鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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人生にどんでん返しはお約束
ヴァージルとクレアの駆け引きにのまれた。
そんなバカなというロマンスストーリーが最後まで成立するのもこの監督とジェフリー・ラッシュの熱のこもった名演あってのことか?
自分もヴァージル目線で、最初のオートマターの前振りに捕まって、クレアの美貌に捕まって、暴漢から助けられたとこでクライマックス感を得ながら鑑賞。
途中、ヴァージルとクレアが結ばれて、秘密のコレクションの前で抱き合ったとき、クレアの顔を映さない演出に不穏な伏線を感じたが、最後のどんでん返しまで、監督の思惑通り思いっきり乗っかって、まさに呆然としながら映画は終了。
人生の奥行きを感じさせてくれるこんな映画、観ないわけにはいかないですよね?
面白かった
なんとなく観るのを躊躇っていた作品だったが、面白かった。
この作品に感じる「余韻」を言葉で表現するのは難しい。
それは観方によって余韻が変化してしまうように思えるからだ。
加えて、原作と日本語版タイトルに感じる違和感と是非
「鑑定士と顔のない依頼人」と「The Best Offer」
鑑定士という観点にある「本物と偽物」
そして「愛と欺瞞」
その他あった対照的な言葉や二極性
これがこの物語のテーマだろうか?
鑑定士オールドマン
この苗字に込められた「老人」
この設定に映る人間味は、いったい誰(何)を象徴するのだろう?
それは、老い、孤独、記憶、そして人間の本質だろうか?
オークションと落札金額からのマージンによって財を成した。
孤児院で育った過去 そこで出会った鑑定士
彼の現在は大金持ちだが、潔癖症ともいえる徹底した排他的な性質は、食事をする際にも手袋を外さない。
オールドマンが言った「女性への敬意と恐怖」
彼のコレクションルームに飾られていたのはすべて女性の絵画
女性への憧れは絵画であれば見飽きることはないが、実物の女性には恐怖しか感じないのは、幼い時に亡くした母と「孤児院でやんちゃをして罰として一日中壁に向かって立たされた」ことによる孤独が関係しているようだ。
また、接触恐怖症の裏返しとして美術品に対する思い入れがあるのかもしれない。
彼が収集する女性の絵画は、触れることができない理想の女性を崇拝しているのかもしれない。
さて、
物語は本当にミステリーそのものだった。
オートマタ
その復元
18世紀の傑作品であり美術品
それにかかわるなんでも修理人のロバート
クレアとロバートとサラ、そしてビリーはグルだった。
そしておそらく首謀者こそビリーだったのだろう。
ただし彼の目的は金銭面ではなく、芸術家として認められなかったことへの復讐だった。
そして伏線は、サラがロバートとのことでわざわざオールドマンに相談しにやってきたこと。
ロバートがクレアに気があることを匂わせている。
オールドマンを襲った強盗はカフェでビリヤードをしていた男たちのような気がした。
おそらく金でやらせたのだろう。
ビリーの描いた絵
「贋作者はどうしても自分のサインを残したくなる」
そして、
この物語の壮大な詐欺
そもそもオークションで詐欺を繰り返していたオールドマン
この物語のひとつの観方が「天罰」
オールドマンは警察署に行こうとするが、そもそも自身が詐欺をしたことがバレてしまう。
オールドマンを騙したクレア
彼女はお金のためなら何でもする。
信用していたロバートの裏切り
クレアがヴィラから持ってきたと思っていた絵は、ビリーが書いたものだった。
同時にすべての絵画が消えていた。
車いすで介護されるようになったオールドマンの回想
クレアの話した旅行の足跡を辿ってみる。
本当にあったカフェ「ナイト アンド デイ」
時計仕掛けのカフェは、まるでオートマタの中にいるようだ。
「おひとりですか?」
「連れを待っている」
彼の心境が良く伝わってくる。
この「ナイト アンド デイ」もまた対照的な意味合いを持つ。
そしてオートマタを使ってオールドマンを嵌めることを思いついたのがロバートだったのだろう。
レンタルヴィラと数字女
彼女の名前 クレア
もしかしたらあのイギリスのパスポートは数字女のパスポートだったのかもしれない。
オールドマンに出した「目録」作りの依頼
安物ばかりというおかしな依頼に目を背けるために仕込んだオートマタ
そして「広場恐怖症」というクレアの設定
「似た者どうし」
ビリーはオールドマンをよく知る。
彼の性格を熟知していた。
サラの専門はもしかしたら心理学や精神医学かもしれない。
実際、オールドマンは強盗に襲われたが、あのシーンに描かれていたのが「彼ら4人」の人間性だったように感じた。
さて、、
クレアたちの詐欺計画
ビリーの長年の復讐心とそこに乗っかったお金目当ての3人
孤独で接触恐怖症の老人
彼は恋をしたことで接触恐怖症が治り、女性を経験し、夢を見た。
彼の人生で咲かせることのできた一瞬の花
騙されたことを知ってもなおクレアを探した。
彼が奪われたのは詐欺で競り落とした絵画だけ。
それよりも、彼は最も大きなものを失ったことに気づいたのだろう。
心に空いた大きな穴
これを埋める手段は、ない。
彼にとっては「触れられない理想の女性像」よりも、現実のクレアの方が価値が高いことを知った。
架空でしかなかったものが現実化したが、その現実は裏切られた。
虚構
虚構なのに遺恨のように残った心の傷
ずっと傷つかないように生きてきた男の最後
耐性のないオールドマンが受けた心の傷は致命的で、一瞬で老化したのだろう。
車いすを押されながら空虚な目で空間を見ている姿
でも彼は、人生でいい経験をしたんじゃないかなとも思った。
老人が27歳の娘と恋に落ちることなど、詐欺でもなければ経験できないだろう。
後遺症は残ったが、お金では買えない経験こそ人生なのだろう。
単なるブラックではなく、そう思わせてくれる作品だった。
まあ、そうなるでしょう...
