鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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「人の感情は贋作のように簡単に作り替えられる」
この映画を観て出会い系でワンナイトした女たちを思い出していた。つまらない夜もあったが、主人公が経験したような最高の一夜もあった。しかし、そんな夜に限って翌日LINEをするとブロックで音信不通。「また会いたい♪」何度その言葉に騙されただろう。あの時の笑顔は嘘だったんだね。そんな日々が続き俺は女をあまり信用できなくなっていた。しばらく彼女もいないし作ろうとも思えない。主人公に感情移入できて親近感が湧いた。
「人の感情は贋作のように簡単に作り替えられる」この言葉にグッときた。人は表情と心をバラバラにコントロール出来るから厄介な生き物。もう、みーんな嘘つきだと開き直った方が楽になるんじゃないかとも思う。かくいう俺も周りの顔気にして道化を演じてばかり。
最後のシーンが印象的。歯車のレストランで来るはずもない連れを待つのが切なすぎる。裏切られても主人公にとっては最初の恋人だから、信じ続けていくのだろう。ドウテイの心を踏みにじったクレア許すまじ。でも希望のシーンにも思えた。歯車と同じように、彼の人生はここから始まった気がしたから
まんまと騙され続ける。裏の裏の裏じゃない?!
『ジャンヌ・サマリーの肖像』が最初に出て来るが、モスクワの『プーシキン美術館所蔵』女性の肖像画として、最高に美しいと“僕は“思っている。更に、少女の肖像画は同じオーギュスト・ルノアールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像』かなぁ。
と言うと、変態爺とだいたい言われる。エドガー・ドガの『14歳の小さな踊り子の肖像』とかね。まぁ、老人の妄想なんだろうね。一瞬にして、妄想と分かるものだよ。
しかし、
この映画は老人の妄想は、プラハの『ナイト&デイ』に彼を誘い。それでも、終始収まらないつう事だ。
僕の年にならないと分からない内容だと思う。僕には良い映画だったと思う。
プラハへ行く理由。
独断な追記
従って、あくまでも仮説
贋作の話がこの映画中で
語られる。
さて、ネタバレ的に
仮説を述べる。
以下、映画鑑賞後に
盗まれた肖像画は
『全て贋作』
と仮定すると。
ひぇ〜
ずっと気になっていたがなかなか見るきっかけがなく放置していた映画。海の上のピアニストにハマったことで、同じ監督の本作を見ることにした。
友達が小学生の頃映画館で見たらしいが、見終わったあとに「犯人誰?」って親に聞いたっていう話を聞いて、難しい話なのかぁと思ってたけど、特に難しい訳ではなかった。
ラストの展開が驚きなのだが、それまでの話も普通に面白かった。絵画にしか興味なくて、人間には酷い対応してたから、ああいう結末になったんだろうなぁ。
自業自得っちゃ自業自得だけど、めっちゃ可哀想😭
あんまり勘は鋭くない方なので、主要人物のほとんど全員に裏切られたことにびっくりしたから楽しめた。
白いドレスの女‼️
名作「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督作だけに、初老の鑑定士の美術品への熱い想い、依頼人の女性との淡いラブロマンスが展開するのかと思ったら、とんでもなかった‼️この作品は現代版の「白いドレスの女」‼️あぁ、恐ろしい‼️ヒロインは「ブレードランナー2049」で最強の女レプリカントを演じたシルヴィア・フークス‼️ナットクのキャスティングです‼️
引き込まれるのですが、、、
いきなりネタバレですけど、最後に鑑定士がだまされるのがわかるというか、なんというか。
おじいちゃんが若い女にだまされなきゃいいけどねーって途中で思ってたらその通りになっちゃって、最後の最後でおじいちゃんが「そんなのわかってたよー」って大逆転するのかと思いきや、それもなく終わってしまったのが残念だね。
映画内でわいた疑問点
・目隠しして入った隠し部屋に入る時の暗証番号は一緒に生活してて聞いちゃったの?
・機械いじりの男、恋仲になる女、オークションで協力していた画家、ヴィラの管理人、機械いじりの男の恋人全てが、画家の私怨を晴らすために2年も働いていたのか?
・機械いじりの男の店に主人公はなぜ最初から行けたんだ?
