風の谷のナウシカのレビュー・感想・評価
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ジブリ映画作品の原点
ジブリ再公開
最初はもののけ姫位は観るかと思っていたら
結局全部観てしまい〆はやはりナウシカと
今観るとジブリ映画大作の基本プロットに気が付きました
基本的に主人公は「調停者」なんですよね
人間と自然とか
人間と神とかの間に入るので
超常的な力を持った(持つ運命を持った)主人公が
2時間のなかで双方を行ったり来たりしながら
互いの苦しみや憎しみを受け止めて話が進んでいく
キーになる登場人物は案外少なく
世界観は壮大だけどフィールドもそこまで拡げない
行ったり来たりする順番が頻繁だから
改めてみると展開をきれいに忘れてる感じが
するのかなと思いました
それだけキャラ作りが徹底してるからキャラが
勝手に動くように話が進んでいくんでしょうね
ナウシカは最後死ぬ結末を鈴木Pや高畑勲氏が
生き返るよう提案したそうですがそれによって
宮崎氏は神様を描いたつもりはなかったのに
最後に神様を出してしまったと後悔したと言いますが
死んで神格化する場合もあるのでどっちもどっちかなと
やっぱ大スクリーンで観るのは良いなと思いました
モノラル音声だからこそ劇場の音響で
ジブリ作品が色々とブルーレイ化されている中、このナウシカはドルビーモノラルである。
ドルビーなのにモノラルである。
当時、アニメ作品でステレオ音声が然程なかったのか?という話はここでは置いておいて、ナウシカは劇場でこそその音質が活かされる映画だと思う。
(一部マニアのハイグレードホームシアター環境を除いて)
オープニングのユパの旅のシーンからオープニング曲、そのまま空を飛ぶナウシカ。
一連の流れに添えられる久石譲の曲がとても美しく心に染みる。
この感動を味わえるのは今の映画館だけ。
最近の映画とは違うオープニングとエンディングのあっさり加減は昔の邦画の流れで、その分本編に凝縮された魅力で余韻は心にずっと残る。
終盤、オオババ様の目がカッと開き、ナウシカの姿を一目見て号泣するシーンからまたもや美しい音楽が奏でられ、最後の砂場まで揺さぶられていた感情を優しく包み込む。
モノラルだからこそ、小細工なしで響く映画。
是非、音響の優れた劇場で観て欲しい。
p.s. 上映前に新宿南口前の路上で連れと大喧嘩しました。
いろいろと考えさせられる映画
TOHOシネマズやイオンシネマで、過去のジブリ作品の再上映が行われていたので、観に行ってきました。『ナウシカ』や『ラピュタ』はテレビでは見たことがあったのですが、ぜひ映画館で観たいと思っていたので、TOHO系やイオン系の『一生に一度は映画館でジブリを』企画は本当に助かりました。
個人的に『ナウシカ』は『ラピュタ』と比べると、やや面白みに欠けるという印象だったのですが、映画館で見たからか、年齢を重ねたからか、すごく楽しめました。
人類が科学の発展と引き換えに引き起こした深刻な環境破壊。それが人類の生存をも脅かすという皮肉。そして、その環境破壊に抵抗しようとすればするほど、人類に牙をむき、猛烈な勢いで人類を飲み込んでいく自然界。
ある意味、環境破壊の被害者である自然界による加害者・人類に対する報復ともいえる構図。
そして、人類に猛威を振るう自然界に対抗しようとした勢力とは対照的に、自然と共に生き、活かし活かされる道を選んだ風の谷の人々とナウシカ。結果的に襲い掛かる自然の猛威から人類を救ったのはナウシカでした。
『自然は克服するものではなく、互いに共存共栄していくもの。自然を蔑ろにすれば、それが回り回って人類に実害をもたらし、自然を大切にすれば、自然は人類に生きるために必要なすべてを与えてくれる』。全体を通して自分はこの映画からそんなメッセージを感じました。
実際こんなことが起こるとは思いませんが、大気汚染や水質汚染が様々な病気を引き起こし、森林破壊や大気汚染が前代未聞の水害をもたらす昨今の事情と併せて、改めていろいろと考えさせられた映画でした。
