ジュピターのレビュー・感想・評価
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楽しめた!
久しぶりの、SFらしい映画
1.この映画では、宇宙最大の王朝、アブラサクス家の王宮は木星の大赤班の中にあると設定されています。
現実の大赤班は、大きさが地球3つ分くらいだそうで、地球の台風やハリケーンに似た現象で、木星をとりまく雲によってつくられているそうです。
しかし、この大赤斑を作る嵐は安定しており、今後も惑星が存在する限り消えないとも言われ、これほど長期間にわたって維持されるメカニズムは、現在の科学でも解明されていないそうです。
宇宙版「天空の城ラピュタ」という訳ですが、大赤班は、謎の存在として現実に存在するので、SF映画としては上手い設定と思います。
2.この映画の予告編では「10万年前、人類の栽培が始まりました」や「全人類を収穫する」という言葉が出て来ますが、人間は宇宙人の家畜に過ぎないという、とんでもない設定になっています。
ところで、人類は、太古の地球で自然発生した単細胞生物が、長い年月を経過して今の人間に進化したと学校で習いました。しかし現実には、完全に立証された訳ではなく、異論が有る事は教わりませんでした。
それは何かと言うと、ミッシング・リンクと呼ばれていますが、猿と人類の共通の祖先が居たはずなのですが、その化石が未だに見つかりません。そして、現在に生き残ったのはホモ・サピエンスだけで、北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人などは全て絶滅しましたが、その理由も未だに解明されていません。
この映画では、その、ホモ・サピエンスは宇宙人が地球に移植した生物だ、という設定になっているので、本当に上手く考えたストーリーだと感心します(およそ10万年前は、ホモ・サピエンスが誕生したと推測される時期)。
3.これも、この映画の予告編に出て来ますが、地球に生まれ育ったジュピターに「貴方も王族なのです」という言葉が出て来ます。
人の転生に関して、現在の科学では否定的ですが、身近な話題があります。2014年に、チベットの最高指導者のダライ・ラマ法王14世が来日しましたが、実は、チベットでは、ダライ・ラマは転生すると信じられています。
ダライ・ラマが亡くなると、僧たちが、転生する子供の生まれる地方や特徴を予言します。そして、その子供を捜し出して、ダライ・ラマの生まれ変わりとして地位を継承させるそうです。
4.私的には、ファンタジー的なSF映画よりも、現在の科学でも完全に否定しきれない謎を組み込んだ、この「ジュピター」のようなSF映画の方が、のめりん込んで楽しめます。
空飛ぶマッチョな王子様〜!
大作なり損ねた作品
失敗の理由
どうしてこんな何のヒネリも深みもない映画をウォシャウスキー姉弟が作ったのだろう?まさかと思うが、そのまま終わる。
ただ、断片的に接続しないシークエンスや明らかに孤立しているシーンが所々にあってそれらを解釈していくと、これは恐らく頓挫した壮大な作品の残骸なのだと気付く。
1つ。
資本主義、つまりお金が様々なレベルで解決出来ない問題として通奏低音になっている。
ジュピターの父が死んだ理由、ジュピターが発見された理由、ジュピターが地球で行っていること、家族の諍い、地球誕生の理由、敵も味方も全て資本主義に支配されている。
とても大きなテーマなのに表に出てくることなく終わる。
2つめは
そして過剰にコミカルに、過剰な未来世紀ブラジルへのオマージュがある。
この辺のもはや理由など誰もさかのぼれない、維持のための維持、管理のための管理、端から見るとコミカルでしかない。
おそらくこれらの機構そのものをシニカルに見せる効果のためのシーンだった。
その為にギリアム(と彼が撮った作品の共通性)の持つイメージ自体も持ち出している。
3つめは意図的にスケールが伏せられていること
諍いを起こしている家族が連邦のの中でどの位置を占めているのか一切書かれていない。
政治システムも書かれていなければ彼等の属している社会もほとんど描写がなく、1家族と治安機構の一部だけをあえ描いている。