贋作の中にも本作がある
がテーマであることは明白ですが、恋仲の男女が贋作(騙されてるからね)だとしたら、本物の愛があるというのをラストシーンで表しているのでしょうか?よく分からんですな。
ハッピーエンドではないが。
原題の英語訳は Best Offerだが、この邦題は良かったと思う。主役俳優の演技力が素晴らしく、感情移入してしまった。オチは(1人の関係者を除いては)薄々読めていたが、それでもハッピーエンドを期待してしまった。ハッピーエンドではないがバッドエンドでもないと僕は思う。ラストでナイト&デイで彼女を待っている時は女性の肖像画に囲まれていた時よりも幸せではないのか?何故修理屋はあんなに大掛かりな仕掛けを行う時間も資金力もあるのか?主人公が暴漢に襲われた時に彼女に電話しなければ(或いはする力が残っていなければ)どうするつもりだったのか?とか色々つっこみたくなる所もなくはないが、素晴らしい、実にヨーロッパらしい映画だった。旅行で何度か行ったのでウィーン、プラハの景色は懐かしかった。
鳥肌
もう10年も経つのか。映画館で鑑賞した際はあまりの衝撃に鳥肌が立ったのを覚えている。モリコーネの音楽が素晴らしくて、ストーリーと大音響が相まって恐怖すら感じた。
2回目の鑑賞で、色々わかった上で観るとまた面白い。今回は自宅で心に余裕を持って観られたし、伏線も楽しめた。
でもやはりあの隠し部屋の白い壁を見た時の衝撃は2回目でも充分なものがあった。またヴァージルの表情が上手い。演出の間も完璧だと思う。
色々な見方が出来ると思うけど、私にとってはバッドエンドかなあ。胸が痛い。
ただ音楽も含め忘れれない印象的な作品なので高評価。
ミステリというより後味悪い系
「ミステリ好きにおすすめ」とあったから観たものの…9割までは恋愛映画。え??どこがミステリなんだ??と思いながらも…親子ほども年の離れた娘に夢中で恋患う主人公が面白くて見てしまう。何故か主人公に好意を持ち始めるクレアも不思議で気になる。どんでん返しは本当に終盤も終盤。あの白い壁を見た時の衝撃を想像すると、血の気が引く感じはしました。クレアは最後まで謎でしたね。回想のベッドシーンを何度も印象的に見せるのは、クレアの愛は本物だったと思わせます。しかし、全てを失った孤独な主人公。他人事ではない感じがして、暗い気持ちになりました。。。
観終えたあと思わずネットサーフィン
本作は面白く観れたものの、個人的にはジュゼッペ・トルナトーレ監督らしさがあまりなく少し物足りなく感じた。
綺麗な映像と音楽そして心洗われる感動を期待していたが、どちらかというと伏線を張り巡らせたストーリー重視の仕上がり、という印象。メイン言語の影響もあるかも。
観終えたあと、あれって感じで…ネットであらすじを読みまくってしまった(汗)
こんなに凝ったストーリーだと思っていなかったので、もう一度観直すと本作の本当の良さがわかるかも。
奴はとんでもないものを盗んでいきました・・あなたの心です。
タイトルは冗談としてw
とにかく、とにかく絵が素晴らしい。そして抑制と抑揚のよく効いた端正な音楽。
ストーリーも演技も非常にミステリアスで、伏線がふんだんに張り巡らされており、
緊張感が途切れることがありません。
童貞を拗らせた爺さんが、いい歳してハニートラップに引っ掛り、すべてを失う映画・・
と表現すると身も蓋もありませんが、
単純に、財産や信頼や愛する相手を根こそぎ奪われてバッドエンド、なのではないのですね。
対人恐怖症で、女性の手にも触れられない、目も合わせられない美術鑑定士は
仕事上の目利きは超一流であるが、人生における目利きは超三流で、
友人も、愛も、信頼できる相手も、張り巡らされた陰謀も、なにも見抜くことができません。
その彼が、引き籠り、築き上げてきた自分の城という殻から、
ラスト、ようやく解放されることができたのですね。
都合よく自分を見つめ、微笑んでくれる大勢の美女たちに囲まれて暮らすのは、
それはそれで、長らく、幸福で安寧だったのでしょうが、
そんな逃避しているだけの、歪んだ幸福で、一生を終えてしまって良いのでしょうか。(それもまた人生! なのですが)
そっとしておいてくれないのが、この映画なのですね。
かなり手荒い手段でしたし、彼はその人生のなにもかもを、財産も、社会的名誉も、恋人も
一旦は、心すら失ってしまう訳なのですが、
ただ、その苦く、つらい経験が、彼を、蘇らせてくれるのです。
人並みに、貧や、挫折や、失恋を経験し、
社会のなかの(ごくありふれた、当たり前の存在=)歯車として生まれ変わることができたのです。
チャプリン「モダンタイムス」以降、高度経済化、機械化社会のなかで「歯車」と描かれることは
非人間的で、悪だという価値観が長く支配してきていたのですが、
この映画は、時代の変化と共に、そこへ一石を投じているように感じます。
歯車のように、他人と同じように生きることもまた、幸せなのだと。
オートマタのような機械仕掛けのシステム(社会)の内側に、
真実を告げる小人のように、隠れてひっそりと暮らすことも、ひとつの知恵であり、
これもまた、ひとつの幸福なのですね。
労働者が消耗品のように扱われてきた時代から、
人間ひとりひとりの人権が、命の値段が、それこそ、芸術品のように高価になった現代ならではの視点ですね。
特異に目立ち、ワンオフの高級品として生きるよりも、平凡ななかに、安寧と幸福を見出す、、
若い世代を中心に、そんな価値観のシフトは実際に起こっていると思います。
老人も、あのまま衰弱し、精神病棟かリハビリ施設で終わってしまってもおかしくなかったのですが、
彼の中で、一念発起し、それこそ自分のなかの根深い価値観(重力方向ですら)ひっくり返して、
ここから、彼は生まれ変わり、再出発するのです。
彼の人生は惨めでしょうか? 他人と比べ、孤独でしょうか。
私には、これまでの彼の人生の方が、ずっと孤独だったのではないかと思いますね。
偽りと虚飾から逃がれ、彼は実は、今がいちばん解放されているのですね。
来るはずのない恋人を待ち続ける、苦しさや悲しみの先に、喜びもまた、待っているのですね。
今はどん底のように感じられるかもしれませんが、
復讐により、一見、すべてを失った彼が、代わりに得たものがある。
皮肉で残酷なメッセージかに思われますが、どうでしょう。
それこそが人生ではないですか。
いい経験したでしょう!