10年ぶりくらいに観て、最後のシーン以外はあまり印象に残ってなかったのですが、全体的に要所要所に見どころがあって、メリハリもあって面白かったです。
生き物たち。
マスクを付けないと五分で肺がやられる死の森…これを聞いた時、ここまでではないが今の現状と重ねてしまった。
且つ人間同士や自然?虫たちと人間の争いをも現在と重ねて見入ってしまった。
子どものときはどうゆうストーリーかと聞かれたらとても難しいお話で、大人になっても尚、説明するのが難しいのではないだろうか。
映画館で観るといつも観る以上に泣きました。
互いを尊重する原点
ジブリ作品リバイバル上映として久しぶりに鑑賞した。
僕が生まれる前の作品だが、あまりジェネレーションギャップを感じる事なくいつ見ても時の流れを感じる事のない貴重な作品。まぁ逆を返せば時を感じないという事は今だに人は争いをやめる事ができず、互いを否定し理解しあえてない世界が変わってないという事でもあるが…
この作品も色んな見方はあるんだろうけど、僕自身幼少期に見た時に人々の争いに対する無意味さへのメッセージ性が強いという見方をした事もあってやはりそういう視点で鑑賞するのが見易く感じる。
その為数年に一度この作品を観る際はどうしてもそういう視点で見てしまうのだが、その視点が強いとどうもナウシカのご都合主義が強く感じ、個人的にはジブリの中では特別エキサイトできる作品ではない。
もちろんアニメーション映画だから単純明快でいいと思うのだが、複雑な世界観の割には例え敵対する相手、虫であっても理解し愛する事を身を投げ出してでも貫く事で世界は救われるという当たりがどうも好みではない。
もちろんナウシカの相手を傷つけない戦う姿には一定の共感や感動はするのだが、どうしても理想像感が強すぎてどこか冷めた目で見てしまう。
この辺りは自分の心が清くなく捻くれてるのかなとも思えて悲しくはなるが…
まぁそれでもジブリの原点でもある為大切な作品の一つである。こうしてリバイバル上映でも足を運んで観に行ってしまうわけだから国民的な作品の一つに違いないだろう。
ガッカリだったな
当時、『ルパン三世・カリオストロの城』にはまり、何度も映画館に足を運んでいた。
『カリオストロ』の評判は少しづつ上がっていき、アニメ雑誌で監督の宮崎駿の特集なんかが組まれ、子供の頃に観て好きだった『太陽の王子ホルスの大冒険』や『長靴をはいた猫』『パンダコパンダ』も、宮崎駿が参加して作られたアニメだと知った。
『カリオストロ』に懐かしさを感じたのは、そのせいだったのね。
やがてアニメ雑誌に宮崎駿は『風の谷のナウシカ』というマンガの連載を始めた。
簡略化されたアニメの絵と違い、諸星大二郎っぽさを加えたような細密な画風。
残酷さも正面から描く、壮大なファンタジー。
夢中になって読んだ。
宮崎駿がいろんな著名人と対談する連載も読んだ(笑)。
そうしてるうちに『ナウシカ』のアニメ化の話を聞いた。
もちろん監督は宮崎駿。
原画には、そうそうたるベテランアニメーターに加え、独特な原画で知られる金田伊功さん、DAICONオープニングアニメで名をはせた庵野秀明も参加するという!
自分は期待に胸を躍らせた。
発表された主題歌が、ちょっと変だったが。まあ構わなかった(笑)。
公開されて、すぐ劇場に足を運んだと思う。
映画が始まると、徐々に自分は失望していった。
ぬるい。まるで気の抜けた炭酸飲料のようだ。
考えてみれば、話は原作通りなのに残酷なシーンは見せず、演出はこれまでの「まんが映画」の様式なんだから当たり前か。
映画のクライマックスは、王蟲の暴走をナウシカが止めるところらしい。
でも原作では王蟲とナウシカの間に酸の湖があったから、結果として王蟲が止まったのに、映画だと湖がないよ?
どうすんだろ、と思ったらナウシカが王蟲に跳ね飛ばされ、人形のようにポーンと宙に舞った。
その、あまりに間抜けな絵面に、自分は笑ってしまった。
さらに何頭もの王蟲が踏み潰していったようだから、もうミンチどころか肉片も残ってないだろう。
なのに王蟲が止まると・・、ナウシカ、五体満足じゃん!
