私の男のレビュー・感想・評価
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直木賞作品だという。原作者は桜庭一樹という人らしいが、ペンネームな...
直木賞作品だという。原作者は桜庭一樹という人らしいが、ペンネームなのか女性だという。名前の面からして性別の固定観念を覆すような複雑な気持ちがしたが、この映画との兼ね合いのせいかも知れない。婚外性行為をしている女性がいる男性が、自分の養子にした娘が高校生になった頃には、娘とも性行為しているという設定。映画はR15指定という、14歳以下は閲覧しないで欲しいと断りの入れてある作品である。映画監督も脚本家も主演の浅野忠信も私より5年くらい年下の世代らしい。世代とはあまり関係ないかも知れないが、なぜこうした小説や映画が生まれ、制作を試みた意味とはどこにあるのか。養女なのか実の娘なのかはっきりしないが、原作と映画で違うのかも判断できなかったが、端的に言ってしまえば近親そうかんのタブーだが、近親でなくても、同意の上なら婚外性交渉してしまう現在の日本社会のどのくらいの割合か知らないが、そういう人たちのタブーとはどこまでの線なのか、その線が緩くはないのかという問題提起としては観られるだろうか。重要な役柄に藤竜也が出演しているが、彼は大島渚監督の『愛のコリーダ』で2人の女優と演技中に実際に性交渉してしまったところが問題となったが、77歳となった今は、夫人の芦川いづみという、石原裕次郎らの日活路線の美人と仲良夫婦として暮らしていて、その人物に、実の血のつながっている親子が性行為したら壊れてしまうんだよと叫ぶところが、俳優女優という種類(現在はアダルトビデオ男優女優が英雄視までされるが・・・)の因果を思わせる配役だと思った。近親そうかんだけではなく、演劇の中の性行為シーンや、同意が実はどこまでがタブーかというレベルの相違など、考えさせられる。血はつながっていなくても、同意して結婚しながら捨てて離婚するのも罪ではないのだろうか。その意識が不安定になっている。現在の女性の性倫理意識の崩壊は父親側の性倫理崩壊が関係しているとも言えるのではないか。母娘関係癒着のほうが心理学などでは問題視されているようだが。結婚という制度を破壊する動きが日本ほか世界に出ているが、こうした近親そうかんというテーマを見せつけることは、タブーという大昔から人間が察知してきた部分に気づかせるのだろうか。そして血のつながらないはずの男女が結婚しなくなってしまっているのだ。性の多様化、自由化という曖昧な、いかがわしさの中でだ。タブーを麻痺させる世界的傾向が、子供出生減少から、中絶、虐待などにつながってはいないか。それが多様化、自由化の代償なのだろうか。こういう映画の内容でなければ、浅野忠信の当時39歳くらい、二階堂ふみの当時18歳くらいの、21歳差での性行為演技は、タブーでもない夫婦としての物語だったとしたら、むしろ迎合したいものだったが、ちょっと親子差では離しすぎか、15歳くらいにしておくべきか。LGBTが社会が援助しようとしているなら、年の差婚はもっと簡単に援助できそうなのに、行政もメディアもLGBTよりもあまり扱わないのである。性行為シーンだけではなく、暴力シーンもR15の映画だと思わされるが、主演の男女が病的にミステリーとして推移していくところは、そうでもないとタブーへの了解にとられるからだろうか。夏目漱石の『こころ』も悲劇で終わらねばならない小説だった。舌へのピアスや合コン三昧のような描写も出てくる。「結局、一人ひとり別々の世界で生きてるんですね」という二階堂のセリフが、個人主義の裏を語っているようにも思えた。二階堂のセリフには、「自由って飽きるんですね」というのもある。脚本は宇治田隆史75年生。監督は熊切和喜74年生。主演は浅野忠信73年生。映画はこの文章の5年前。男女の乱れの他にも、『蛇とピアス』に出ていた高良健吾が被害者的役柄になっているのも不気味な配役かも知れない。個人個人の狂気やずれの積み重ねが普遍になってしまう恐怖というのも思った。こうした半面教師的な映画は誰のためにあるのだろう。逆に年の差とか経済格差などの結婚に不利に思われる状況はなにから逆転できるのだろうか。さらになぜか二階堂演ずる娘は結婚できるが相手は高良ではなく、三浦貴大という、山口百恵と三浦友和という、夫婦愛の自然に模範的なカップルの息子である。その人物がつまみにされているこの配役もせせら笑いされているような気もするのは、私の悪質な心から感じ出てくるのだろうか。理解できるようだと危ない映画なのだろうが、原作が直木賞で映画も国内外で賞を得たのは一体どこからなのだろうか。そこがミステリーであり、ホラーなのだろうか・・・。罰を受けずに隠れている人たちは多いぞという恐怖への示唆だろうか。ラストの音楽も不協和音のような作品を使っていた。
浅野が父親になれない理由は恐らく二階堂にあったんだな。 父親になり...
