品でした。
個人的には終盤のグラス前で一瞬逡巡する場面の意味を色々と語りたくなりました。

作品の良し悪しを明確に語り難い本作。
部分的に、非常にご都合主義的な展開もあるのですが。
これすらもボーグマン達の陰謀ではと考えてしまう怖さがありました。
「焦らし」の天才であるリーダーの手練手管を観る価値はあると思います。

オススメです。

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Opportunity Cost