なんじゃ、こりゃ。
いやあ、これで感動はできないでしょ。
ガッカリだよ。
その後、宮崎駿の監督作品は『天空の城 ラピュタ』『となりのトトロ』と観に行って、この2作品にはほぼ満足。
ただ演出のワンパターンさが、鼻についてきた。
そして『魔女の宅急便』で、「もう、いいかな」と思い、宮崎駿の作品を劇場に観に行くのを止めた。
それにしても宮崎駿が、こんな誰もが名前を知ってるような、国民的アニメ映画監督になるとは思わなかった。
それは別として『もののけ姫』は、日本の戦国時代を舞台にした、山猫のようなもののけと、心やさしいお姫様の物語であって欲しかったな。
面白いのは周知の事実。ただ原作と比べると…
戦争により文明が崩壊した未来を舞台に、辺境の国「風の谷」と大国「トルメキア」の諍いに巻き込まれたナウシカ姫の活躍を描くSFファンタジーアニメ。
監督/原作/脚本は『パンダコパンダ』シリーズの脚本や『ルパン三世 カリオストロの城』の監督を務めた、アニメ界の伝説、宮崎駿。
なお、本作は宮崎駿にとって初の長編オリジナル監督作品である。
原画として、後に日本アニメ界の巨匠となる庵野秀明が参加している。
何度も見ている作品だが、DVD特典の庵野秀明&片山一良さんのオーディオコメンタリーが聴きたくて視聴し直しました。
見直して思ったのは、なんか世界が狭い。
原作では「トルメキア」と敵対する「土鬼」が世界観の構成に一役かっているが、映画版には出ないので小国「風の谷」、大国トルメキアの辺境制圧部隊、工房都市「ペジテ」の小さなコミュニティーの戦いになっている。
2時間の映画にする為に土鬼を削るのは正解だとは思うけど、こじんまりした世界の話になっちゃってる。
脚本もあまり良くないですね。
ペジテ市で発見された巨神兵を本国に輸送するというのがあまり納得できない。
ペジテ市を制圧したのだから、トルメキア軍をペジテに駐屯させてそこで研究させるというのが自然だと思う。
重すぎて輸送機ごと墜落というアホらしさ。
ラストでクシャナが巨神兵を従えていたが、その方法もわかんないし。
クシャナとクロトワは本来すごく魅力的なキャラクターなのに、それが活きていないのも映画版の問題点ですね。
色々と思惑がある人達で、決して悪役ではないはずなのだが、ナウシカの父ジルを殺しているから、最後まですごく悪いキャラクターだと視聴者は感じちゃう。
ナウシカと出逢って変ったような描写もあるが、それも中途半端。
特にクシャナの扱い方には大不満。全然賢く見えないしかっこ良くない!!
巨神兵の扱いもひどい。
物語の起点であり、クライマックスの展開の引き金になった存在にも拘らず、出番はほんの数分で退場。当時のアニメ技術で巨神兵を動かすのは大変だったのだとは思うけど、もう少し活躍させないとダメでしょ。
ラストの王蟲の暴走をナウシカが身体を張って止めるのも、個人的にはあんまり良くないと思う。
原作では自然を弄び戦争の道具にした土鬼はトルメキアの兵士とともに王蟲の波に飲まれる。
人間が自然を支配できると思うなどおこがましいということがここで示唆されています。
それを映画版のように奇跡で解決するのはやはりテーマ性がブレますよね。
そもそも胞子を抱えた王蟲の大群が風の谷の近くまで来ているんだから、あの一帯は腐海に飲まれるわけで、結局谷はもうダメだと思うんですけど…。
原作では王蟲の津波はこれから始まる壮大な物語の序章なのですが、映画ではそれがクライマックスとして語られる。
物語を華麗に終わらせるためにナウシカの奇跡を用いるのはある意味仕方ないのは分かるんですが、やはり安易だな、と思わざるを得ません。
色々と文句を言いましたが、やっぱり大好きな作品です。ダメなところもあるから、愛くるしいというか…。
アニメ映画として、原作の難しい所を排除して大衆的にしなければならないのは仕方ないですし。
ナウシカのキャラクター性は本当に凄い!1984年にこの映画を観た人は心を鷲掴みにされたのではないかと想像します😍
可愛さや格好良さ、美しさ、猛々しさ、父性と母性、エロスとフェティシズムを兼ね備えた本当に凄いキャラクターだ!
声優陣も本当に凄い!納谷悟朗さん、永井一郎さん、家弓家正さんなどの今は亡き名優の演技も素晴らしいですが、やはり島本須美さんは凄い!
普段の可憐なボイスから一変、ガンシップに乗り込んだ時の勇ましいボイスへの切り替えは超一流の仕事!