浅野が父親になれない理由は恐らく二階堂にあったんだな。
父親になりたい浅野。
でも男として求めてくる二階堂。
二階堂が連れてくる男に事あるごとに言う「おまえには無理だ」これは"おまえじゃ二階堂を扱いきれない"ということじゃないかなぁと思った。
んでタイトルにもある通り、二階堂が私の男として浅野を離さないんだろうなぁ。
恐ろしい娘、恐ろしい女だ。
どことなく「悪人」 っぽかった。
もちろん悪人の方がおもしろかったけど。
感情移入できるところなし
永遠の愛と現実
あまりの生々しさに息を呑んだ。永遠の愛だと思われたものが、現実を前にゆっくりと壊れていく。
この物語でふたりは共犯になる。しかも、主犯は花だ。花の真っ直ぐな愛情によって人生を歪められていく淳悟。言葉通り「私の男」になったのだとラストシーンで感じた。
以下ネタバレ注意
私は個人的に、あれだけ純情で綺麗な少女だった花が、東京シーンでは化粧をし、どこにでもいる美しい女に成り果てていたのが印象的だった。
前半で花の気持ちに共感していた私にとって、後半は苦しかった。こんなに愛し合っているのに、どうしようもない現実が寝そべるばかりで痛くて苦しい。
特に残ったセリフは、「小さい時はあの人のことなんだってわかったんです。でも、ちっともわからなくなった。子供だったんですね、私たち」という花のセリフ。あんなに悲しい愛のセリフが他にあるだろうか?
そして「俺は親父になりたいんだよ」という淳悟のセリフ。終盤では全く違う意味に聞こえてあまりにも苦しい。
ふたりの愛って一体なんだったんだろう。どこに着地すればよかったんだろう。そんなことをずっと考えてしまう映画。私はとても好き。
あと二階堂ふみさんの声が癖になる。子供っぽさのあるあの声が花にぴったりで、素敵だった。浅野忠信さんは目元も行為もセクシーさが溢れてます。是非。
ふみちゃん
原作は読んでいません。途中までタイトルは俺の女の方が合っているのではないか?と思いながら鑑賞しましたがラストに向かうにつれ、なるほど、私の男だ…と納得しました。同じような過去や罪を背負っても男女でこんなにも違う生涯を辿りうる、なんて男女の差を描いているようにも思えました。とにかくヒロイン花が強かった。全部掻っ攫っていきます。
中学生、高校生、社会人と成長していく花を二階堂ふみさんが演じていきますが本当に素晴らしいです。真っ直ぐなようでひん曲がりながら大人になっていくヒロインをここまで…鳥肌が立ちました。
丸く収まったようで何も解決せずこの映画は終わります。歪な不完全が狂気そのもの。美しかったです。
二階堂ふみの当たり役
「ぜんぶ、あたしのもんだ。」
陰鬱なお話
ちょっとよく分からない部分もあったけど、何だかんだで見入ってしまった
花と淳悟、全く感情移入できる要素の無い2人でしたけど、2人の衝撃的な愛の、運命の行く末に、何だかんだで魅せられてしまった作品でした。
まあかなり説明不足な形で進む為、私の頭では行間を全て埋めることはできず、正直???な部分も多々ありはしましたが、自分の想像を超える、まさしく作品のタイトルがピタリ嵌る衝撃的且つ官能的な究極の関係性は、何とも言えない凄味があって、まあ好きではないし面白かったとも言い難いのですが、脳裏には間違いなく焼き付いてしまった作品だったなと・・・。