王家が取り巻き数人以外からまったく特別視されていない。連邦というザックっとした説明があるだけで連邦がどういったものかの説明はない。
1家族の遺産問題と保安官事務所くらいのスケールかもしれないとあえて思わせている節がある。
これら設定はテーマに関する部分だったように思うが、残されたまま使われていない。
それ以外にも必要のない細かい設定が散見する。
結果としてシンプルなシンデレラ風スペースオペラになっている。
監督はティーン向けに作ったといっている。
が、ティーンを含めた全年齢対象に名作を作ることが出来る才能を持っているのはマトリックスの成功で誰もが知っている。
たぶん、途中でティーン向けの映画として終わらせるしかなくなったのではないだろうか。
あれだけ音楽に拘る監督なのに今回は殆ど出来合とも思えるありきたりなスコアをのべつBGMとして使っている。
映像は所謂コンピューターゲーム系の映像でかなり古さを感じが一部の美術デザインに過剰なディティールが加えられている。
また不自然すぎるほど、わざとらしい情緒的な台詞が付け足されているような気がする。
この辺の違和感も途中から路線を変更して完成と予算緊縮がトッププライオリティになって、でっち上げているからだろう。
恐らく3部作以上の構想で1個人の運命をどんどん俯瞰していく所から始まる、タイタンの妖女、百億の昼と千億の夜、あたりのアプローチをしたかったのではないだろうか。
またリンチがデューンを失敗したときの雰囲気がある、ディレッド・メインの怪演とスティングの怪演とか無駄にエロイプロップとか。
リンチのデューンは趣味を全回にして華々しく散っているのと違い本作は慌ててまとめようとしている感が強い。リンチとの違いは背負っている経済的責任の範囲の大きさだったのだろう。
少なくとも才能のある監督なのだから失敗するにしてももっと壮大に失敗したほうがよい結果になったかも知れない。
時代を変える1本を作った監督だから、今後いくら失敗しても許すけど。
2Dで観ましょう
映像にリアリティが無く引き込まれない
「マトリックス」「映像革命」というキーワードで期待した新しい映像演出は全く見当たらなかった。そもそもリアリティーのある映像に少し新しい技法を入れることが引き込まれる映像作りのポイントにも関わらず、今回は全体的にリアリティーが感じられず、動きにも重厚感がない。造形や画面作りにおいて美術さん的な拘りは感じるが、「映像革命」と感じられる部分は無かった。また、SFの中核を成す人類の収穫というアイデアは悪くないと思うのだが、ストーリーとしては兄弟の権力争いとラブストーリーの比率が高く、肝心なSFアイデアを有効に活かし切れていないのが非常に残念だ。DNAと輪廻転生とあたりも説得力のある説明が盛り込めればもっと面白かったに違いない。
複雑すぎる。。。
ラナ&アンディ・ウォシャウスキーの頭の中はいったいどうなっているのだろうか。かなり複雑なプロットを複雑なまま映像化した感じである。
つきつめると、いろいろわからないことがあって、ジュピター(ミラ・クニス)になぜ王位のDNAが継承されているのか。遺伝というのはそんな飛び火するものなのか。
映画のなかで説明されていたのかもしれないが、一度観ただけではよくわからなかった。
王家には3人の子どもがいる。これもストーリーを複雑にしている。しかも3人が3人とも欲まみれ。「3匹の子ブタ」や「リア王」ではないが、ひとりくらいは良心の人がいてもよかった。
あとはめくるめくスペースオペラ的映像に目を奪われる。「マトリックス」とは違って、今度は宇宙空間なので、より身近な映像にはなっているが、ワープなどもうすでに実用化されているかのような風情である。
そんなところへミステリーサークルをかませるあたりが、こちらをニンマリさせるところである。
「ジュピター」研究が進めば、本作のおもしろさをもっと味わうことができるのではないか。
ギャップにびっくり
CGで圧倒された。僕は2Dで観たが3Dの方が楽しめたかもしれない。...
壮大過ぎて…
翻弄される運命。問答無用のやりすぎSFアクション超大作!!
