「初見「ふざけんな!!」2回目「あれ、まあまあ再現されてる??」」るろうに剣心 京都大火編 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
初見「ふざけんな!!」2回目「あれ、まあまあ再現されてる??」
ファイナルが公開されるという事で過去作が劇場公開されていたので見に行った。
いや、一作目は凄かったんですよ。
オリジナル展開でも別に違和感なく繋がってはいたし、何より、さまざまな敵からの揺さぶりにも屈さず不殺を貫けるかというテーマが浮かびあがっていて。
ただ、二作目。
原作10巻あまりにもわたる長編京都編を前後編5時間弱とはいえ映画にすること自体無理じゃね??
と思い、事実公開当初リアルタイムで見た時は「あぁやっぱり失敗したな」と思っていた。
ところが数年の時を経て今見てみると、意外と原作に忠実だったなと。
以下、先に原作より良かったところを話す。
・京都大火という作戦の迫力がしっかりあった事。
原作では京都大火の描写は少なく、京都を焼き討ちするというスケールの大きさがいまいち伝わらなかったのも事実。(いや、原作の展開も好きですよ。)
ところがその京都大火を実写で表現する事で改めてこの作戦がどんなに派手で、残酷で、イカれた作戦かということが表現されていてそれは良かった。
・新月村。
この新月村編はよくまとまっていて志々雄の作るミニ日本といった雰囲気はよく出ていた。
一番完成度が高かったのではなかろうか。
・最初のツカミ
銀山を舞台としたアクションはすごい。
志々雄一派の異常性や強敵感が端的に印象付けられて良かった。
・アクション
今更言うに及ばず。
ここから不満点。
・四乃森蒼紫の描き方。
いや、これはもうはっきりいってしょうがない。
だって前作では蒼紫カットなんだもん。
御庭番衆も悲劇的な最期迎えてないんだもん。
当時蒼紫が剣心を付け狙う理由が雑だと怒った記憶はあるが改めてみると、あながち分からない話でも無い。
ただ、中途半端に原作再現しようとしたのか般若達が鉄砲に打たれて死ぬシーンを無理やり作ったのは不要。
潔く斬首で良かったのでは。
途中翁を倒して剣心を執拗に探すシーンでは和月先生が単行本のどこかのページに書いていた「ターミネーター的なキャラクターを描きたかった」を思い出し、あぁ今作の蒼紫はターミネーター的なキャラクターなんだなと理解した。
が!しかし。
このターミネーターが全く本筋に絡んでこないのだ。この後の後編でも全く絡んでこないしそもそも志々雄との同盟もカットされてるから本当に関係ない別ストーリーになっている。
ここは思い切って蒼紫をカット、もしくは最初から剣心に協力的なキャラクターとして登場させた方が良かったのでは。
蒼紫よりももっと時間を割いて描いて欲しい所があったのだ。
蒼紫よりももっと描いて欲しかったところ、それはズバリ
・薫が京都行きを決意するまで
いや、これもしょうがないといえばしょうがない。
京都大火をクライマックスに持ってくるなら東京が前座的な扱いになるのは分からなくもない。
時間的に余裕がなかったのもわかる。
が、しかし、塗り薬を左之助から託されたぐらいで腑抜けの薫から立ち直るのだろうか。
原作では恵の挑発(これも映画版では恵のキャラクターが微妙に異なっているのでカットは致し方ないとは思う)さらに、弥彦の一言があって立ち直るのだ。
その過程がごっそり抜け落ちていて肩透かし感は否めない。
それに、ここが序盤の肝となる部分だとも思うしここをもっともっともっとしっかり描いて欲しかった。
せめて、弥彦の「剣心にさよならを言われてのはお前だけなんだよ!剣心を連れ戻せる一番の人間は誰がなんと言おうとお前なんだ」はカットしないで欲しかった。
別に言う人間が変わっていたって構わない。ただ、このセリフが薫を立ち直らせるきっかけになるのだからもっとしっかりして欲しかった。
・薫が攫われると言う展開
もうこれが一番嫌悪感を感じた。
とりあえず薫連れ去っときゃ良いやろ的な考えが透けて見えて嫌だった。
何も薫が連れ去られるのがるろ剣お決まりのパターンではない。
そんな安直なストーリーだけは作ってほしくなかった。
別に煉獄を壊さなくたっていい。
薫を連れ去って剣心が助けに行く展開をやっときゃええやろ感がとても嫌悪感を感じた。
志々雄の影武者はまじで謎だった。
俳優さんで文句がある人はあまりいない。
藤原竜也さんなんかぴったりだった。
ただ、神木さんの宗次郎普通に殺気放ってないか??と思った。
それ以外は宗次郎にピッタリだった。