レビューを読んでヴァージル可哀想という人がちらほらいてびっくり。
詐欺師だし周囲の人への態度も酷いし、いくら金持ちでもあんな若くて綺麗でピュアな女性が現れて都合よく恋に落ちるって、あのさぁ...となりながら観ていた。そして案の定の結末。
そりゃロマンス詐欺がなくならないわけだ。
タイトルなし(ネタバレ)
評価が高かったので鑑賞🎥
すごく面白かったけど、
途中からラストが読めてしまい、
それがとても残念でした。
最後愛を信じてるところが
とてもエモかったです。
キッカケは謎だが、老人の末路に思いを寄せる、ひとつの甘く哀しい物語なのだと思う。
アホゆえに最後まで気づかず見れた
他の方のレビューを見ると、早い段階で結末を察している方が多い印象でしたが、私はアホ故に最後でしっかりびっくりできました。
ヴァージルもクレアも対人関係が破滅的に下手くそで、少しのことですぐ喧嘩してすぐ謝ってを繰り返していました。
その不安定さがリアルに感じたというか、クレアが計算してあのような情緒の安定しない振る舞いをしていたなら、まあすごいなあと。
肖像画の部屋が空になっていた時の喪失感はすごかったです。
今までの人生を根こそぎ奪われたような、絶望的な気持ちになりました。
結末を踏まえて、もう一周観たいな〜と思います。
そりゃそうだ
この結末で当然だよね。
主人公の良いところ、共感できるとこなく主人公に都合良く(美女に振り回されたりはしたけど)進んで行くのでどっかで痛い目見るんだろうな…と。
出て来る絵画や顔のない依頼人が美しく、画はとても良かった。
バルボッサの俳優さん、すごいいい顔してるよね!
後から尾を引く面白さ♪
ミステリーとしての面白さは普通だと思いますが、絵画の贋作と人の演技とが上手く比喩され心に響いた作品でした。
シーンすべてに意味があり完成度は非常に高いと思います。
ナイト&デイでは彼女は演技(贋作)ではなく本物の愛(絵画)だったと思い願うシーンは真っ白な壁よりもガツンときました。
あっと驚くミステリーでもありながら恋愛要素高めの映画だと思います。
あーあ
とんでも無い内容で最後の最後まで罠だってわからなくてめちゃくちゃ楽しく鑑賞できましたよ😵
つうか全員グルかよ🤯
主人公がちゃんとあの絵🖼️を見抜けて居たら気づいて居たはずなんだよなあ🥶
伏線がかなりあるんだけど初見で見破る事は不可能です!
更に言うとそもそもあの屋敷自体が全て偽物って😱
騙して集めた絵を結局全部奪われてゲームオーバー👋
2回目に見た時がめちゃくちゃ面白いやつやね🤓
これがソウならいつものあの曲がかかりながらネタバレ映像を見せてビックリみたいな感じなんだろうな🫣
「人の感情は贋作のように簡単に作り替えられる」
この映画を観て出会い系でワンナイトした女たちを思い出していた。つまらない夜もあったが、主人公が経験したような最高の一夜もあった。しかし、そんな夜に限って翌日LINEをするとブロックで音信不通。「また会いたい♪」何度その言葉に騙されただろう。あの時の笑顔は嘘だったんだね。そんな日々が続き俺は女をあまり信用できなくなっていた。しばらく彼女もいないし作ろうとも思えない。主人公に感情移入できて親近感が湧いた。
「人の感情は贋作のように簡単に作り替えられる」この言葉にグッときた。人は表情と心をバラバラにコントロール出来るから厄介な生き物。もう、みーんな嘘つきだと開き直った方が楽になるんじゃないかとも思う。かくいう俺も周りの顔気にして道化を演じてばかり。
最後のシーンが印象的。歯車のレストランで来るはずもない連れを待つのが切なすぎる。裏切られても主人公にとっては最初の恋人だから、信じ続けていくのだろう。ドウテイの心を踏みにじったクレア許すまじ。でも希望のシーンにも思えた。歯車と同じように、彼の人生はここから始まった気がしたから
まんまと騙され続ける。裏の裏の裏じゃない?!
