・2012年公開の韓国の感染パニック映画。
・韓国全土で、寄生虫「ヨンガシ=ハリガネムシ」の変異種による人間の入水自殺が発生。致死率100%で韓国全土に広がる中、製薬会社で働く主人公の妻と息子娘も寄生されたことがわかり、自殺を止めるべく、唯一効果のあった薬を求めて翻弄する。主人公が翻弄する中で、さらにその裏側にある陰謀が明かされていく という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・コロナ禍を経たからこそ感じる共感性
・どうにもならない危機感あふれる物語展開(若干無理やりですが笑)
・実際にありえそうで、水場が怖くなるリアリティ
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[物語]
・本来は人に寄生しないハリガネムシが突然変異して、人に寄生できるようになってしまった故に為す術のない人類、という流れが妙にリアルであり得そうで、恐怖をあおられます。しかも、寄生される場所が川や湖などの私たちが普段遊ぶ水場。実際にあり得そうで、その場所場所に近づくときに恐怖を覚えるリアリティが見所です。
・唯一、効果のある薬が見つかったにもかかわらず、既に生産廃止されていたため、寄生された人数分をすぐには用意できない状況の中で、市場に残っている薬を高値でもよいからどうにか手に入れて家族にのませたい主人公。しかし、それが全くうまくいかないんです。それと並行して、状況がどんどん悪化していく妻と子供たち。この、うまくいかない状況が、若干無理やり感ありますが、ハラハラは凄いので細かいことを気にしなければアトラクション映画としてはしっかり楽しめます。
[演出]
・主人公の弱さと強さの両立が素敵。加えて、奥さんの強さをしっかりと表現しているので、観ているこちらが主人公家族に対する共感が強くなったので、一層、物語をハラハラしてみることができました。子供たちの可愛らしさも素敵なエッセンスになっていました。
[映像]
・ドンチャカ系映画ではないので、大きな動きはありません。が、映像の色味やテンポにある程度の重厚感を感じたので、「映画を観た!」という気分にいざなってくれました。
[音楽]
・特に際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・知らない方ばかりでしたが、この映画を通して、目に焼き付きました。主人公のキム・ミョンミンさんの弱弱しくも芯の強い感じ、奥さん役のムン・ジョンヒさんは、見事に芋っぽい田舎嫁、でもしっかり主人と子供たちに尽くす素敵すぎる奥さんを演じられていました。2人の演技が特に好きでした。
[全体]
・人間の狂気じみた状態が、コロナ禍とリンクしているように感じて、妙にリアルさを感じる映画でした。
・物語が一見シンプルな感染パニック映画かと思いきや、意外としっかり練りこまれたストーリーになっていて面白さが増しました。序盤の株式投資で失敗しているくだりや主人公の弟の職業が警察官であることなど、様々な必然の状況が絡み合って結末にたどり着くあたりは、結構、見所があったなぁと感じる部分です。評価は様々でしたが、個人的には一鑑して楽しめる価値のある映画だと思いました。ありがとうございました。
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