鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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見いる
騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか、あるいは騙されてもなお幸せなのか。巨額の富を持つ人の間では、しばし聞かれる身近な人による詐欺。世の中にはお金のために続ける人間関係が多いのだろうけど、持てるものの尊大な態度が度を越すと、憎しみに変わるのだなー。
この場合、いつまでも希望を捨てられないほど、女性にうぶな男性を騙すのは、最も心をえぐるえげつないやり方だけど、騙すには最適のとっかかりだったな。お見事です。
映画として、希望を残したのか、ただあわれな男性を見せつけたのか、余韻を残して、見終わっても頭から離れない映画になりました。
観賞後の空虚感ったら
すさまじいです。心が急速に劣化します。一時間くらい放心する。 主人公のジェフリーラッシュが見事に心を奪われていく様子を演じてて、終盤、息が詰まること詰まること。なんてことするの、本当に。 あまり辛いからもう一度観たくないけど、淀みなく、また綺麗な映像に星4。
普通なら、良くある、なんてことないどんでん返しな結末ですが、見終わ...
普通なら、良くある、なんてことないどんでん返しな結末ですが、見終わって少しの間放心。
えっ、こんな結末⁈
人生絶頂の所で、しかも老齢なのに、この仕打ちは正直、可哀相すぎます。
絵画の収集はそんなに、褒められた手法では、当然ありませんが、もっと懲らしめてやるべき奴は沢山居ますよ。
という感じで、酷く感情移入してしまいました。
生き馬の目を抜くヨーロッパ社会、油断している者、隙を見せた者、女性に疎い者は注意しないとトンデモナイ目に遭いますよと監督は言いたかったのかなぁ。
ラストシーンは主人公に立ち直って欲しいと切に願いました。(ここまで酷いと無理かなぁ)
いい映画でしたが、救いが無く自分自身騙される怖さも分かるので☆☆☆☆4星は上げられませんね。
3・5星にしときます。
恨みは買うもんじゃないね
才能を軽視された復讐に、とても目利きな鑑定士のプライドを、全てが仕組まれた夢の世界に浸らせてからずたずたにする映画。鑑定士は確かにちょっと取っ付きにくくて頑固で絵画の入手手段も全うではないけど、生き甲斐の絵画ややっと見つけた愛や信頼を置いた仲間まで、何もかもを取り上げても構わないほど仕掛け人を傷付けたのだろうか?
私にはやりすぎで可哀想。という気持ちが残る。鑑定士は人間不信で拠り所が何もない抜け殻にされてしまった。面白かったけど後味が悪すぎる。
ミステリー……?
登場人物は少ないし、役者の格からしても関わってくる人間もわかってしまうので端からだいたいの展開はわかってしまい、ミステリーとしてはいまいちかも。それでも先が気になるは気になるし、「騙された!」という心地よさはないけれど十分に楽しめました。ただ展開がわかっていた以上2回観ても新しい発見は見込めそうにないし、しばらくは観なくていいかもしれない。
彼が本当に奪われたもの。
まず圧倒されたのは作品全体に散りばめられた、美術品、調度品の素晴らしさだった。特に鑑定士である彼の秘密の部屋の壁一面に飾られた女性の肖像画は壮観だった。あの部屋は彼の心の中であり、長年かけて創り上げた何にも代え難い安らぎの場だったのだろう。
映画をみてすぐは悲しい話だけど、何がそんなに悲しいのか自分でもわからずにいた。でも少し時間を置くうちにみえてきた、自分がどこに感じるところがあったのか。
元々気難しく、他人を寄せ付けないし信用もしない。何よりも自分の欲しいものを手に入れるためには手段を選ばない、傲慢で鼻持ちならない偏屈なおじさんだ。酷い仕打ちを受けても仕方がないと言えばそうだろう。
