「ケイト・ブランシェットは巧いけど、内容は好みじゃない」ブルージャスミン マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ケイト・ブランシェットは巧いけど、内容は好みじゃない
ちょっと小洒落た恋の物語を語ってきたウディ・アレン。「ミッド・ナイト・イン・パリ」で目的を達成したかのように、がらっと内容を変えてきた。だが本作でいきなりシフトしたわけではない。いま思えば「恋のロンドン狂騒曲」で既に“悲喜劇”に舵を切り始めている。
裕福で贅沢な生活を手放すことになったジャスミン。その原因の一端は自分にありながら、すべての責任を他に求め、自らの虚栄心を捨てきれない哀れさ。ジャスミンの身勝手な言い分にうんざりする。妹まで巻き込む無神経さにもイラつく。はっきり言って面白くもない自己中の女の言動に付き合わされる不愉快な作品だ。
逆を言えば、なんと巧い演技なのだろう。ラストなぞ、ひとりの女のこれ以上ない見難い醜態を見せる。綺麗な女優が、最大のマイナス面を曝け出すのだ。よくこんな役を受けたなとさえ思う。ケイト・ブランシェットの役者魂に恐れ入る。
ただ、やっぱりこの作品は嫌いだ。気が滅入る。まったくブルーになる。ウディ・アレンとケイト・ブランシェットのタッグにしてやられたということか。
p.s. [印象]の項目を増やしてほしい。該当するものがない時がある。今回は仕方なく“悲しい”にチェックを入れたが本音は“耐えられない”。もちろんいい意味だが、どう取るかは読み手しだい。
コメントする