「脚本がほんとに残念」るろうに剣心 京都大火編 くんぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本がほんとに残念
オープニングは最高!
初っ端の掴みでかなりワクワクしたが…
前作も思ったことだが、
アクション、主役役者のたたずまい、キャストスタッフの熱量、共に日本のアクション娯楽大作の限界に挑んでいる姿勢は素晴らしく、感じる部分はそれだけでも満足の行く作品だった。
ただ…脚本を除いては。
漫画を実写にするに当たって大事なことは、
漫画そのものを実写に「置き換える」ことではなく、漫画原作のエッセンスやテーマ、原作の面白みを引き継ぎ、「実写用」に組み立て直すことだと思う。ただこの実写版るろうに剣心は、とにかく「そのまま」を意識し過ぎているせいで、そこかしこで違和感というか、すっぽり実写にハマっていないだろうという感想だ。特におかしかったのが、脳内ナレーションや技や秘技のの説明だ。
思っていることをそのままナレーションとして役者の声が聞こえてくるのはどう考えたって映画的、実写的でない。なんなら馬鹿みたいに聞こえる。脳内ナレーション以外にも、脚本が映像的説明を怖がっているのか、お話の部分では全てがセリフでの説明。説明説明説明…。アクションの熱量がハンパないだけに、脚本のアラで温度差がかなりある。
技や秘技の説明。ヒーロー漫画ではありがちな展開だ。ただそれを実写でやられるとどうも冷める、というか笑ってしまう。そんな漫画から引き継ぐ所はそこじゃないだろうと突っ込みたくなる。
今作では、演出で気を使ったのか、
上で言った部分はだいぶ減った方だ。だがやはりいくつかは存在する。そして脳内ナレーションに至っては、物語上必要ないとしか思えない作り。中盤で剣心がかつて世話になった刀鍛冶師が作った刀を眺め、思いをはせる。そのときに脳内ナレーションがあるのだが、必要と思えるところはそこぐらいしかないと思った。
とにかく脚本が酷い。
お話もよく考えると一作目とプロットがほとんど同じだし、京都に行く決心をする描写があまりにも雑だし、出会う人がみんな偶然でご都合主義だし、御庭番衆の話は今回あんま関係ないし、そもそも八つ当たりかい!って思うし、薫はなんか薙刀だし、脈絡無く福山出て来ても、続編への期待を上げる役割なんてあるどころかこいつ誰だよ!だし、よくわからないとこが多過ぎ!
いちいち盛り上がると冷める。盛り上がると冷める。この繰り返しだ。
あと、脚本のアラではないが、
この作品はやはり大友監督のよく動くカメラのスタイリッシュ時代劇と、香港仕込みアクションと、劇中音楽のかっこよさが、大きな魅力だと思う。
だが、本編中に数箇所戦闘中にデジロックがかかっていた。あれは無い。合ってない。
酷いの一言。
あとワンオク好きだけど余韻無くすぐ曲かけるのは辞めて欲しい合ってない。
ただ興味深く見たところもあった。
アンクと電王のバトルが見れたことと、
今回決心は目的があるにせよ、ちゃんとるろうしてる感が出て、ロードムービー的な側面があったところは面白かった。
言い出せばキリが無い所も前作とあまり変わっていなかった。つまらなくはないが、最高!とも言い切れない。とにかく脚本が全ての足を引っ張っている印象。
ただ他のルックスやらアクションやらがよく出来ているため、嫌いになれないのもまた事実。
なんか、うーん。
惜しい!!