「モヤモヤした」マッドマックス 怒りのデス・ロード 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤした
映画通の皆さんが大絶賛しているので、いけないと思いながらも期待マックスで臨んだせいか、すっきりしないモヤモヤした気分になってしまいました。確かに面白い場面はたくさんあるし、敵も人間味があってよかった。予告で白塗りのゾンビみたいな連中がわらわらと襲ってくるのを見て、こういう表現嫌だなと思っていたら、そんなことはなくちゃんと一人ひとり人格があって、洗脳状態ではあるんだけど、それなりの理屈で行動していた。
マックスがトム・ハーディで影が薄いのかもしれない。今思い出そうとしても顔が思い出せない。マックスより片腕の女の方がずっと存在感があったし、マックスなんていなくても成立するような話だった。マックスが足りなくてモヤモヤしているのかもしれない。
3D吹き替えで見て、どっちも苦手なので公開したら2D字幕で見返したい。
(追記)
2D字幕で見返した。ちょっとウトウトしてしまったのだが、やっぱり初見の印象は変わらなかった。1作目、2作目にあった本気で殺し合いをしているようなギラギラとした迫力がなかった。敵が派手な分、ふざけているようにしか見えなかった。
マックスの影が薄いように感じていたのでマックスに注意して見るようにしたところ、けっこう出番や見せ場は多く、活躍していた。しかし、すんなり人助けするし、トラウマに苦しんでいるし、すっかりお人好しになってしまっていて、すごく違う感じがした。マックスは犬だけがパートナーで、でもその犬すら大事にしないような孤独さがよかったのに今回はそんな感じがなかった。
本気を感じさせた登場人物は、敵のコスト計算しながら乳首をいじっているおじさんとバイクのおばあちゃん連中だった。
(3回目)
これまでと同じものを見ていたとは思えないほど興奮してのめりこんだ。コンディションの問題なのか、ハードルを下げてみたせいかわからないけど、すっげえ面白かった。いちゃもんつけて本当にもうしわけない!やっと祭りの輪に入れた気分。
2回見てフェリオサもウォーボーイもワイブスもどうでもいい連中だと思っていたのだが、みんなそれぞれの気持ちがすっと入って来て感情移入して見た。特にフェリオサは凛々しくかっこよかった。
マックスは出番が多い割に印象が薄いのは変わらず、トラウマに悩んでいるのも嫌だった。敵をやっつけて武器を大量に獲って来る場面が描かれなかったのも一因かもしれない。