劇場公開日 2013年8月30日

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「映画化の高いハードル」オン・ザ・ロード arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5映画化の高いハードル

2014年10月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

フランシス・フォード・コッポラが1979年にジャック・ケルアックの小説『路上』の映画化権を手に入れてから、映画化の計画は何度も頓挫し、ようやく映画化にこぎつけたのが今作。
監督に抜擢されたのは、『モーターサイクル・ダイヤリーズ』のウォルター・サレス。
『モーターサイクル〜』の成功を見ればわかるように、ウォルター・サレスとロード・ムービーの相性はいいはずだ。
しかし、そもそもケルアックの『路上』は映像化するのは難しかったのか、ウォルター・サレスをもってしても、今作を成功に導くことは出来なかった。

ニューヨークのジャズクラブの熱狂や南部の綿花畑、アメリカ各地の風景の切り取り方など、魅力的なシーンは確かにある。
しかし、この映画の肝であるサル、ディーン、メリールウ、この三人のキャスティング(サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワート)の弱さが致命的。
この三人からは、そうせずにはいられないというそれぞれのギリギリの切迫感が感じられないのだ。
特に無軌道で破滅的であるにも拘らず、その悪魔的な魅力で人を惹きつけずにはおかないディーンのキャスティングは説得力に欠けた。
(このキャスティングには、製作費が大幅に削られたことが影響しているのかもしれない)
そもそもケルアック自身、ディーンにはマーロン・ブランドを望んでいたということを考えても、このディーンという役を体現出来る俳優は多くない。

arakazu