あなたを抱きしめる日までのレビュー・感想・評価
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良いお話だとは思うのだが…
母息子愛に感動を求めて鑑賞。
とても良いお話だとは思うのだが、実話が題材ゆえどうしても既定路線内。
影像や音楽でもう一工夫欲しかったかな。
私の評価は良いお話にケチを付けているようで少々心苦しいが、それでも総合的にはやはり星3つというところか。
修道院はクソだった(笑) それでもあなたは神を信じますか? 私なら...
修道院はクソだった(笑)
それでもあなたは神を信じますか?
私ならこう答える。
「万物を創造した神は信じるが、人間が創造した神は信じない」
スティーヴ・クーガンがよかったです
2024年4月17日
映画 #あなたを抱きしめる日まで (2013年)鑑賞
18歳で婚前妊娠したため修道院に入れられ、生まれた息子が3歳になった時に強制的に養子に出された女性が50年経って息子を探す旅に出た実話
一緒に旅をするジャーナリストとの掛け合いがよかった
神の元で行われた人身売買が恐ろしい
この一言が沁みる
主人公フィロミナ(ジュディ・デンチ)が、カトリック教会の老シスター、ヒルデガードに行った一言「私はあなたを赦します」が秀逸!
シスターがみんなマリアテレサかと思ったら大間違い。厳しい戒律を守り通したからといって人間性を磨いたことにはならないのです。
酷なことをする
1952年アイルランド。10代で未婚の母となったフィロミナは、母子とも修道院に入れられ、幼い息子アンソニーは養子に出されてしまう。50年後彼女は娘ジェーンにそれを告白し、アンソニーを探そうと決意。ジェーンは、知り合ったジャーナリストのマーティン・シックススミスにそれを依頼し。
なんて酷なことをする、それでも聖職者か。実話をもとにした物語。当時、それが当たり前だったとは信じられませんでした。フィロミナおばあちゃんと皮肉屋マーティンの掛け合いがユーモラス。またその後のアンソニーであるマイケル・ヘスの、ケルティックハープに願いを込めた劇的で波乱な人生に驚きました。
『最高の結末よ、100万年に一度よ。』
遠藤作品を色々読んで思うのは、イエスは素晴らしい人格者だと思う。
ただ、それを曲解して、違う方向で広まったのはキリスト教だと思う。
イエスは自分の崇拝など望んでないし、ただ、辛い思いをしてる人に寄り添う。
この映画の主人公フェルミナがそうなのだ。人の過ちを赦す。
その分、自分が苦しむことを選ぶ。
鑑賞して思うのは、この母と息子は、分かり合えている。
それは死後も続く。
信じ待ち赦す
TVドラマ「スクール・ウォーズ」で、
滝沢先生が生徒に説いたポリシー。
今思えば、彼はカトリックだったのか❓
でもシスターは謝ってない。
「我こそ正義」を貫いているが、
「正義」こそ厄介という真実。
天災などを例に挙げ、
「幸せな人生に宗教など不要」
と言われると、
色んな国を敵に回しそうなセリフだが、
宗教のいう幸福とか幸せって、
大勢とか国とかじゃなくて、
もっと個々の価値観に沿うものでないと、
そこまで寛容にならないと、
残っていかないのでないだろうか。
18歳で子供産んだ私が悪い、とか、
ゲイである自分が悪い、とか、
自分を責めなくて良いよ👌
「007」のMが、
少し間の抜けたおばあさんを見せる所が、
息抜きになる。
タイトルはダサいが中身は良い
無駄に二時間超えが多い中で1時間半強に手際よくまとめた手腕に敬意を表します。
息子を訪ねて一種のロードムービーとも観られます。
結構いろんなエピソードが入っているにも関わらず、人物の背景や心情も的確に描写しています。
主役二人が上手いというより、余りにも自然に演じていて共感性が高いです。
収奪された時間を取り戻す、過去へと向かって行くロードムービー的側面
かつて、一夜限りの交わりで授かった子どもを修道院に取り上げられた老女が、子どもの50歳の誕生日にその過去を告白し、彼との再会を志す。
信仰とはなんだろうかと考えさせられた。
本来、人を救うためのものである宗教が、救うためではなく、償うために、厳しい戒律を強いる。
殊、絶対神を崇める一神教には、生まれてきただけで罪深いとする「原罪思想」や最終的には神に裁かれるとする「終末思想」に象徴されるように、大なり小なりその傾向が見られるし、特に厳格なカトリックでは、そこに教会の支配性が加わると思う。
本作は、信仰のもつ強い原罪観、終末観の結果、収奪された時間を取り戻す、過去へと向かって行くロードムービー的側面もある。
悪意ではなく善意から生まれる悪魔的行為を、更なる善意で包むジュディ・デンチの好演が光る。
カトリックへの強い批判性を持ちながら、信仰の本質である「愛」や「赦し」を逃げずに真正面から描いている。
せっかくの製作陣の想いが昇華されなかったような…
邦題名が「あなたを抱きしめる日まで」
だったので、最後には子供に会えて、
との話かと思い観ていたら、
作品の半ばで彼が死んでいることが判り、
この先はどうなることやらと
案じながら残りを鑑賞した。
途中、英米の文化の違いや
ジャーナリズムと市井の葛藤、
また、LGBTの現状や
性への欲望と純潔性との整合性等、
盛りだくさんのアプローチがあったが、
原作本を書いたそのジャーナリスト役の
言葉からは、
やはり宗教批判の視点からの作品のように
感じられた。
アイルランド修道院の酷い暗黒面を
採り上げた作品だが、
名優ジュディ・デンチを配役した影響が
あってか、生き別れた息子を探す女性が
主役的に扱われ、作品の中でも
米国行きを楽しんでいるのが彼女の方で、
