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リドリー・スコット。いつぞやの「デ・パルマ」ベストのように世間でリドリー・スコットと言えば
5位・ブラックホークダウン
4位・ブレードランナー
3位・ディレクターズカット ブレードランナー最終版
2位・ブレードランナー ファイナルカット
1位・エイリアン
(あくまでしんざん調べ)
そこでオレは、というと、
5位・誰かに見られてる
4位・ハンニバル
3位・グラディエーター
2位・ブラック・レイン
1位・エイリアン
という偏屈っぷり。
というか、おふざけではあるが、オレ的世間ランキングのほうもあながち間違いではないのではないだろうか
「悪の法則」を忘れたかのように鑑賞。
そりゃあ、あなた、1位になるに決まっている。あくまでオレ個人の話だが、本作でオレ的評価は、弟トニーに肩を並べた。
オープニング。
灼熱の太陽、ウサギを追うチーター、ラテンのにおい、こりゃトニーの世界だ。「マイ・ボディガード」「リベンジ」「ドミノ」あたりのギラギラ映像。
ファスベンダーとクルスのシーツのシーンもトニーの「デイズ・オブ・サンダー」のラブシーンをちょっとだけ思い出す。
しかし、その絵は幸せなカップル、というより、ファスベンダーがその舌技でクルスをイカせる、という「オレ、イケてるぜえ」なファスベンダーを印象付ける。
おっとこ前1位から転落するも、ファスベンダーのかっこいい、いや、そのうえで、かっこつけた弁護士は、アンドロイドやセックス依存症よりはるかにハマっている。
誘われて関わった悪事。だが皆がやめておけ、という忠告を、最初の1時間、ありとあらゆる登場人物が主人公に警告するのだ。
しかし、主人公はクールな対応でそれを無視する。
そして事件がおこる。
なにがどうなったか、さっぱりわからないまま、裏切者として追われるのである。
そう、この映画、そんなことは一切説明する必要もなく、ただ組織に目をつけられたものは、否応なく、システム的に、ただ殺されるのみ、をじわじわと、一人ずつ、着実に、殺されていくさまを描いた映画。
目をつけられたのは、組織の不利益のとばっちりかもしれないが、動き出したものは止まらない。トップダウンは確実に組織の歯車を動かす。
主人公の周りの人間はそのことを知ると、一人は関わっていないことを主張する。一人は素早く逃げる。
しかし、どうあがいても、結果は同じだ。
直接的なドンパチや殺人シーンもあるが、それはサービス精神、というか、(特に後者は演者のためっぽいが)それ以外はにおわす、におわす。ファスベンダーの顔色がどんどんやばいことになっていることに心底恐怖を感じる。
本作は、アメリカと中米、あるいは中東との関係、という見方もあるが、個人に落とすと、人は上へ、上へと向上心を持って、としても、いきなり訳も分からず、梯子を外される。
他人にどんなに1時間みっちり警告されようが、聞かないものは聞かない。ノリノリ、決心を決めたときは、忠告など聞くわけがない。
そう、ファスベンダー演じるカウンセラーは俺たちだ。いつなんどき、落とし穴があるか分からない。
かといって、ノリノリなタイミングで起こした決意を否定など絶対にできないのだ。
なんて恐ろしい世の中だ。オレは舌技だけにしとこう。
追記
ほかの演者もハマっている。
キャメロン・ディアス。この役、黒幕感はあるが、特に深い意味はないように思う。そんなことより、指のジャランジャラン感と顔の下品感が最高。
ハビエル・バルデム。これまた成金感と小物感がとてもいい。
ブラッド・ピット。上記にも書いたが、見せ場もらってよかったね。
ペネロペ・クルス。オープニング、やらしい。ディアスとの唯一の共演シーンのおかげで清純ぽく見えるので、逆に、ああ。。。(涙
追記2
本作、俺みたいなのが見ると、怖え、けど超傑作!!と思うが、イケイケさんが見たらどう思うだろうか?
たぶん30分で寝てるだろうな。