見てはいけないものを見てしまった的な、妙な罪悪感さえ感じてしまいそうな内容でしたね。
特に前半の北海道パートは、雪と氷に閉ざされた街の閉塞感も相まって、見ていて息苦しくなるぐらい、ロケーションと作品の内容が合致していて、ホント作品の世界観に思わず引き込まれてしまいました。
歪んだ愛を育んでいく様は、役者の好演込みでついつい見入ってしまいましたよ・・・何としても邪魔はさせないと静かな闘志を燃やす花の「女」の部分が、何とも言えぬしたたかさ、ドロドロ感たっぷりで、とても生々しかったなぁ~。
特に花と河井青葉が演じた小町とのやり取りは、物凄く印象に残りました、女の本性はホント怖い・・・。
異常な世界から正常な世界へ戻そうとする藤竜也とのやり取りも、画的にインパクト大、二階堂ふみ劇場と化した北海道パートは本当にいろんな意味で凄かったですね。
ただ後半の東京パートはどうなんでしょう、もう私レベルの頭では理解不能、行間を埋めることが出来きれずで、もう一つ入り込めませんでした。
かなり原作を端折りながらの内容だったのかな?(読んでないので分かりませんが)、それともそこは自分の想像力で埋めろってことなのかな、まあ説明しないのが美徳なところもあるのは分かりますが、もっと私のような底辺の映画ファンにも少しだけ親切に作ってくれたら、更に入り込めたのですがね。
と言うか、あれだけの「コト」を起こして、いくらなんでもタダでは済まないような、ってそう言うのは突っ込んじゃいけないのかな・・・。
まあしかし、ある種地球外生命体のような花の生態が、あまりにも凄すぎて何の感情移入もできないのに何故か魅せられてしまったなぁ、JKでも社会人でも全く違和感なく見える二階堂ふみの演技、妖艶さは、お見事の一言。
浅野忠信の哀愁も勿論素晴らしかったです、虚無感たっぷりな終盤の表情が特に印象的でした。
それに比べて高良健吾は、まさかこんな使われ方されちゃうなんて(笑)
まあ何にしても、歪んだ業の深さ、愛の行方は、好きな話ではないけど何だかんだで見入ってしまうものがあった作品でした。
女の怖さ
分からないんですけど
小悪女をやらせたらあの若さで天下一品て、よほど本人も小悪じゃないと...
シンゴジラ<二階堂ふみ
二階堂ふみは以前から宮崎あおいによく似ていると思っていた。宮崎も幅広い演技力のある女優だが、二階堂の演技力は彼女以上かもしれない。同ジャンルの女優としては大竹しのぶに匹敵するのではないだろうか。それは二階堂が、この映画で「進化」をしていたから。
恐らくは「第4形態」まで!
何とゴジラより先に!!
それくらい折々で登場する二階堂は印象が違う。
二階堂ふみを観るだけでも価値ある映画。
割りと記憶に残っているしかも悲しい事故が発端なのは意外で、そこからそーなる因果は微妙に飲み込み辛いんだけど、二階堂と浅野の昭和感残る生活ぶりは嫌いじゃないし、二人の関係性の揺れ動き、押し引きを観察するのは面白い。
不道徳な事件が不問なのも含めて、この話かなりファンタジー。
浅野は相変わらず好みではない。あんまりボソボソ話す役者は好きじゃない。しかもいつもセックスしてるし。浅野と池松壮亮は大体女抱いてる!
台詞が少ないシーンが多く、演出は良かった。
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