劇場公開日 2014年10月24日

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ヘラクレス : 映画評論・批評

2014年10月21日更新

2014年10月24日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

ギリシア神話のヒーローが破格のボルテージで躍動する、ロック様最高の当たり役

いやはや驚いた。そのタイトルから黄金の甲冑や光に満ちた神々の降臨をイメージしていたら、おもむろに現れたのはなんとライオンの毛皮をかぶった野生児ヘラクレス! 雄叫びを上げながら棍棒フルスイングで敵を粉砕する土臭さといい、怪力を裏付けるリアルな筋肉の隆起といい、その存在感は思わず笑ってしまうほどの人間味に満ちている。

そう、これは神の子というよりも、人間としてのヘラクレスに焦点をあてた物語。時は紀元前358年、傭兵としてギリシア諸国を放浪する彼は、多額の報酬に魅せられ仲間とともにトラキア国の反乱鎮圧へと馳せ参じる。彼らの活躍もあっていつしか闘いに終止符が打たれるも、実はその背景に思いがけない真実が隠されていた……。

と、ご覧のとおり本作にはいっさいの神々が登場しない。すべては“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンの鍛え抜かれた肉体美や豪快な身体能力あって初めて成立したプロジェクトと言えるが、一方、映画ファンならば彼を支える仲間たちのチームワークにも目を奪われるはずだ。

このヘラクレス率いる精鋭部隊には英国や北欧出身の個性派が顔を揃えた。それぞれに弓矢、短剣、槍といった唯一無二の技能を生かし、戦闘シーンを縦に横にと果敢に繰り広げていく様はとてもスリリング。彼らの指導によって軟弱な軍隊がたくましく成長を遂げていく描写も、この手のジャンルの定番とは言え、強力なフックとなって後に効いてくる。

また、このデスマッチを99分という単純明快かつタイトなボディへと絞り込んだブレット・ラトナー監督の采配もなかなかのもの。時に過小評価されることもある彼だが、ここではベテランらしい職人ぶりを十二分に発揮している。

かくもヘラクレス=ドウェインの強靭なカリスマ性のもとスタッフからキャストまで一丸となって猪突猛進したこの痛快作。誰もが拳を突き上げ本能的に楽しめるアクション・アドベンチャーへと仕上がっている点は大いに評価したい。

牛津厚信

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