そして動きの気持ち良さ。執拗なまでに拘る風の描写と、メーヴェやガンシップの緩急のついた作画の凄まじさといったら!
特にアスベルがガンシップに乗ってトルメキアを急襲するシーンの静と動の使い方は最高!
音楽も気持ちのいいタイミングでバシッと挿入される。この時の久石譲は電子音楽に凝っていたのか、そういうジャンルの曲が多かったが、美しい楽曲を聞かせてくれる。
オリジナル劇場作品第1作がこれなのだから、やはり宮崎駿は100年に1人、あるいはそれ以上の天才であることは間違いない!
蠱(むし)の樹(もり)のナウシカ
[1]〈初めて観たときの感想〉最後に説教臭いババアが出てこなければもう★ひとつだったんだけど…[2]〈2回目大スクリーンで観たときの感想〉①今回はバアさんの台詞はあまり臭く思わなかった。私も人間丸くなったのかな。②平安時代の『虫愛ずる姫君』に着想を得て(と聞いているけど違うのかな?)このような漫画世界を創出した宮崎駿はやはり凄いと思う。③前回も思ったけどナウシカが腐海の森の底からどうやって外に出れたのか(多分カットされたんでしょうけど)説明シーンがないのが不満。④人間が自然と共存するには、
ごめんね、酷すぎるよね、許してなんて言えないよね、
幼い頃から繰り返し繰り返し何回も何回もビデオで観てきた作品。
改めてこの世界の設定、トルメキア軍とペジテ側それぞれの思惑と目的、ナウシカの行動の意味など諸々確認しつつ大号泣しつつ、初の劇場鑑賞。感無量。
ナウシカは自然や人々に対する慈愛が深く谷の民から厚く愛されているけど、決して完全無欠の神ではない。
好奇心に富み溢れる怒りや興奮の感情を見せて時に猪突猛進する一人の娘として描かれているところが好き。
谷の民を守るために奮闘する姿のかっこよさ。
蟲や動物と心通わす姿の美しさ。
しなやかな身のこなし、凛と張った態度。
何かとリアクションするときの声。
彼女に憧れるあまり、真似しまくって糸の先に熊手的な物を付けてブンブン振り回したり短剣の代わりに金串を壁に突き刺していた時を思い出す。危険すぎて怒られてたな。
今でもメーヴェに乗って空を飛び回る夢は諦めていない。
腐海探検をするナウシカの全ての仕草が好き。午後の胞子が雪みたい。
王蟲の抜け殻にいきなり力いっぱい刃を立てるとこ好き。
テトとの初対面のやり取りが好き。怯えていただけなんだよね。ほら怖くない。ウフフ
濃い瘴気の中マスクを外し、城オジ達を助けるため声を張ってサムズアップするナウシカが好き。
足でハンドルを操作しているのも好き。
不時着しかける船の中のラステルと目が合うシーンが好き。鳥肌。
胸元のボタンを外したとき、何が見えたんだろう。凄惨な傷か。
アスベルや囮王蟲を釣っていた男性が、攻撃の最中に身を賭して止めようとするナウシカにラステルを重ねていたところが好き。
きっとラステルも自国で同じように優しく皆に慕われる存在だったんだろう。
二人の王女が重なると胸がいっぱいになる。
アスベルの「味はともかく、長靴いっぱい食べたいよ!」が好き。
ペジテの長に背きナウシカを助けようとする姿のなんとかっこいいこと。惚れる。好き。
ガンシップで襲う目つきの鋭さも好きだし腐海の地下での砕けた態度も好き。
クシャナ殿下が捕えから逃げ、崖のようなところを登り進む際の、金属の足が砂面にめり込み少し沈むのが好き。
タヌキ…ではなくクロトワ参謀の「短ぇ夢だったぜ」が好き。
巨神兵が来る直前、迫る王蟲の群に恐れをなした兵隊が次々逃げて行くの好き。
トルメキア側も完全なる侵略者や制覇目的というより、自分たちが長く生き延びるために見つけた策にはまって過激になっているように思える。
戦争の原因って小さいことが多いじゃない。
特にクシャナは立場ならではのジレンマも抱えていて、そのやり口は好きになれないけどキャラクター自体は好き。
トルメキアとペジテ、やることはどちらも非道。
手は違えど目的や思想は似通っていて、その極端さに頭が痛くなる。
しかしそれを完全に責め立てられない。
自分だけ可愛い気持ちは誰でも持つもの。
だからこそ、そうでないナウシカに皆惹かれるんだと思う。
ユパ様の腕に剣が刺さってしまうところ好き。痛い。ごめんなさい。好き。
大ババ様の「その物青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし」の言い方が好き。
