見知らぬ医師

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解説

第2次世界大戦中、ユダヤ人に人体実験を施していたナチス将校ヨーゼフ・メンゲレが、正体を隠してアルゼンチン人の一家と暮らしていたという実話をもとに描いた心理サスペンス。1960年代のアルゼンチン、パタゴニア。自然に囲まれたバリローチェの町で民宿を営むことになった夫婦は、最初の客としてとあるドイツ人医師を迎え入れる。その医師は、実年齢よりも幼く見える12歳の娘リリスに興味を示し……。監督は「XXY」「フィッシュチャイルド」の女性監督ルシア・プエンソ。2013年・第10回ラテンビート映画祭にて上映(映画祭上映時タイトル「ワコルダ」)。

2013年製作/92分/アルゼンチン・フランス・スペイン・ノルウェー合作
原題:Wakolda

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映画レビュー

2.0重く冷たい戦慄

2015年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

怖い

貧しくも楽しそうな一家が、見知らぬ医師と出会ったことから、恐ろしい運命に引きずり込まれることになる。
映画は最初から最後まで冷たく重い。舞台が南米なのに一家の母親がドイツ語を話せるのは、子供のころにドイツ語学校に通っていたからで、その思い出話をするときに見せる当時の写真には鉤十字の旗が映っている。この時点で、彼らが出会ったドイツ人医師の素性はそれとなく提示されたも同然なのだが、そのことが分かってからのほうが俄然サスペンスが高まる。
この美しい景色の中で、平和な一家をどのような恐ろしい出来事が襲うのか。
その医師が行う「治療」の場面はおぞましいものではない。しかし、娘想いの父親が作る人形には心臓を入れる蓋がついていて、リアリティの追及と医師の出資のおかげで工場での大量生産に漕ぎつける。
映画の中で最もショッキングな映像はこの人形工場のであろう。体のパーツごとに同じものがいくつも並ぶ光景は、人体をモノとしか見ていない狂気を想起させる。熱湯の中からズラリ並んだ脚や腕が出てくるシーンは吐き気すら催すほどだ。
しかし、それでも映画のトーンは重く、陰鬱で、決して派手な演出は出てこないのだ。ペースを乱すことなく、淡々とサスペンスを増大させていく手腕がなかなかだ。

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よしただ
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