劇場公開日 2014年8月1日

  • 予告編を見る

「剣劇の濃密さに良い意味で裏切られた作品。」るろうに剣心 京都大火編 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0剣劇の濃密さに良い意味で裏切られた作品。

2014年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

良かった。

漫画原作、題材は幕末の剣劇アクション。
監督は「プラチナデータ」の大友啓史。
先入観から1作目は未見、本作も地雷映画として鑑賞しましたが。
…良い意味で裏切られました。

兎にも角にも日本刀アクションが濃密、かつ新鮮。
剣心の逆刃故の手数の多さ、障害物を活かした高速かつ奇抜な動き。
まるで東南アジアの武術 シラットを観ているような衝撃が。
映画「ザ・レイド」鑑賞時と同じような驚きを感じました。

特筆すべきは緋村剣心vs瀬田宗次郎。
共に驚異的な身体性と高速剣技を魅せていた両者の激突。
同じ特性が故に一旦勝負が始まれば息を呑む剣技の応酬。
差し込まれる奇抜な動きも相まって心を奪われます。
時間自体は然程長くはないですが詰め込まれた手数と動きは濃密。
演じる佐藤健と神木隆之介の誠実な殺陣にグッときます。

そして四乃森蒼紫vs翁。
序盤から強さと狂気が描かれるものの剣心と擦れ違い続ける蒼紫。
蒼紫の剣技が観れるのは後編「伝説の最期編」かと思いきや御庭番衆同士の対決に。
舞台は二階建ての日本家屋。
得物は小太刀二刀流とトンファー。
剣心が繰り広げる逆刃剣技とは異なる武具格闘が作中では新鮮で映える。
また対決に入る前から肉体面で格の違いが見せられる両者の闘い。
明らかに不利な状況を翁の老獪さでカバーする(しているように見せる)見せ方も良かったです。

正直、話の要素を詰め過ぎた結果、総集編的な摘み喰い感があるのは否めませんが。
高速アクションの対戦をメインにする以上、対戦数を稼ぐためには否めない選択だったのやもしれません。
また話の要素と共に登場人物が増えるため完全飽和の一歩手前。
登場人物を減らすと「原作改変」と批判される風潮もあるためバランスが難しい点は理解出来ますが…登場人物が多過ぎでした。

とは言え、剣劇の濃密さに良い意味で裏切られた本作。
同じ濃密さを維持しつつ後編「伝説の最期編」も駆け抜けてもらいたいものです。
後編を楽しむためには、まず本編を。
漫画原作の知識があれば1作目未鑑賞でも十分楽しめると思います。
オススメです。

コメントする
Opportunity Cost