【賛否両論チェック】
賛:宇宙規模の大迫力のアクションに圧倒される。
否:スケールが大きすぎるだけに、かえってチープな印象も受けてしまう。本格派には不向きかも。
「地球が実は造られたものだった」という設定も驚きですが、宇宙の支配を目論む兄弟3人による覇権争いが桁外れのスケールで繰り広げられ、その世界観に圧倒されます。ただ逆に言うと、それだけ大きい規模の戦いをフルCGで描き出しているので、本格派の方が観るとかえって興ざめしてしまいそうな感じもします。
物語は、自身の数奇な運命に翻弄されながらも、自分の意志で道を切り開いていこうとするジュピターの姿が印象的です。そして「王女と孤高のハンター」という、身分の違いを越えた愛も見どころの1つ。
日頃感じている閉塞感から抜け出したい時に、是非オススメの作品です。
宇宙家族の壮大な親子喧嘩
ウォシャウスキー姉弟が前作『クラウド アトラス』で扱ったテーマ的な要素、掻い摘むと「輪廻転生」とか「クローン」とか「運命」、あと「倫理」的なものですかね。を、更に一歩踏み込んで、斜め上から攻めた感じの映画です。
ああ、そういう風に説明しちゃうと何だか難しくてすっごく高尚な物語に感じるかもしれませんね。けど、実際はそんなこともなくて。なんというか、一言で表現するならば「稀代なる珍妙SF」。勿論、姉弟は至って真面目にね、この作品に取り組んだんでしょうけども。結構な厨二病ワンダーランドに仕上がっておるんですな、これ。
主軸は「宇宙一家の壮大な親子喧嘩」で、それがドンと鎮座しておりまして、その周囲をヒーロー(チャニング・テイタム)とヒロイン(ミラ・クニス)が周回してる感じで。
「ヒロインがピンチだ!俺ことヒーローが助けに行くぜ!」のパターンが延々と、延々と続きます。マジで息つく暇なくヒロインがピンチになります。そこにあらゆる厨二垂涎のキーワードが飛び交い(「DNAは輪廻転生する」みたいなハイパー理論が飛び出てきたり)、まさしく映画内はワンダーランド。
ぁいえ、まるで自分がこの映画を小馬鹿にしてるっぽくなってますが、別段DISってるんじゃないんですよ。本当に。DISりじゃないんです。まんまを言ってるんです。
で、まあ、そのワンダーランドに乗れない人、呆れた人はとことんつまんない映画になってるんでしょう。なったんでしょうね。ネット界隈じゃボロクソに言われたりしてるので。
んー、だから、人によって鑑賞パターンは数あるんですけども、なんというかね、しかし話は割とどうでもいいじゃんか、的なスタンスでしたね、自分は。
注目すべきは圧倒的なヴィジュアル革命、息をのむ美しさ、みたいな部分。眼前に映し出される美麗なシーン、シークエンスを楽しめばいいじゃんか、と。
本当に嫌いな人は坊主憎けりゃ袈裟までも状態なんでしょうけど、もう自分は映像を楽しみましたので。
つまりは、そういう感じの映画です。はい。
映像とツッコミを楽しむ映画
映像アトラクションを観に行こう!
ストーリーは、酷評のとおり。
途中の要らない説明にも、眠くなりました。
とにかく、全体に長かった印象です。
もう少しミニマムにすれば、
ストーリーの粗も
目立たなかったんじゃないかな。
ビジュアルの仕事に
長年携わっていますが、
映像クオリティはさすがでした!
マトリックスのような、
新しいクリエイティビティに期待してた方は
もちろん低評価でしょうけど。
しかし既視感ありながらも
ディテールに妥協することなく、
緻密に計算されたアングルには
目をみはるものがありました。
これでもかと詰め込んでくるVFXも、
サービス精神に満ちています。
娯楽力は、ハンパないです。
木星の街の
アートディレクションも秀悦で、
SFファンはいろんな発見があります。
うん、TDCスターツアーズの
長尺版だと思えばいいんです。
映像アトラクションを楽しみたいなら、
めちゃ得した気分になれますよ。
初めての4DX
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