しばらく、この感じでどこまで行くの?と思い観てましたがトータルとても見応えのある映画だなと思えました。
ヴァージル可哀想より自分の絵が認められない事を人のせいにしたビリー自身のワガママな仕返しは最悪だなって感想です。
あと、ロバートとクレアの動機がめちゃくちゃ気になった。
ジャンルを知らずに観てたら悲壮感が半端なかったかも。
悲劇とは思わない
孤児として育ち、人を避け孤独に生きてきた主人公。初めて愛を手に入れたと喜んだのも束の間、地獄に突き落とされてしまう。
だけどこれは、主人公の老人が可哀想なだけの話ではない。だって彼は長年鑑定士としての信頼を逆手に取り人の目を欺いて絵画を手に入れ、自分だけのものにしてきたのだ。
本来手にするべきでなかったものを失っただけのこと。人を初めて愛した気持ちは誰にも奪えない。たとえ相手の気持ちが嘘であったとしても。
一言(?)でいうと、、、
出会い系サイトで知り合った美人のギャルを囮に壮大な詐欺に引っかかった老人の話。
最後は、来るのでしょうか?!(贋作の中にも真実はある=本当は愛してる)
。。。来ないでしょ笑笑
時間があっという間に
気難しい鑑定士が他者と距離をとって過ごしていたのに、依頼人の女性に夢中になり、手袋を脱ぎ活き活きと過ごすようになるが、実は大きな罠だったというラスト。
この先どうなっていくのかと惹き込まれあっという間に時間を感じました。
人生の最後に真贋を問うことの残酷さと諦念
バージルが、真作だと言えば世間では真作。贋作だと言えば贋作になる。それによって、作品の価格が天と地ほどの差で決まる。バージルは、例えばこうした手法で安く女性の肖像画を買いあさり、それらに囲まれ生きるよすがとする。その生き方は、真作なのか贋作なのか。
バージルが、肖像となった女性たちを愛し、彼の言葉によればその女性たちから愛されてきた。その愛は真作なのか贋作なのか。
オートタマと呼ばれる機械人形が人間の贋作で、登場してきた人間たちは、はたして真作なのか。
君の作品にはミステリーがない。名作にはミステリーが隠されている。そう言ってビリーの作品を厳しく切り捨てたバージルに、クレアを描いたビリーの作品が送られてくる。バージルが収集した肖像がすべて消え去った部屋に、ビリーの作品だけが残される。結果的に、最もミステリーに満ち溢れた作品になったのはビリーの作品という皮肉。その作品を、プラハまで大切に持ち込むという皮肉。
バージルは言う。どんな贋作にも本物が隠されている。
クレアとの愛に真実が隠されていると信じたいバージルは、プラハの『ナイト&デイ』で彼女を待ち続ける。時計の内装が、彼の人生で失った時の重みを象徴している。そこでもバージルの手袋は、はずされたまま。実在の女性と触れ合うことで、彼の生き方が変わったとすれば、その愛は彼にとっての真実であったといえるのだろう。
宇宙飛行士用の訓練装置で回り続けるバージルの姿は、天涯孤独になり老人施設で無表情にすごす彼の心象風景である。そこにバージルの痛々しさを感じるのが普通なのかもしれないけれど、死とは愛するあらゆるものを失う出来事だと思うと、そのタイミングがちょっと早かったのはあわれだが、しょうがないんだよね、と思う自分がいるのです。
なんにも知らずに見たらとんでもないだろうな
僕は大どんでん返しと聞いてから見たので、どんなラストが待ってるのか考えながら見たため、このようになるのではなどラストの考えがよぎってしまいました。でもラスト全てを考え当てる事は出来ず、心にぽっかり穴が空いたかのような気持ちになりました。なんだかんだ言って人間って怖いな、童貞って悲しいなとも思いました
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