問題により真剣に向き合っているのが
ジャーナリストのように
描いているのだから、
彼を徹底的に主役に据えた方が、
テーマがより明確になったような気がした。
また、各処に見られる微妙に長い間合いが
冗長さを感じさせ、
全体的に演出の妙も感じられず、
せっかくの製作陣の想いが
昇華されないで終わってしまったような
印象を受けた。
5/17再鑑賞
皆さんの評価が押し並べて高く、
自分の理解が不充分ではなかったのかもと
思い再鑑賞した。
しかし、母親は冒頭から寛容性の高い女性
として描かれている中、
終始、彼女の人間性に変化があったようには
見えない。
むしろ、ジャーナリストが記事にしないと
言ったのは彼女の影響だったのかも
知れないが、
それに対して、彼女が記事にして良いと
事件を明らかにする行為は、
彼女の寛容性とどう関連付けたかったのか、
彼女の社会意識の芽生えとしたかったのか
分からなかった。
結果、今回も感動に繋がらなかったのは、
テーマの深刻さの割には、製作陣に
表現の上での技術的な不足があるように
感じてしまったためだろうか。
さすが貫禄のジュディデンチ
ジュディデンチ扮するフィロミナリーは、キャンドルを捧げに協会へ来ていた。 フィロミナはかつて行きずりの子を身ごもっていた。修道院から里子に出され隠されていたその子は今50歳。
フィロミナは取材に来た記者に息子アンソニーを探してくれと頼み込んだ。
ジュディデンチと言えば何と言っても 007 の M だね。M 以外の映画はこれで2本目。まあ M がホワイトハウス前にいたと言うだけでも面白いかも。でも息子の跡をたどる旅も辛かろう。サスペンスの様な展開でなかなか面白かったよ。さすがジュディデンチ、貫禄の演技だね。
ハートフルと思いきや…?
タイトルとポスターだけを見てあらすじは読まずにハートフル系と思って観たんですけど全然違った!
心の底からの憎しみや苦痛、怒りを感じる様な映画でした…
宗教のあるべき姿とは何か?
宗教という物を使って欲を満たすのを隠してる又は言い訳してるのではないのかと感じ、驚きを隠せなかった…だって…これ実話なんだもん…
ただそれ以上にこの作品からは愛を感じました…母としての愛を…
あと、ジュディ・デンチがフレンドリーでお茶目で可愛かったです!
ケルティッシュ・ハープ
政府の要員になっていたアンソニーは、胸に小さな金色のケルティッシュ・ハープの記章を着けていました。
「どこかにいるお母さん! いつかテレビか新聞か、それとも雑誌の片隅で、僕のケルティッシュ・ハープに気づいてね」
そういうことだよな・・
今夜はちょっと泣きながらギネスビールを買ってきて飲みたい気分です。
派手さのない小品でしたが、魂にしみる映画でした。
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「イタリアは呼んでいる」では軽薄でTV カメラ目線をたびたびやってしまっていたスティーブ・クーガンだが、この映画では企画から立ち上げただけあっていい演技だった。
ジュディ・デンチのあの役の入れ込み様を間近に見れば、共演者側も渾身の演技を引き出されてくるというものだ。
そして50年というギャップを一気にさかのぼる演出は、スピーディーで目が離せない作り。もたつく老母が主人公なのだが、話の展開は実はとても速い。
才長けたジャーナリストの 読ませる原作ゆえだろう。
二人の表情の演じ合いが見事。
3回鑑賞。
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追記
ピートのあの拒み様は何故と思い映像を再点検。
部屋の置物にヘブライ文字が入っています。そしてあの髭。ユダヤ教徒ですね、カミングアウト出来ないピートの立場が判明。
キリストの教えと倫理観のパラドックス
原題は、PHILOMENA。主人公である母親の名がつけられています。
この物語はどうやらノンフィクションの小説をもとにつくられているようであり、実話に基づく映画のようです。
舞台はアイルランドのシスターたちが住み込みで働くカトリック教会。10代の主人公フィロミナはある日出会った男の子と一夜の恋に落ち、婚前交渉はもとより、永遠に処女であることを犯し、厳格な規律を破る形で妊娠をしてしまいます。これは罪であり、彼女は重い罰を50年間に渡り受け続けることになります。そんな彼女の最後の行動には頭があがりません。
僕は無神教ですが、キリスト教というと、漠然と愛に寛容なイメージを持っていました。
だからこそこの物語の最後には大きなショックと悲しみ、怒りもとても湧きました。
シスターらにとっての戒律と、人としての倫理観をバランスするあまり見られないテーマを投げかけてくれる映画です。
シスターの生涯を通じた奉仕には心を打たれるものがありますが、人として尊敬はできませんでした。
宗教に対し、広い心で尊重はできますが、人間らしさに背く行い、教えに対しては盲目的になってはならないなと反面教師として教えてくれる映画ではないでしょうか。
観てよかった!ジュディデンチが素晴らしい
こんな事実かあったとは驚いた。記事で再起を目論むジャーナリストと、信仰に生き息子を探し続けるおばあさんとのちぐはぐな二人旅。そこで明らかになる驚きの結末。ジュディの嘘のない表情が演技を超えた説得力で心を揺さぶる。感動とやり場のない悲しみで教会を責めたい気持ちでいっぱいなのに、当のおばあさんが口にした赦しの言葉はあまりにも深い。本当にいい映画。
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