劇場公開日 2015年3月28日

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「久しぶりの、SFらしい映画」ジュピター Uno_naraさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0久しぶりの、SFらしい映画

2015年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1.この映画では、宇宙最大の王朝、アブラサクス家の王宮は木星の大赤班の中にあると設定されています。

現実の大赤班は、大きさが地球3つ分くらいだそうで、地球の台風やハリケーンに似た現象で、木星をとりまく雲によってつくられているそうです。

しかし、この大赤斑を作る嵐は安定しており、今後も惑星が存在する限り消えないとも言われ、これほど長期間にわたって維持されるメカニズムは、現在の科学でも解明されていないそうです。

宇宙版「天空の城ラピュタ」という訳ですが、大赤班は、謎の存在として現実に存在するので、SF映画としては上手い設定と思います。

2.この映画の予告編では「10万年前、人類の栽培が始まりました」や「全人類を収穫する」という言葉が出て来ますが、人間は宇宙人の家畜に過ぎないという、とんでもない設定になっています。

ところで、人類は、太古の地球で自然発生した単細胞生物が、長い年月を経過して今の人間に進化したと学校で習いました。しかし現実には、完全に立証された訳ではなく、異論が有る事は教わりませんでした。

それは何かと言うと、ミッシング・リンクと呼ばれていますが、猿と人類の共通の祖先が居たはずなのですが、その化石が未だに見つかりません。そして、現在に生き残ったのはホモ・サピエンスだけで、北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人などは全て絶滅しましたが、その理由も未だに解明されていません。

この映画では、その、ホモ・サピエンスは宇宙人が地球に移植した生物だ、という設定になっているので、本当に上手く考えたストーリーだと感心します(およそ10万年前は、ホモ・サピエンスが誕生したと推測される時期)。

3.これも、この映画の予告編に出て来ますが、地球に生まれ育ったジュピターに「貴方も王族なのです」という言葉が出て来ます。

人の転生に関して、現在の科学では否定的ですが、身近な話題があります。2014年に、チベットの最高指導者のダライ・ラマ法王14世が来日しましたが、実は、チベットでは、ダライ・ラマは転生すると信じられています。

ダライ・ラマが亡くなると、僧たちが、転生する子供の生まれる地方や特徴を予言します。そして、その子供を捜し出して、ダライ・ラマの生まれ変わりとして地位を継承させるそうです。

4.私的には、ファンタジー的なSF映画よりも、現在の科学でも完全に否定しきれない謎を組み込んだ、この「ジュピター」のようなSF映画の方が、のめりん込んで楽しめます。

Uno_nara