「詩のような映画」風立ちぬ sai_s2001さんの映画レビュー(感想・評価)
詩のような映画
詩のような映画
【何故、主人公の声が庵野監督なのか】
この映画は、堀越二郎という実在の人物の自伝を元にしたフィクションですが
七試艦戦や九試単戦なども出てきますから、あくまでもリアルな人物
そして、そのほかの人物は、二郎の回顧録の中の登場人物という違いがあるのでは無いでしょうか。
だから、二郎には芝居がかって欲しくなく、あくまでも、個人の回顧録のような感覚で見て欲しかったのでは無いでしょうか?
そして、物語も、二郎の夢の中と、現実が、なんの前触れもなく切り替わります。
見る方も、ここは夢?現実?ついて行くのが大変です。
その結果、冒険活劇でもなく、ファンタジーでもなく、一連の詩のような回顧録の様な映画にしたかったのではないでしょうか?
だから、ラピュタのようなワクワクする盛り上がりもないし、トトロのようなかわいさもないです。
この映画は、二郎や菜穂子の気持ちに寄り添って、その立場に立ってみると味わいが解る気がします。
不治の病に冒された菜穂子、その病と自らの夢とその結果に呆然とする二郎
そこで物語は終わります
【何が言いたいのか解らないと思った人は】
この映画が見えてないと思う
本来、文学や詩など、具体的に何か強いメッセージなどはあるわけではなく
それらは宿題のように、自分で答えを出すモノです。
映画を見た後に見て欲しいという紙を開いたときに
そういう映画なんだと確信しました。
テレビで宮崎アニメはずっと見てきましたが
初めて劇場で見ました。
ラピュタやトトロ等も良かったけれど
このお年になっても新しい表現方法にアプローチする宮崎監督は凄いですね。
【庵野監督に声を頼んだもう一つの理由】
庵野監督と言えば、エヴァの監督、そして彼や彼の世代
庵野監督のアニメを見る世代、すべての若い人に、零戦にあこがれる人たちに
堀越二郎の気持ちになって欲しかったんじゃないかなぁー
【おまけ】
映画の一場面で
ラピュタの登場人物
ドーラとじっちゃんが出てきます
笑っちゃいました
【自分はどう見たか】
これは、日本人とは、本来どういう物なのか?
と言うことを伝えたかったのではないでしょうか
二郎が子供の時の田舎の美しい風景
そして、起こる関東大震災
そこで出会う主人公とヒロイン
やがて主人公は就職し飛行機の設計士として働きますが
海外に行ったり、そこで堂々とした振る舞いをします
その後、日本の避暑地、多分、長野、軽井沢のように見えましたが
そこで、外国人と歌を歌ったり、
ヒロインが病を押して主人公の元に来たとき
格式張ったしきたりをちゃんとやってみたり
日本人って、こうだよな
と言う感じが伝わってきました
海外の人に受け入れられたら嬉しいです
あと、出てきた軍人の目の焦点が定まってなかった(^0^;)
「君は何者だ?」
「日本の少年です!」
これですよ、日本人を伝えたかったんだよ