城オジ三人衆のコミカルな言動、特に戦車を乗っ取った際の「わしゃギックリ腰」「わかっとるがなもう」が好き。
「働き者の綺麗な手」の話が好き。
子供の合言葉のやり取りが好き。
「風」「たにぃぃ!!」昔は「カニ!!」って言っていると思っていた。そんなわけない。
いままで築き上げてきたもの、平和な日常が崩されていく様がショッキング。
たくさんの人や生き物が死んでいる。
風車や塔が壊され、大切な森に菌糸が蔓延ってしまうやるせなさ。
ひとつひとつどうしようもない事が起こる度に心が沈んでいき、どうにかできないかと思った。
人と人の争いもだけど、蟲たちによる襲来もなかなかの恐怖。
朽ち果てたペジテの惨い様。
大地の怒りの権化となった王蟲の群れのなんと多いこと。
たった一匹の子供のために!?とも思うが、その仲間意識の強さと繋がりの意識に感銘。
そして最大の肝である巨神兵。
どういう仕組みかわからないが一吹きで絶大な威力の火の攻撃。王蟲が弾けるたびに苦しくなった。
ドロドロと溶けゆく身体と顔が気持ち悪くてゾワゾワする。
あんなのが何人も正常に動いてた時代なんて。
核兵器の比喩なのかな。
今なおいくつかの国に眠る奴らなんて地の底で死んでくれればいいのに。
そして攻撃に攻撃を返すのではなく、真っ当な方法で還すナウシカにまた胸打たれる。
当たり前の方法なのに。でも他の誰かが同じことをしても王蟲たちは止まらなかったと思う。
王蟲の体液の染み込んだ服、とても素敵な深いブルーで好き。
真っ赤だった目が青く染まっていくところがとても好き。あの金色の触手も。
腐海の浸食に怯え病に侵されジワジワと破滅を迎えなければならないのか、それを食い止めるために全てを燃やすのか。
そのどちらでもない、腐海と共存する術はないのか。
腐海の役割を正しく理解し、ナウシカが見つけようとしているその道は現実世界でも必要なものだと思う。
この映画が35年前のものであることに驚き。
傲慢な人間、大気の怒り、今に通ずるものや未来に通ずるものがあまりにも多い。
地球温暖化なんて言葉もはや聞かなくなった昨今、じわじわと破滅に向かっているのは映画の世界ではなく今まさに生きているこの世界。
ナウシカのように自然に敬意を払って生きていけるだろうか…。
自分の未来が怖い。死にたくない。
思い出補正もあれど、心から愛してる作品。
おそらくものすごく沢山の意味が込められていて、それを全部考察するのはなかなか難しい。
変に深読みする暇もないくらいこの映画の世界に入り込んでしまう。
好きなところが多すぎて挙げきれない。
初めての劇場鑑賞。
ノスタルジーも含め、好きなシーンでいちいち号泣していたので大変疲れた。大変満足。
ああー、メーヴェに乗りたいし蟲笛ブンブン回したいしアスベルとデートしたいし流砂に飲み込まれたいしユパ様と探検したいし大ババ様のスープ飲みたいしミトとお酒飲みたいし王蟲の触手に包まれてランランララランランランしたい。愛してる。
シタアス調布のリバイバル上映にて。
これほど好きな作品だというのに原作をほとんど読んでいないことに気付いたので即購入した。
追記
原作を読んだ。映画の感想ではないので少しだけ。
思っていたより戦争戦争で、土鬼や蟲使いなど民族が多数出てきて若干混乱。
ナウシカの神格化(本人はそう思っていないが周りの持ち上げ方が完全にそれ)が加速していた。
辛くて厳しい終末と再生、再出発の物語。チククがめちゃくちゃ可愛い。チククの針は痛いぞ。
映画への思い入れが強すぎて、漫画の展開にショックも大きい。正直しんどい。
私は私の好きなナウシカの物語を愛し、これからも心の支えにしていこうと思う。
土鬼側の遣り口をペジテに合わせたりユパの体験をナウシカに当てたり、映画にするにあたってのまとめ方が上手いな…。
生きねば。
原作と映画の違い
子供の頃よく見ていた映画で、何気なく観てたのですが、原作だと映画の話から続きがあるようです。
僕にとっては音楽がすごく印象的で楽器はごくごく聞いたのとがあるのにどこか寂しさ、懐かしさのような感じを受けます。
大人になってからみるととても考え深い映画です。
強く、心優しく、全てを愛するヒロイン
"金曜ロードSHOW!" で鑑賞。
原作マンガは既読。
数え切れないほど観ているのに、観てしまう。ストーリーを知っている。ラストがどうなるかも分かっている。でも、毎回面白く観られる。飽きが来ない。これぞ、名作の証し!
