「ロック様のヘラクレス」ヘラクレス bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ロック様のヘラクレス
ヘラクレスと言えば、ギリシア神話の中で、万能の神ゼウスと人間であるアルクメネの半神半人のとして生まれた。しかし、そのことが、ゼウスの本妻であるヘラの逆鱗に触れて憎しみを買いながらも、現在も多くの物語や映画化された英雄として、誰もが知る所である。
そんな、ヘラクレスを、正に打った付けのドウェイン・ジョンソンが演じ、地上での活躍を描いた作品。これまでのヘラクレス作品は、幼少期から親元を離れ、逞しく成長し、様々な苦難や怪物を倒して、英雄へと昇り詰めていく過程をアクション・ファンタジーとして描かれていた。
しかし、本作ではその話は、導入部分でほんのちょっと紹介されるだけで、既に世間から英雄視されたヘラクレスが、トラキア王国の内乱に巻き込まれていく古代ギリシアを舞台としたアクション映画の様な内容。また、ヘラクレスが頼りにする5人の仲間と共に行動し、活躍していくのも、これまでにない斬新な設定だ。
ある日、戦場で名を馳せていたヘラクレス一行の前に、トラキア国の王女が現れ、父親であるコテュス国王を反乱軍から救って欲しいと依頼される。多額の賞金惹かれた一行は、残った農民たちを強い軍隊に鍛え上げて出陣し、反乱軍を打ち破る。しかし、トラキアを混乱させている悪の巣窟は、実はコテュス国王であることを王女から知らされ、国王退治へと乗り出す。クライマックスの戦闘シーンて、トラキアの宮殿の前に建つ、巨大なヘラの像をヘラクレスが倒すのは、ヘラへの恨みが込めた一撃を現していたのだろう。
10年前の作品で、今観ると、見慣れたスペクタクル・シーンでもあり、物語もコンパクトにまとめられ、ギリシア神話をモチーフとした壮大なファンタジーと言う点では、やや物足りなさは感じた。しかし、ロック様が主演を張っているというだけで、観たくなるのだから、彼の存在感は大きいと感じる。