そして画家として陽の目をみることのなかったビリーにとって長年彼から受けた屈辱は耐え難いものだったのだろう。
それもよくわかる。
ただ、あそこまでひどい仕打ちをしてまで、晴らしたい恨みだったのだろうか。
彼にとって美術品は人生の全てだ。彼はそうやって人を信じることなくたった1人で生きてきた。その心の拠り所である美術品を奪うだけでは足りず、彼が美術品に執着することで補ってきたであろう心の内、閉じ込めてきた心の1番大事な扉をみんなで寄ってたかってこじ開けてしまったのだ。今までかつてない幸福な夢をみて彼は人生で初めて幸せとは何であるかを知ったに違いない。そこで見せつけられた絶望とはどんなものだろう。彼はそこに何をみたのだろうか。
彼が本当に奪われたのは貴重な美術品ではなく、人として生きるための前向きな力、果ては死ぬ気力までも根こそぎ奪いとられてしまったのではないか。
恨みや憎しみに駆られて復讐するにもエネルギーがいる。彼はそれができないほどに打ちのめされてしまったのだ。それはあまりに惨いことのように思う。
彼がビリーにした仕打ちの代償があまりに大きすぎた気がした。最後の連れを待つシーンは本当に胸が痛んだ。
最後のどんでん返しですっきりするだけの映画ではなく、「人間」を考えさせられた映画でした。
鎧を一枚一枚剥ぎ取って
いかれたのは彼女じゃなくてジジイだった!!
お、お見事です…繊細な童貞ジジイの演技(最初の状態でも偏屈なイケジジイとしての魅力が溢れている)から、彼女に夢中になりだしたちょっとかっこ悪い脱童貞ジジイへの変貌、周囲の人物の配置…素晴らしいカメラアングル…。結末はなんとなくわかりましたが引き込まれました。
最初は偏屈ジジイの鑑定物語、そして謎のパーツと依頼人のミステリー、童貞ジジイの恋愛物語…そしてミステリーに戻ってくるという、自然に心の置きどころの移り変わりを操作される感じ…嫌いじゃない…。
二度目も見て確認したい!!
結末には色々あります。彼女は来たのか?来なかったのか?人を見る目のある鑑定士に最小限の嘘だけですますために、本当にナイトアンドデイの場所は好きだったと本音を混ぜていただけなのか、それすら嘘なのか?もし来たとしてジジイは彼女を許してしまうのか?
大体において、ビリー一味は一切法を犯していない。逆に、ヴァージルは歯車を掻き集めて(論文を読まれたのだろうなあ)内緒で組み立てている。もしも部屋に入れてもらった時、自動人形のことを諦めるなり、明かすなりしたら、彼女は計画を最後までやらなかったのでは?という因果応報(というにはきついが)さを感じ、私より家具のことが大事なんでしょうという言葉の重さもずっしりくる。
そしてこの作戦の陣頭指揮を取ったであろうビリーは確実にジジイの好みと落とす手練手管を持っていてお前ホモか?!と罵倒して、リハビリを終えたヴィージルがあのクソガキをボコボコにするまでのアクションエピソードを想像して余韻を楽しんでいます酷い…酷い話だ…。
かといって結婚したままハッピーエンドもちょっと違うので、お話の結末というのは難しいですね。
邦題見事です
童貞老人のチェリー喪失にまつわるお話ですが、後半20分がイヤやなぁー。
物語としての落とし所は、そうでしょうが
、110分みて、あと20分でこの展開は、
伏線の急な総括みたいで、ムムムとなります。トルナトーレなので、いずれディレクターカット版が出て、エピローグをもっと増やしてくれてるでしょう。
面白かった!
なかなか面白いミステリー!恋愛要素ありで引き込まれるが、ラスト直前にまさかの… とりあえず仕事ばっかじゃなくてほどほどに遊びも恋愛もしとけっていうことだけろう意見で集約されてしまうけど、ラストの孤独感が半端ない…泣笑
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