『ジャンヌ・サマリーの肖像』が最初に出て来るが、モスクワの『プーシキン美術館所蔵』女性の肖像画として、最高に美しいと“僕は“思っている。更に、少女の肖像画は同じオーギュスト・ルノアールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像』かなぁ。
と言うと、変態爺とだいたい言われる。エドガー・ドガの『14歳の小さな踊り子の肖像』とかね。まぁ、老人の妄想なんだろうね。一瞬にして、妄想と分かるものだよ。
しかし、
この映画は老人の妄想は、プラハの『ナイト&デイ』に彼を誘い。それでも、終始収まらないつう事だ。
僕の年にならないと分からない内容だと思う。僕には良い映画だったと思う。
プラハへ行く理由。
独断な追記
従って、あくまでも仮説
贋作の話がこの映画中で
語られる。
さて、ネタバレ的に
仮説を述べる。
以下、映画鑑賞後に
盗まれた肖像画は
『全て贋作』
と仮定すると。
ひぇ〜
ずっと気になっていたがなかなか見るきっかけがなく放置していた映画。海の上のピアニストにハマったことで、同じ監督の本作を見ることにした。
友達が小学生の頃映画館で見たらしいが、見終わったあとに「犯人誰?」って親に聞いたっていう話を聞いて、難しい話なのかぁと思ってたけど、特に難しい訳ではなかった。
ラストの展開が驚きなのだが、それまでの話も普通に面白かった。絵画にしか興味なくて、人間には酷い対応してたから、ああいう結末になったんだろうなぁ。
自業自得っちゃ自業自得だけど、めっちゃ可哀想😭
あんまり勘は鋭くない方なので、主要人物のほとんど全員に裏切られたことにびっくりしたから楽しめた。
予想外だった
皮肉のつもりなら
もっと捻って欲しいし、どんでん返しのつもりならもう少しなるほどーそう来たかーと思わせて欲しい。
目利きの鑑定士バージルが、古い屋敷にある骨董品の処分を依頼される。
ただ依頼主はなかなか目の前に現れず、電話でのみやり取りを進めていく。
依頼人の女性クレアは時に激昂し、また時には弱々しく激昂した時のやり取りを謝ったりと掴みどころのなさに翻弄されるバージル。
やがてクレアが対人恐怖症でずっと屋敷の一室に閉じこもった生活を何年も続けていることを知る。
そこから、少しずつバージルに心を開き始める。
バージルはバージルで、レストランでの食事の時でさえ手袋を外さない偏執的な潔癖だったりとちょっと人とは違う一面を持っていることで、老人と言っていいバージルとまだ若いクレアの歳の差カップルは少しずつ距離を縮めていくのだが。
これをネタバレなしでレビューするのはかなり難しいかなーと思いつつトライ。
終盤の一発の仕掛けのためにずーっと終盤まで引っ張って、はいドーンと来るわけだけど、正直なるほどーとはならず、あれが伏線やったかーとかここに仕掛けがあったなーなど振り返って納得できる感じは期待しない方がいい。種明かし的なプロットも特に無し。
その後のバージルもただただ右往左往。
バージルを演じたバルボッサはさすがの演技でシャキッとしたオークショニアから目利きの鑑定士、童貞拗らせおじいちゃんまで幅広く納得の演技。
ヒロインのクレアも綺麗で可愛い、しかもどこか狂気を孕んだ雰囲気がよく出ていてピッタリだった。
最初に彼女が姿を現した時の、いやめっちゃ綺麗やん!は前半のハイライト。
映像や音楽もいちいちオシャレで流石のイタリア映画感。少し暗めのトーンの風景が物語にマッチしていた。
それだけにこの終盤は一体何を言いたかったのかなーと悩んだ。イマイチテーマが掴めないまま、まさかこれで終わりじゃないだろうなーとハラハラしているうちに心の落ち着き場所を失ったまま終劇。
それならその先に何があったのか?とか別の視点から見ると?とか何かしらのインスピレーションを働かせるヒントが欲しかったかな。
いきなり背負い投げで投げ飛ばされて、痛ーと思いながら起き上がったらもう誰もおらんかったような終わり方だった。
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