自然との共生と云うテーマは、公開から30年以上経過した今尚色褪せること無く、凄まじい問いを投げ掛けて来る。
人類の愚かさ。全てを掌握しようとする傲慢さのせいで喰らうしっぺ返し。それでも懲りずに争い、滅びの道を歩む。
全てを愛し慈しむナウシカは、自然も人類も分け隔てなく救おうと奮闘。どこまで美しく尊い心の有り様なのか。
人類が散々に汚した自然。逞しい自然は腐海をつくり出して自らの手で浄化を試みる。しかし、身勝手な人類は自分たちの生存ばかりを考えるが故に、腐海の仕組みを理解しようともせずに焼き払おうとし、残された土地を奪い合う始末。
そんな愚かな人類でも、他者を思いやり、互いを尊重することが出来る余地があるのだと思うとなんだか愛しくなって来ました。ペジテの艦の一室に閉じ込められたナウシカをアスベルの母親が助け出してくれる場面で痛切に感じました。
クライマックス、人々の眼前に展開された労りと友愛が起こした奇跡。涙が零れました。荘厳な名シーンだなと改めて思いました。ナウシカが命を懸けて守り通したものを、我々も未来永劫大切にしていかなければならないなと感じました。
[以降の鑑賞記録]
2020/06/27:TOHOシネマズ東浦
2023/07/07:金曜ロードショー
※修正(2024/02/17)
30数年ぶりに見た。
公開当時、ほぼ無名だった宮崎駿をコアなファンたちだけが熱愛していた。ルパンとコナンが偉大な作品だったから。・・・次の作品はいつかいつかと待ち焦がれ、ついにマンガのナウシカが映画かされると知ったとき、飛び上がって喜んだ。
・・・公開された作品を初日に見て私はもちろん失望した。なんてひどい脚本なんだと・・・しかし作品は幸いにもヒットした。私はそれが嬉しかった。私には既に知り尽くしたような宮崎ワールドだったが一般人には新しかったのだ。
・・・今、見直してみるととても最後まで見ていられないヒドさだ。前段20分の説明セリフの嵐はなんだ?なんで事件が起きるまで20分もだらだら世界観説明してんだ?クシャナが現れて盛り返すのは見事だが腐海に落ちて激しくトーンダウンする。そこんところのエピソードそのものがテーマの説明になってしまっている。クライマックスは臭いとしか言い様がない。
演出はまったく素人のようだ。金もなくてカメラを動かすことができずほとんど全て固定カメラになっているし。・・・しかし私は幸運であっただろう。宮崎駿という巨人が映画の世界に足を踏み出す第一歩の醍醐味を存分に味わうことができたのだから。
ジブリ美術館の予習
あら!人はまた争うのね!
なぜか、世界が滅び
虫が大きくなった世界で
愛と平和を貫く少女の話。
これは、悲しい結末なのか!
