茄子 スーツケースの渡り鳥

解説

黒田硫黄のコミック「茄子」収録の短編をアニメ映画化した「茄子 アンダルシアの夏」の続編。チーム・パオパオビールに所属する自転車ロードレース選手ぺぺ。彼のチームメイトであるチョッチは、同郷の先輩である選手マルコの自殺にショックを受け、レーサーとしての人生に疑問を抱きはじめる。そんな中、チーム・パオパオビールはジャパンカップに参加するため日本へと向かう。スタジオジブリ作品で作画監督を手がけてきた高坂希太郎が前作に続き監督を務める。

2007年製作/54分/日本

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
黒田硫黄
脚本
高坂希太郎
キャラクターデザイン
高坂希太郎
音楽
本多俊之
エンディングテーマ
忌野清志郎
アニメーション制作
マッドハウス
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映画レビュー

3.5残酷な旅立ち。この仕事は苦しむ事以外は考えてはいけない

2022年5月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

悲しい

内容は、マルコという超有名選手の自殺を柱に自転車ロードレースのパオパオビール🍺teamにフォーカスした選手達の群像劇。好きな言葉は宇都宮の石仏千手観音を其々の面持ちで見つめ、その態度に対する住職の言葉『観音様がお呼びになったのだろう』物憂げな選手達の思いが空気感から伝わってきそうな所が大人な演出だなと感じました。また『いいケツしてんなぁ!』とお尻を褒めるシーンは自転車乗りにとって最高の励ましの言葉だと自分も自転車に乗るので親近感を感じました。後ろから見てケツが天を臨む姿にオーラを感じた事すらあります。いかんせんバイクレースは日本人には馴染みが薄いのでとっつきにくいかもしれませんが、美しい映像とレースの疲労感は半端なく伝わったと感じます。アニメは流石高坂監督。無類の自転車好きで有名で面白さとストイックさを伝えたかったんだろうなぁ。冒頭のマルコの暗黒への下向きの映像は死をあからさまにイメージしてゾッとしました。死して尚走り続けるんだろうなぁ。ザンコーニの孤独な姿は終始喪中のマルコにフォーカスされていて、バイクレーサーの苦悩と解放感と諦観に飲まれていて憧れのマルコへの追悼の意志の現れで、残酷で逃げる事の許され無い自転車レース世界に自分の苦悩と共傷の結論として一周残し上がったのかもしれないと考えるとマルコの呪いは自転車レース世界の激しさや修行僧感が痛いほど伝わりました。ゴール直前のザンコーニの神にも見える瞬間がとても美しい。残酷なレースからの一時の救いを感じました。絶え間なく修行する姿は神との対話を期待してる様にも感じます。自分も自転車に乗っている時は脳内BGMが流れているのでお経と同じなのかもしれません。正に自転車レースは華やかな世界に見えるが実は内面は、耐え難い修行と限界までの挑戦の苦しさで、それでも勝負の世界に囚われてしまった諦観が大人な映画だなぁ。アニメーション作りの世界にも同じ様なストイックさで完成を目指す姿が表されている様にも感じました。業にまみれた罪な世界です。そんな中でも自分の人生の為に生きたい!そんなメッセージが痛いほど響きました。最後の自転車唱歌は忌野清志郎の歌声は懐かしさと共に自分も歳をとったなぁと感じます。残酷なそれでいて楽しい話です。また自分も自転車乗ってみようと感じました。

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コバヤシマル

3.0【”ロード・レーサーの生き甲斐と、矜持” ロード・バイク好きには堪らない日本で開催される自転車ロードレース・ジャパンカップを舞台にしたロード・レースムービー第2弾】

2022年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー これは、第一作目の「茄子 アンダルシアの夏」のレビューにも書いたが、ロード・レースは題材として映画に向いていると思う。
  チームの優勝のために、チーム内で引き立て役になる選手の心持やチーム毎の駆け引きが面白いからである。
  F1レースを描いた作品に傑作が多いのと同じ論理である。

■ヴェルタ・ア・エスパーニャの最終日前日に国民的英雄のレーサー・マルコが突然自殺。
 ペペのチームメイトであるチョッチはそれをきっかけに、レーサーとしての生活に疑問を感じ始める。そんな中、ペペたちはジャパンカップに参加するため日本の宇都宮へ…。

<前作でも思ったが、ロード・レースシーンの迫力が上手くアニメーションとして表現されている。
 それは、ジブリ出身の作画監督、高坂希太郎自身が業界屈指の自転車乗りである故であろう。

 それにしても、ライバルチームの優勝候補選手ザンコーニは何故、一周残してレースをリタイヤしたのか・・。ここは、キチンと描いて欲しかったなあ。>

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NOBU

3.0背景すごいリアル

2020年12月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

単純

幸せ

前作と比較すると雲泥の差。映像技術のクオリティ高いです。内容も、こちらの方が見応えあり。終わりかたは前作と同じ雰囲気でした。

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ケイト

1作目と続編、続けて観ると、演出が粋だな~☆と感じた

2020年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ペペがルパン、チョッチが次元に見えた(笑)
ザンコーニはゾーンに入ってタタリ神になった(笑)

それはさておき、サポーターの日本人女性ひかるさん(声は坂本真綾)と
応援してる小さい男の子(ハウルのマルクルみたいな感じ)がかわいい。
そしてチョッチの声(山寺宏一)が存在感光ってる。

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