遂にジブリで主人公殺して泣かすのか、と
ジブリをあまり見た事ない私は
あらまぁ・・・・・と
オームに何度も打たれるナウシカを
観ながら思いましたが
やはり、ジブリはそんな安い泣かせ方はしません。
主要キャストは殺しましぇーん。
人と自然は共存できないのか。
また、人同士は
なぜ争わなくてはならないのか。
争いは無くならないのか。
もののけ姫と同じようなテーマなのだろうか。
いや、これは
人類の永遠のテーマなのかもしれない。(どこかで聞いたことある締め方ね)
大傑作
テレビ放送されたので久しぶりに録画して頭から見てみたところ、かなり伏線が丁寧に張ってある割に、設定や何か2時間で語るのが窮屈そうなほどで、セリフによる説明で片付けているところが目立った。今なら前後編2時間ずつで作ってほしいくらいであった。ナウシカと蟲や、谷の人々との生活描写、またトルメキアやペジテの様子もじっくり描いてほしかった。
年を取ったせいか、クシャナがいろいろな思いを背負って手を汚している事や、部下のたれ目の苦渋などに感情移入した。
ジブリは漫画版のナウシカを4部作くらいで、庵野秀明監督を起用して映画化したらいいと思う。
(追記)
2013年の年末に見て以来、6年ぶりで劇場公開時以来のスクリーンで見た。アクションのカット割りのリズムがめっちゃくちゃ気持ちいい。ユパが「ユパ様」とか「先生」と呼ばれている。おいしいところを持っていきすぎ。ナウシカがお父さんが殺されて、かーっとなって敵を5人くらい一気に撲殺して、その後「もう誰も殺したくない」と言っていたのが何気に怖い。もしかしたら前から人を殺していたのだろうか。また10年くらいしてスクリーンで見たいものだ。
1,2を争う宮崎作品
総合:95点
ストーリー: 95
キャスト: 95
演出: 95
ビジュアル: 85
音楽: 100
個人的に宮崎作品の中でも1,2を争う優れた作品だと評価している。冒頭で映画全体に関する序章を見せ、久石譲を音楽の担当とし、主人公を思いっきり冒険させるというその後のジブリにおける宮崎映画の基本を確立した記念すべき作品でもある。
物語の設定は汚染され尽くした未来の地球である。しかし自分たちの過去の所業のため人類が滅びかけている中で、さらに愚かな行いを飽きることなく繰り返してしまう人の業を暴き出す。その大きな流れを止めようと奮闘するナウシカの勇気と行動力に魅了され、彼女のもたらした結末に感動する。環境破壊による社会・経済の破綻、人の制御を超えた技術の進展、権力争い、戦争、汚染された苦しい環境でそれでも精一杯生き抜く人々の生活。そのような主題が主人公の命懸けの冒険の中にうまく散りばめられ、活劇としての面白さと共に多数の問題を視聴者に投げかけ考えさせられる。
登場人物はみんな魅力的である。ナウシカは城でじいや父と話しているときは優しい少女なのに、腐海に一人で出かけるお転婆な一面もあれば危機には勇ましく戦い、また村の人々のためにはクシャナに譲ることもあり、ヒロインとして人間らしさと高い能力・精神力を見せる。それを城のじいたちといった味方がいい味を出してナウシカを助ける。また敵である有能だが屈折したクシャナや、隠れた野心家クロトワといった登場人物たちも個性的で存在感がある。ナウシカとクシャナは敵同士であるが、汚れた世界で苦しいときにも諦めず強くあり続けようという意味で似た者同士なのかもしれない。王蟲をはじめとする人間以外の登場物も秀逸だった。
久石譲の音楽がまた素晴らしい。映画の壮大さを劇的に盛り上げるかと思えば、ナウシカの心の悲しみを謳いあげることもあるし、滅びかけた人類の営みを美しく奏でることもある。彼にとっても大きな出世作となった。映画を見ないでサントラだけ聞いてもかなり楽しめる。この映画にこれ以上の音楽は誰にも作曲出来なかったと思う。
個人的には、風の谷に過去の伝説があり、ナウシカがその伝説の人になるというのがあまり好きではない。ナウシカは伝説の人になろうと思っていたわけではないし、ただ一生懸命自分が出来ることをやっていただけである。それを伝説どおりに動いたみたいに言われると、その伝説は一体いつどこから来たのかと疑問に思ってしまう。ナウシカはまず伝説があるから最初からそうなる運命だった、みたいになってちょっとわざとらしく感じるのだ。
しかし非常に優れた作品である。よくぞこの時代にこれだけのものを作った。これを見た後、その後の宮崎監督の評価がどうなるかが容易に想像出来たし、だから後に「千と千尋の神隠し」で彼がアカデミー賞を取ったときにも別段驚きはなかった。むしろこの作品でこそアカデミー賞をとるべきだったと思っている(実際はアカデミー長編アニメ部門は2001年からだが)。
この作品では宮崎監督はまだ有名ではなく興行収入も赤字で、宮崎監督の評価が確定するのもスタジオジブリが映画公開で黒字になるのもこれより後の作品からである。しかし特に最近の作品しか知らない若い人には反対意見もあるかもしれないが、この作品の前後数年が宮崎監督の頂点ではないかと思っている。その中でもこれは絶頂期の作品であろう。
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